お鍋は煮込み料理やごはんを炊く際などにも使用できる便利な炊飯器具のひとつ。日本の家庭では特に、一家に一台あるといっても過言ではないでしょう。そんなお鍋の中でも昔から愛されてきたのが「土鍋」です。

土鍋というと昔ながらのイメージが大きいかもしれませんが、いまやかわいいデザインのものや機能性に富んだもの、一人暮らし向けの小さなものまで種類や大きさはさまざまです。中にはIH対応の商品まであり、時代の進化と共にそのあり様も変わってきています。

そこで今回は、一人暮らし向け土鍋の選び方や口コミ・おすすめ商品をランキング形式でご紹介します。ランキングはサイズ・価格・対応熱源などを基準に作成しました。購入を迷われている方はぜひ参考にしてみてください。

じんわり熱が浸透していく土鍋はゆっくりと食材に火が通るため、より深い味わいを再現できます。通常の鍋と比較してもデザイン性に優れている商品が多く、食卓により華やかな彩を添える調理器具です。

保温効果が高いので熱を閉じ込め、沸騰後にも弱火調理や余熱調理といった使い方ができます。また、近年ではIH対応の商品やセラミック加工が施されたものなど、環境に応じた商品が多数開発されています。

非常に利便性の高い土鍋ですが、使い始める前に「目止め」という作業が必要な場合もあります。目止めとは土鍋の水漏れを防ぐ作業であり、種類によって方法も異なります。目止めが必要かどうかも、購入を決める基準のひとつです。

ひとくちに土鍋といっても、種類はさまざまあります。特に一人暮らしで自分用の土鍋を選ぶ場合、使い勝手を考えるのは重要なポイントのひとつです。

かつてはガス火での使用が一般的だった土鍋ですが、近年ではIH対応の商品も増えてきました。とはいえ中にはガス火専用の商品も多いので、購入前にチェックしましょう。

現在発売されている土鍋の多くは「ガス火専用」商品です。ガスコンロに対応しているものの中には、オーブンや電子レンジでの使用可能なものもあります。電子レンジでの使用ができるのであれば、温め直しも手間がなく調理も楽々です。

また遠赤効果が付属されている土鍋を使えば、じっくりコトコト食材を均一に調理できます。味の染み込み具合が大事なおでんや煮物を作ったり、お米をふっくら炊き上げたいときなどにはおすすめです。

以下の記事では、おすすめのカセットコンロを紹介しています。合わせてこちらも参考にしてみてください。

近年、増えてきているのが「IH熱源対応」の土鍋です。IHでの使用が可能な土鍋はだいたいの場合、パッケージや商品に「IH対応」の表記があります。家にIHコンロしかない方は、購入前に必ずチェックするようにしましょう。

ガス火でじっくりコトコト調理するのもよいですが、IHコンロを使ってパパッと手早く作るのもおすすめです。以下の記事ではおすすめのIHクッキングヒーターをランキング形式で紹介しています。選び方のコツなどを参考に、自分に合ったものを選んでみてください。

調理家電や器具を選ぶときというのは、どういったものを作りたいかというのが頭の中に思い浮かんでいるはずです。作りたい料理に合わせて土鍋の形状も考慮しましょう。

卓上で土鍋を置いて食べたい方は「浅型タイプ」の商品がおすすめです。浅型タイプの土鍋は口径が大きいため具材が取り出しやすく複数人での食事にも使え、日本人としてはやや不愉快に感じる箸同士のぶつかり合いも避けられます。

加えて軽量で持ち運びに便利なものが多いため、力に自信がない方にも手軽に扱えます。ただし深さがない分、調理中に吹きこぼれてしまわないよう目を光らせておきましょう。

おでんや煮物などを調理したい方におすすめなのは「深型タイプ」です。底が深く空間に余裕があるため、食材に対して均一にじっくり火を通せます。ごはんはもちろん、一品料理を鍋で作りたい方は深型タイプの土鍋を選ぶとよいです。

さらに容量が大きいのに対し口径が小さい商品が多いので、収納スペースに限りがある方にもおすすめです。とはいえけっこうな重量になるものもあるので、持ち運ぶ際には落とさないよう注意してください。

土鍋本来の使い道を考えれば「煮物」「鍋」「おでん」といったものがオーソドックスな料理ですが、いまや土鍋で作れる料理はそれだけにとどまりません。

「ご飯鍋」と呼ばれるものは厚みと深みがあり、お米をゆっくりと加熱することによって、まるで料亭で出てくるようなおいしいごはんが自宅でも楽しめます。土鍋でごはんを炊くときの一番の難題は火加減と調理時間です。

ご飯鍋、あるいはごはんも炊ける仕様になっている商品なら、土鍋ごはん初心者でも失敗することは少ないです。中には、ごはんが炊けたらホイッスルを鳴らしてお知らせしてくれるような優れものもあります。

寒い冬場に一人用土鍋で食べる「煮込み料理」が一番美味しいと言っても過言ではありません。水分と具材を多く含む煮込み料理を作るのには、それなりの空間が必要です。吹きこぼれを考慮し、煮込んでも心配ない深さのある土鍋を選びましょう。

