それぞれ所得税・住民税が課税されている共働き夫婦の場合、ふるさと納税で寄附する際の名義を別々にすると寄附先の自治体を別々に指定できます。
思い出のある場所や応援したい自治体など、夫婦それぞれが好きな自治体に寄附できるメリットが魅力です。
2024/11/08 更新
出典: pixabay.com
夫婦共働きの場合、ふるさと納税をどう利用するとお得なのか気になった経験はありませんか?ふるさと納税の申請には共働きと夫婦の区分があったりお互いの年収による条件があるので、仕組みを正しく理解しておくことが必要です。
今回は共働き夫婦がふるさと納税をする際に必要な知識や子どもがいる場合の控除限度額について解説するので是非参考にしてください。
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ふるさと納税の申請には、「共働き」と「夫婦」の区分があります。
共働きに該当 →夫・妻それぞれが個人で申請
夫婦に該当 →年収を合算して一つの名義で申請
※「共働き」「夫婦」の区分に関してはすぐ下で解説しています
また、共働きの場合個人の年収に応じて控除限度額が設定されるため、夫婦の場合より限度額が高くなります。
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区分が「共働き」になるのは以下の3つの条件を全て満たす場合です。いずれかでも当てはまらない場合は「夫婦」に該当します。
共働きの定義
たとえば納税者の収入が1,000万円以下・かつ配偶者の年収が201万円以下の場合は、配偶者(特別)控除が適用されるため「夫婦」の区分での申請となります。
控除限度額は税金を控除できる上限額を示すもので、それ以上に寄附をしてしまうと自己負担額が大きくなるので注意が必要です。
共働き・夫婦の場合のふるさと納税の控除限度額は、年収や子どもの数によって異なり、子どもの人数が多くなるほど低くなります。
また、その年の12月31日の時点で中学生以下(16歳未満)の子どもは扶養控除の対象外となるため、基本的には子供がいない場合と同じ控除上限額です。
以下で目安となる控除上限額を紹介しているので、参考にしてみてください。
給与収入 | 共働きor独身 | 夫婦のみ(主婦) | 共働き+高校生 | 共働き+大学生 | 夫婦+高校生 | 共働き+子2人 | 夫婦+子2人 |
300万円 | 28,000 | 19,000 | 19,000 | 15,000 | 11,000 | 7,000 | - |
350万円 | 34,000 | 26,000 | 26,000 | 22,000 | 18,000 | 13,000 | 5,000 |
400万円 | 42,000 | 33,000 | 33,000 | 29,000 | 25,000 | 21,000 | 12,000 |
450万円 | 52,000 | 41,000 | 41,000 | 37,000 | 33,000 | 28,000 | 20,000 |
500万円 | 61,000 | 49,000 | 49,000 | 44,000 | 40,000 | 36,000 | 28,000 |
550万円 | 69,000 | 60,000 | 60,000 | 57,000 | 48,000 | 44,000 | 35,000 |
600万円 | 77,000 | 69,000 | 69,000 | 66,000 | 60,000 | 57,000 | 43,000 |
650万円 | 97,000 | 77,000 | 77,000 | 74,000 | 68,000 | 65,000 | 53,000 |
700万円 | 108,000 | 86,000 | 86,000 | 83,000 | 78,000 | 75,000 | 66,000 |
※子は15歳以下の子供を指す
以上の金額はあくまでも目安で、生命保険控除や医療費控除などを利用している場合には、控除上限額が下がる場合もあります。
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ふるさと納税を共働きの夫婦が利用する場合、年収の合算は行えません。
ふるさと納税はあくまでも個人の年収に対して支払っている税金を控除できる仕組みです。合算して計算してしまうと控除上限額がズレて、自己負担額が増えてしまう場合があります。
また、寄附をする際はそれぞれの名義で行う必要があります。
