債務整理とは借金の減額や免除のための公的な手続です。上記のチャートでご自身に合った債務整理を確認してみましょう。また、事務所を選ぶ際にはひとまず相談してみることをおすすめ。多くの事務所が無料相談を行っているので、まずは相談してみて相性を確認してみましょう。

過払い金を依頼する事務所を決めるポイントは①費用②相性の2つです。

①費用：相談・着手金が無料の事務所を選ぶようにしましょう。失敗してもこの初期費用が無料であれば、余計なお金がかからないため気軽に依頼することができます。

②相性：事前に担当者との相性を確かめることは正直難しいです。口コミだけでは判断が難しいため、多くの事務所が行っている無料相談で担当者の相性を確かめましょう。また、事務所が借金関係を専門に扱っているかも要チェックです。この記事で紹介する事務所は全て借金関係に特化しているため、安心して選んでください。

債務整理（任意整理）の簡単な流れをご紹介します。事務所に依頼すれば、受任通知の送付から和平交渉まで任せられます。担当者と相談しながら完済を目指しましょう。

借金問題を解決する方法＝債務整理には、4つの方法（過払金返還請求も含めると5つ）があります。具体的には「任意整理」「特定調停」「個人再生」「自己破産」の4つです。専門家に相談する前に、それぞれの主な特徴を知っておくと安心です。

4つの方法で共通するメリットは、手続きを始めると借金の取立てが止まるので、借金問題解決に集中できることです。一方デメリットは、ブラックリストに載るため、一定期間（任意整理・特定調停は5年間、個人再生・自己破産は10年間）、金融機関から借金ができないことです。

この次からは、それぞれの特徴について、詳しく見ていきます。

「任意整理」とは、唯一裁判所を介さない方法です。相手の金融機関と交渉して、将来利息を減額するなどして、3年から5年程度で完済できるようにします。また、借金を正しい金利で計算し直して、過払い金があれば減額します。問題が無ければ3か月程度で手続きが完了します。

任意整理のメリットは以下の通りです。

・即日督促がなくなる

・過払い金の請求が可能

・財産保持できる

・資格・職業の制限が少ない

このように、任意整理の最も大きなポイントは実生活への影響が少ない点です。前述したように、任意整理では裁判所を介さないため、自宅に書類が届くことがありません。そのため家族や友人にバレずに手続きを進めることが可能です。

1番現実的な方法であるため、最も多くの方が利用している方法です。

デメリットは、他の方法に比べて減額できる金額が少ない点です。任意整理では、将来利息を減額しますが、元本自体は減額できません。そのため、元本自体が減額される他の方法に比べると、減額幅が少ないです。

また、5年間信用情報機関に記録が残ってしまうため、クレジットカードの作成やローンを組むことが難しくなります。

「特定調停」とは、簡易裁判所を通して、無理なく返済できるよう金融機関と交渉する方法です。任意整理と同じ手法ですが、調停の際に、裁判官などで構成される「調停委員」が対応します。

特定調停のメリットは、弁護士や司法書士を雇う必要がないため、費用が安く済む点です。前述したように、裁判官と弁護士資格を持つ調停委員が対応するため、自分で弁護士を雇う必要がありません。また、2カ月程度の短期間で解決に至るのもメリットです。

特定調停の最も大きなデメリットは、弁護士が行ってくれるはずの複雑な手続きを自分自身で行わなければならない点です。また、任意整理は債権者に受任通知をすれば即日督促を停止できますが、特定調停は書類作成に時間がかかるとその間督促が止まりません。

その他のデメリットとしては、

・ブラックリストに載る

・元本は減らない

・債権者が交渉に応じてくれないケースもある

・過払い金は別途手続きが必要　　　　…などが挙げられます。

また、平日の昼間に2回程度出廷する必要もあります。忙しい方や、初心者の方にはあまりおすすめできない方法です。

そして交渉の際には、ある程度専門的な知識が必要になるため、特定調停の場合は債権者が交渉に応じてくれないケースもあります。また裁判所の調停委員が債務整理の専門家とは限りません。