優秀な土鍋を発売している有名メーカーは多数ありますが、燻製や焼き料理ができる優れものをご存知でしょうか。商品によっては燻製チップがセットになっているものもあります。また自宅でじっくり料理をしたい方にもぴったりです。

煮物料理にごはん、それに加えて燻製に焼き料理までできるとなれば、日常的な調理のほとんどは土鍋だけで済んでしまいます。さらに燻製チップの種類をそろえれば、毎日の料理がグンと楽しくなること間違いなしです。

さらに燻製をさらに追求したい方は以下の記事を参考にしてみてください。

ごはんや煮込み料理・燻製に続いて、ヘルシーな蒸し料理にも土鍋があれば便利です。シンプルなようで意外と難しい蒸し料理の調理は、素材そのものの味わいを感じるのにうってつけです。栄養素を逃がさずギュッと閉じ込めて、自然のうま味を感じられます。

一人暮らし向けの土鍋といっても、こだわりたい方はこだわりたいはずです。ここでは、素材や産地などの違いについて解説します。

「萬古焼」は三重県北部に位置する四日市市の、菰野町を中心とした窯元の製造です。日本有数の焼き物「伊賀焼」と並び、国の伝統工芸品として指定されています。土鍋の中では最もメジャーな素材であり、全国シェアの約8割を占めているほどです。

耐久性が高くガスレンジや炭火、うっかり空焚きしてしまった場合でも心配いりません。ペタライトを配合しているということもあり、高火力での調理でも割れにくいのが特徴です。

耐熱性と蓄熱性に優れた土鍋なら日本製の「伊賀焼」がおすすめです。およそ400万年前の花崗岩を陶土に使用しているため熱に強く、均一に熱を通したい煮込み料理などをする際に活躍します。ただし土の目が粗いということもあり水漏れしやすいです。

また食材の臭いが移りやすい側面もあるので、商品によっては使い始める前に「目止め」としてお粥を炊く必要があります。とはいえ、デザイン性に優れたものが多いのも事実なので、多少の手間はご愛嬌です。

耐熱性に優れた厚みのある土鍋を探すなら「信楽焼」がおすすめです。日本六古窯と呼ばれる陶磁器窯で作られる代表的な焼き物のひとつであり、温かみのあるデザインが多くあります。調理器具にもおしゃれさを追求する方から人気です。

機能性の高い商品がいいなら、セラミックや耐熱陶器製の土鍋を選びましょう。セラミック製の土鍋は臭い移りがしにくく、目止めをする手間もいりません。気軽においしい鍋料理を楽しみたい方におすすめです。

また耐熱陶器製の土鍋はIH対応であることが多く、より安全に使えます。ペットや小さな子どもがいて直火で使いたくない、など安全性第一の方はIH対応可能なものを選びましょう。

だいたいの場合、ひとつの土鍋にはいくつかのサイズが用意されています。食欲や使う環境によって、サイズを使い分けるのも選ぶうえでの重要なポイントです。

女性や小食の方におすすめなのは「1号」です。夕食を軽く済ませたい、スープだけでいい、といような方には向いているサイズ感ですが、ガッツリ食べたいという方にはやや物足りなく感じる大きさなので、選ぶ際には注意しましょう。

一品料理などを作る際に使用したい方は「3合～4号」の商品がおすすめです。湯豆腐や一人分の料理を作るのに適した大きさであり、軽量な商品も多いので気軽に持ち運べます。あくまで一人用のサイズなので大人数でのパーティーには向いていません。

「食欲たっぷり！」という方は「5～6号」程度のサイズがおすすめで、大きさとしてはだいたい1～2人ほどの容量です。深さによっては鍋料理だけでなくスープや煮込み料理・ごはんなどを作れ、料理レシピの幅もグンと広がります。

一人暮らしでも友達や家族を招いてパーティーをするときなどは、少々大きめの土鍋が必要です。その場合は「7号以上」のサイズで用意しておくようにしましょう。あるいは、4人以上で鍋を囲みたいときには「9号以上」の土鍋を使うのがおすすめです。

かわいいデザインの土鍋なら食卓が華やかになります。一人暮らしだからこそ、食事時ぐらいなるべく華やかなひと時を過ごしたいものです。中には桜やうさぎなど、和をモチーフにしたかわいらしいデザインのものもあるので、ぜひ探してみてください。

調理時のストレスをできるだけ減らしたい方は、機能性に優れた商品を選びましょう。「土鍋に機能性？」と感じる方もいるかもしれませんが、実は使い勝手のよい機能性に富んだ優れものが多いのも土鍋の特徴のひとつです。

中にはふた部分がガラス製になっており、調理中にも中身を確認できるものや、ゴム製になっていてミトンが必要ないものもあります。また電子レンジで温め可能なタイプであれば、火を使わずに調理が可能です。