利用するふるさと納税サイトが決まったら、それぞれの名前でアカウントを作って寄附の手続きをしましょう。
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ふるさと納税をそれぞれの名義で行う際は、申請と支払いの名義を同一にしましょう。
たとえば、妻名義のアカウントで寄附をしたとしても、支払いの際に夫名義のクレジットカードを使うと寄附が無効になる可能性があります。
クレジットカードを持っていない場合でも、銀行振込やコンビニ支払いに対応しているサイトや自治体もあります。
銀行振込を利用する場合はクレジットカードの支払いと同様、寄附をした本人名義の口座から振り込みをするようにしてください。
ふるさと納税をした場合は必ず、夫婦それぞれで確定申告またはワンストップ特例制度の申請が必要になります。
片方だけ申請すると、もう片方のふるさと納税が無効になってしまうので注意してください。
申請方法は確定申告とワンストップ特例制度の2つで、利用条件があるため自分に合う方を利用しましょう。
ワンストップ特例制度 | 確定申告 |
|
|
ワンストップ特例制度は寄附をした自治体から送られてくる書類に記入し、返送するだけで行える簡単な手続きです。
ただし、ふるさと納税以外にも確定申告が必要な場合は利用できません。
ワンストップ特例制度の申請が間に合わなかった方、年の途中で確定申告が必要だと分かった方はすでに申請済みの内容もあわせて確定申告をしましょう。
ワンストップは寄附翌年の1月10日必着、確定申告は2月16日~3月15日が申請期限です。
共働きをしている夫婦の中には、どちらか一方が扶養控除に入っているケースがあります。
たとえば、妻がパートタイムで働いていて年収103万円以下の場合、夫の扶養控除の範囲内です。
この場合は所得税が非課税になり、住民税もかなりの少額となります。妻名義での寄附自体は可能ですが、お得にはなりません。
ただし、扶養をしている側の寄附はメリットがあるので、妻が扶養に入っているなら「夫婦」として夫名義で寄附をしましょう。
どちらかの年収が201万円未満の場合には年収が多い方の名義で寄附をするのがおすすめです。
ふるさと納税では必ず自己負担額2,000円が発生してしまうだけでなく、寄附額と同等の価値がある品物が送られてくるわけではありません。
一般的には年収200万円以上からお得に寄附できるとされています。
ただし、住民税は自治体によって異なる場合が多く、選ぶ返礼品によっては年収201万円未満でもお得になるケースがあります。
年収が200万円前後の方は、返礼品の内容や自分の住民税などを考慮しながら寄附を検討してみてください。
ふるさと納税とは、好きな自治体に寄附をするとお礼として返礼品を受け取れる仕組みです。以下で詳しい仕組み・内容・控除上限額について見ていきましょう。
ふるさと納税の大まかな仕組みとしては、好きな自治体に寄附をするとお礼として返礼品が送られてきます。
返礼品には肉・魚・米・雑貨・電化製品・家具など、さまざまな種類があり好みのものを選んで寄附できるのが大きな魅力です。
返礼品が送られてくる時期は自治体や利用するサイトによって異なるため、早く返礼品が欲しい場合には注意しましょう。
中には、人気のものや収穫できる時期が限られている果物など、返礼品が送られてくるまでに数ヶ月かかる場合もあります。
また、返礼品を選ぶ際には還元率にも注目してみてください。還元率は寄附額に対する市場価格の割合を示すもので、還元率が高いものの方がお得感があります。
特に肉・米・魚などの食品関係は還元率が高い傾向にあるので、よりお得に楽しみたい方はチェックしてみましょう。
ふるさと納税では、寄附金の使い道を指定できます。寄附するページに使い道が記載されているので、指定したい使い道がある場合には好みのものを選択しましょう。
また、特に指定のない場合には寄附先の自治体が必要だと思ったものに寄附金を使える「市町長おまかせ」「事業全般」などと書かれた項目がおすすすめです。
各自治体が指定している寄附金の使い道は地域の活性化はもちろん、子育て環境の充実などといった項目もあるので寄附の際はぜひチェックしてみてください。
ふるさと納税では、思い入れのある土地や気に入った旅行先などを応援できます。手続きや申請方法もとても簡単なので、初めての方もぜひこの機会に試してみてください。
ふるさと納税における最大のメリットは、寄附をした金額から自己負担額の2,000円を引いた金額を税金から控除・還付してもらえる点です。