忙しい方や初心者の方にはあまりおすすめできない方法です。

「個人再生」とは、地方裁判所を通して、借金を5分の1〜10分の1まで大幅に減額して、原則3年（5年でも可）で完済すれば、債務が免除される方法です。個人再生を行う条件として、安定収入が必要です。

住宅ローンを組む場合、基本的に在宅ローン債権者の担保として抵当権が設定されることが普通です。そして債務者が在宅ローンを支払えなくなった場合、在宅ローン債権者によって強制的に住宅が売却され、在宅ローンの支払いに充てられてしまいます。

しかし「個人再生」は住宅ローンが残っていても、マイホームや土地などの財産を没収されず借金を減額することが可能です。これは在宅ローン特則の基本条件に従っています。

また、ローンが完済していたら車も没収されません。大きな財産が没収されないため、「自己破産」に比べて実生活への影響が少ないです。

その他のメリットとして、

・借金の理由を問われない

・資格・職業の制限がない

などが挙げられます。

個人再生のデメリットは、

・弁護費用や時間がかかってしまう

・ブラックリストに載る

・官報に掲載される

・すべての債務が対象になる

といった点が挙げられます。

裁判所とのやり取りや手続きが大変なので、弁護士費用や時間が多くかかってしまいます。通常の場合、手続きにかかる時間は約6ヶ月〜約12ヶ月ほどです。住宅ローンを除いた借金の総額が5,000万円以上の方は利用できないので注意しましょう。

「自己破産」とは、地方裁判所を通して、自身の財産や収入からでは借金の返済ができないと認められた場合に、全ての借金を免除してもらう法的手続きです。借金をした理由によっては認められないので注意が必要です。

自己破産のメリットは以下の通りです。

・すべての借金の返済義務がなくなる

・請求・督促がなくなる

・誰でも申し立てることができる

「自己破産」のメリットとして最も大きいのは、やはり返済義務がなくなる点でしょう。消費者金融からの借り入れはもちろんのこと、クレジットカードの請求金・住宅ローン・車のローンなど、すべての借金の返済義務から免れます。

また、保証人以外の家族や親族に影響がおよぶことはありません。

自己破産の手続きをすると20万円以上の財産、99万円以上の現金は処分されてしまいます。家や車、土地といった高額な財産が売り払われてしまい、給料の4分の1の金額も差し押さえられます。

また、

・ブラックリストに載る

・官報に掲載される

・士業や金融関連業など一部職種に一定期間就けなくなる

などのデメリットもあります。

ブラックリストに名前が登録されると、5～10年程度はクレジットカードの利用やローンを組むことができません。また、借金が免除されただけで借金はなくならず、保証人に借金が請求されます。自己破産をするかどうかは、しっかり時間をかけて検討しましょう。

ここまで、債務整理の特徴についてそれぞれのメリットとデメリットをお伝えしましたが、その中から一つの種類を選ぶのは難しいですよね。

ここからは特定調停を除いた3種類の債務整理の選び方について紹介します。

弁護士事務所でますは相談したい！という方も、ある程度どの方法で借金を解決したいか目星をつけておくことは大切です。

定期的な収入があって、借金総額を3〜5年で完済できる場合は「任意整理」がおすすめです。任意整理は、1番リスクが少なく財産を没収される心配がありません。また、かかる費用が少ないことからも、最も多くの方が利用していて口コミでも評判です。

家族や友人などの大切な人にバレないまま、借金を完済したい方は任意整理を利用しましょう。任意整理であればバレてしまう確率は低いですが、住宅ローンの申請などではバレないように気を付けましょう。

任意整理のように、利息を減額するだけでは返済できないほどの膨大な借金を抱えた方は「個人再生」と「自己破産」の2つの選択肢があります。その中でも、マイホームや車などの財産を没収されたくない方、固定の収入がある方、家族がいる方には「個人再生」をおすすめします。