慣れない土鍋選びで失敗したくないという方は、誰もが知る人気メーカーやブランドから選ぶのも重要なポイントのひとつです。

数多くの伊勢焼土鍋を発売している「長谷園」は素朴でシンプル、かつ使いやすいデザインで人気を集めます。またプロの料理人が愛用するほどの高品質な商品が多いことでも有名です。とても美味しく仕上がる炊飯土鍋と口コミで話題になっています。

炊飯をする際には余分な水分を吸ってくれるため、ふんわりした炊き上がりのごはんが食べたい方におすすめです。

可愛らしいデザインと高い機能性のある商品をお探しの方は、三鈴陶器の土鍋がおすすめです。底が丸いため均等に熱が行き渡り、ムラなく加熱できます。また商品の中には電子レンジでも使える商品があるので、気になる方はチェックしてみましょう。

「丸伊製陶」は手作りの温かみあふれるナチュラルな商品を、多数発売している人気メーカーです。耐火性のある大型サイズの土鍋を中心に発売しているため、一人暮らし向けというよりは友人や家族などを招いてのホームパーティーにうってつけです。

「ハリオ（HARIO）」はコーヒーサーバーなどの開発でも知られる大手ガラスメーカーです。ガラス製のふたがよく使用されており、ふたを開けずして調理具合を確認でき非常に便利です。また土鍋自体の性能も高いのでチェックしてみてください。

以下の記事では、コーヒーサーバーのおすすめ商品が選び方のコツと共に紹介されています。ハリオ商品に興味がある方はぜひ参考にしてみてください。

ライフスタイルに寄り添った商品を発売している国民的ブランドの「無印良品」は、直火で手軽に扱えるシンプルな土鍋を販売しています。無印良品の土鍋で炊いたごはんはほっこりふわふわです。蒸らし時間には追い炊き効果もあり、おこげも作れます。

家具・インテリアメーカーの「ニトリ」からも土鍋や卓上鍋が発売されています。ニトリの土鍋はどれもガス火専用で、IHには対応していないので注意してください。8～9号の大型サイズということもあって、新居への引っ越しなどの際に購入するとよいです。

各通販サイトの売れ筋ランキングもぜひ参考にしてみてください。

※上記ランキングは、各通販サイトにより集計期間・方法が異なる場合がございます。

本記事では土鍋に関してご紹介していますが、以下の記事では圧力鍋に関するアンケート調査を100人に行い、調査結果を元にランキングをご紹介しています。是非、本記事と併せて参考にしてみてください。

家具や家電、器具などを購入する際に必ずチェックしなくてはならないのは「お手入れ方法」です。ここでは土鍋のメンテナンス方法について解説します。

鍋の中でも土鍋は特にデリケートです。お手入れをする際にも繊細に扱わないと、本体にひびが入ってしまったり割れたりしてしまう恐れがあります。調理後すぐ洗うのではなく、ある程度熱を冷ましたのちに流水に付けて汚れを落としましょう。

乾かす際にも急激に熱を加えると、ひび割れの原因になるので避けてください。汚れを落とすときには硬いスポンジは使用せず、ソフトなもので洗いましょう。洗い終わったら余分な水を払い、自然乾燥をさせることでカビの発生を防ぎます。

商品によっては、使い始めに「目止め」という作業が必要な場合があります。目止め作業とは、土鍋の素地の空気を埋めるための工程です。商品によって作業工程が異なる場合もありますが、基本的には土鍋を水洗いしたあとに乾燥させてから作業を始めます。

土鍋が感想したら鍋8分目まで水を入れ、小麦粉などのでんぷん質を2割程度入れましょう。その後弱火で1時間ほど火にかけ、土鍋が完全に冷めたら水洗いをします。これで目止め作業完了です。目止めを怠ると鍋が割れてしまう恐れがあるので注意しましょう。

底が焦げ付いてしまう土鍋のお掃除に重要になってくるのが、掃除用具としても大活躍の重曹です。焦げがかぶる量の水を入れたあとに重曹を入れ、火にかけます。

その後10分ほど沸騰させてから完全に冷ませば、スルリと焦げを簡単に剥がせます。以下の記事では、口に入っても安全な食用重曹を紹介しています。もちろん掃除に使うこともできるので、参考にしてみてください。

一家に一台あるといっても過言ではない土鍋ですが、一人暮らしをする方はなかなか自分からは買わない方も多いです。もらったらうれしい調理器具のひとつでもあり、とにかく洗い物を減らしたいというズボラさんへのプレゼントとしては最適です。

料理のレパートリーが増えるだけでなく、土鍋ひとつであらゆる料理が完結するので、徹底的に洗い物を減らせます。プレゼントする際には2、3個まとめて選ぶとよいでしょう。いくつかあれば、人を家に招待したときにも活用できます。

今回は、一人暮らし向け土鍋の選び方とおすすめの商品をランキング形式で紹介しました。商品によって煮込み料理はもちろん、蒸し料理や焼き料理、燻製、炊飯にまで対応してくれる土鍋。自分に必要な機能を考えたうえで、一番合ったものを選ぶようにしましょう。