手軽に申請ができるワンストップ特例制度を利用している場合には、寄附をした金額に応じて翌年の住民税が控除されます。
確定申告を利用して申請している方は、所得税の控除と住民税の還付の両方が受けられるのが特徴です。
ただし、確定申告をしたからといって控除額が大きくなるわけでなく、合計額はワンストップ特例制度でも確定申告でも基本的にはほとんど同じとなります。
ただし、ワンストップ特例制度の利用条件には「1年間の寄附自治体数が5以下」「確定申告の必要がない方」などがあります。
条件に当てはまらない場合には確定申告となってしまうため、ワンストップ特例制度の利用を検討している方は注意しましょう。
ふるさと納税には控除上限額と呼ばれるものがあります。事前に上限額を調べないと自己負担額が大きくなってしまう可能性があるので、必ず寄附前にチェックしておきましょう。
控除上限額を計算する際は、生命保険控除や住宅ローン減税なども考慮する必要があります。
扶養控除以外の控除や減税を受けている場合には、控除上限額が低くなる可能性が高いです。生命保険控除などは、年末に各保険会社から送られてくる証明書を参考にしましょう。
自分で細かい計算をするのが大変なときは、ふるさと納税ができる各ポータルサイト内に設置されているシミュレーターを使うのがおすすめです。
できるだけ正確なシミュレーションをしておけば寄附しすぎを防ぎ、自己負担額を2,000円で納められます。
また、年収は寄附をする年のものを算出する必要があるため、中には予想が立てられない方もいるはずです。
そんなときは、年末付近になってから寄附をするなどの工夫をしてみましょう。少なめに寄附をしておいて、後から追加寄附をしながら調整するのもおすすめです。
医療費控除を利用している方は、ふるさと納税の控除上限額が下がる可能性があるので特に注意が必要です。医療費控除を申請すると、ふるさと納税と同じように税金が控除されます。
また、医療費控除の申請には確定申告が必要であるため、ワンストップ特例制度の利用はできません。
ふるさと納税と医療費控除の併用は可能ですが、すでにワンストップで申請をしていた場合でも、確定申告でもう一度寄附の内容を申請する必要があると覚えておきましょう。
ここではふるさと納税における共働きについてよくある質問をまとめました。ぜひ参考にしてください。
パート主婦の方でもふるさと納税を行うのは可能です。ふるさと納税を行うにあたり、年収200万円以上であればお得になる可能性が出てきます。
年収103万円以下の場合は、配偶者の名義でふるさと納税を行うほうがお得になる可能性が高いです。
本人(夫)の同意の下であれば、妻が代わりにふるさと納税を行えます。
ただし、納税者と控除を受ける人の名義が同一でないと、控除の対象にならないので注意が必要です。また、決済を行う際も原則同一名義です。
引き落とし口座名義が夫で妻名義のクレジットカード決済の場合は、納税者は夫である証明できるため同一名義扱いとなり、寄附金受領証明書も有効です。
それぞれ所得税・住民税が課税されている共働き夫婦の場合、ふるさと納税で寄附する際の名義を別々にすると寄附先の自治体を別々に指定できます。
思い出のある場所や応援したい自治体など、夫婦それぞれが好きな自治体に寄附できるメリットが魅力です。
ふるさと納税は記事内で説明したとおり、寄附金の控除上限額は年収や家族構成よって異なります。
例えば、400万円の収入で扶養に入っており、15歳以下の子供が3人と17歳の子供1人の場合の寄附金の目安は33,000円です。
控除上限額シミュレーションにて、ご自身の控除上限額をあらかじめ調べておきましょう。
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ふるさと納税は高校生や大学生といった未成年の方でも行えます。
ただし、無収入や税金がかからない場合はふるさと納税による税額控除を受けられず、全額自己負担となります。
給与収入で年間およそ98万円以上で確定申告を行えば、学生であっても税額控除を受けられる場合があります。
今回は共働きの方がふるさと納税をする際、気を付けた方が良いポイントなどを紹介しました。
ふるさと納税は寄附をする本人が納めている税金に対して、控除や還付が受けられる制度です。
夫婦で寄附をするなら、名義や寄附額などに注意しながらお得に楽しんでみてください。
ランキングは楽天・Yahoo!ショッピングなどECサイトのランキング(2024年11月08日)やレビューをもとに作成しております。