個人再生を行うと、返済額の大幅な減額が期待できるため、借金返済が楽になります。車や家が没収されなければ、実生活への影響も少ないです。

「自己破産」は、借金と共に自身の財産を失うデメリットがあります。しかし、裏を返すと、財産を持っていなければ借金がなくなるだけで済むのです。つまり、失うほどの資産を持たない方、手持ちの資産とは比較にならないくらい膨大な借金を抱えた方は、自己破産をすべきです。

また、ほかの債務整理と違い借金そのものがなくなるため、今後の収入が見込めない方でも、返済に悩まされることがなくなるのも大きなメリットです。収入の無い方にとっても自己破産は選択肢に入るといえるでしょう。

債務整理の種類決め以上に慎重にならなければいけないのが、弁護士事務所選びです。自分が弁護士のことを信頼できるかどうか、弁護士の説明に納得がいくかどうかは事務所選びにかかっています。

ここからは弁護士事務所を選ぶ際に抑えておくべきポイントを紹介します。

弁護士や司法書士は債務整理以外にも、離婚問題や相続問題・刑事事件などさまざまなジャンルを扱います。そのため、離婚問題の経験を積んだ弁護士に債務整理をお願いしても、十分な結果を得ることは難しいです。

弁護士や司法書士に債務整理を依頼するなら、債務整理の実績や経験があるか、事務所のHPや口コミなどをみて確認しておきましょう。

お金に困って債務整理を行うのですから、費用が気になるのは当然のことです。弁護士・司法書士事務所によって債務整理にかかる費用は大きく異なります。

費用が高すぎたり、低すぎたりする事務所はかえってトラブルの原因になる可能性が高いです。相場や債務整理の内容に合わせて、適切な費用を提示してくれる事務所を選びましょう。

また、債務整理を依頼する方の中には、費用を支払えるほどの十分な収入や貯金がない方も多いです。その場合は、依頼者の経済状況に合わせて、支払い方法を分割払いや後払いなど柔軟に対応してくれる事務所を選びましょう。

債務整理を行なっている事務所の中には、無料相談を実施している事務所もあります。無料相談を行えば、債務整理にかかる費用や借金の減額できる金額などが具体的に分かります。

その際に、あなたの話を親身になって聞いてくれるか、最適だと思える債務方法を提示しているかを確認しましょう。

実際に債務整理をするとなったらどこに相談に行けば良いのか。一人で抱え込まずに誰かに聞いてもらうだけでも、気持ちがスッと楽になります。福岡では法律事務所・法務事務所をはじめ、さまざまなところに相談窓口があるのでご紹介します。

福岡で借金問題を相談するなら、借金問題に強い弁護士事務所や司法書士事務所に相談してみましょう。ネットで検索しても、どこにすればよいのか迷ってしまう方は、この記事の後半で紹介している法律事務所・法務事務所のランキングを参考にしてみてください。

「相談料や報酬金が高そう」と思われるかもしれませんが、無料相談を受け付けているところもあります。お金の整理は早く行うに越したことはないので、1人で悩んでいる方は、ぜひ専門家に相談してみることをおすすめします。

福岡市や北九州市では、市民向けの無料法律相談を定期的に開催しています。身近な区役所などで、借金問題の法律相談が受けられます。先着順で、相談時間は30分程度です。また、福岡市民か北九州市民でないと相談ができません。条件などのご不明点は、事前に問合わせてみてください。

受付時間が短いため、日中忙しい方などは利用しにくいかもしれません。早朝から深夜まで受け付けている事務所もあるため、そちらも検討してみましょう。

「直接弁護士に相談するのは気が引ける」という方は、国が設置している「法テラス」でも相談ができます。法テラスでは、無料で借金問題の相談や、弁護士の紹介をしてもらえます。ただし、収入制限などがありますので、条件は事前に問い合わせて確認してみてください。