プロの奏者としてだけではなく、部活動や趣味でクラリネットをお持ちの方も少なくありません。クラリネットにはリード・リガチャー・マウスピースなど必要な部品がたくさんあるので、購入するときにどれを選べばよいのか迷ってしまいますよね。

実はマウスピースはクラリネット全体の音色や吹きやすさに大きな影響を与えます。マウスピースは材質や構造、メーカーによって大きな違いが出ます。しかし、初心者の方や中学生・高校生など学生の方には選ぶのが難しいですよね。

そこで今回はクラリネットマウスピースの選び方や人気のおすすめ商品ランキングをご紹介します。ランキングは素材・吹きやすさ・値段を基準に作成しました。b40とb45の違い、ブラックダイヤモンドも紹介しているので、参考にしてみてください。

クラリネットマウスピースは材質や構造の違い、販売されているメーカーによって特徴が異なります。ご自分に合ったクラリネットマウスピースを選びましょう。

クラリネットには、最もよく使われるB♭管だけでなく、高い音域のE♭クラリネット、低い音域のバスクラリネットなどの種類があります。クラリネットの種類ごとに対応するクラリネットマウスピースが異なるので、購入の際には表記をよく確認しましょう。

クラリネットマウスピースは、エボナイトやフェノール樹脂、クリスタルガラスなどの素材でできています。材質によって音色が変わってくるので、みていきましょう。

エボナイトはリガチャーの組み合わせで最も一般的に使用されている素材です。エボナイトは天然のゴムに硫黄を加えて混ぜ、長時間加熱して製造されます。エボナイトでできたクラリネットマウスピースの特徴は、クラリネットらしい素直な音色が出る点です。

クラリネットマウスピース選びに迷われている方にはエボナイトをおすすめします。

アクリル樹脂やフェノール樹脂のクラリネットマウスピースは息を吹き込みやすく、音のレスポンスも良いので初心者におすすめです。またお手頃な値段で購入できるので練習用として人気の高い材質です。

加工がしやすいため、カラフルな商品から透明タイプまでさまざまなデザインのマウスピースが登場している点もアクリル・フェノール樹脂の特徴です。見た目で他の人と差をつけたい方にもおすすめです。

透明感のあるおしゃれな見た目のクリスタルガラスでできたクラリネットマウスピースは、すっきりとした明るい音色が特徴です。さらに、繊細で細かいニュアンスをつけられるので、表現にこだわりたい方におすすめです。

しかし、他の材質と比べて音を鳴らすために強めの息量が必要なので、クリスタルガラスでの演奏に慣れるまでには時間がかかるかもしれません。またガラスでできていて割れる可能性がある点も頭に入れておきましょう。

Wi&Fiのクラリネットマウスピースに使用されているV-Quarzは、硫黄ではなく水晶を使っている新素材です。エボナイトと違って硫黄を使用していないので、マウスピースや銀メッキの変色が起こらない点がメリットです。

V-Quarzでできたクラリネットマウスピースは、エボナイトよりもやや暗めの音色で、まとまりやすい音と吹きやすさが特徴です。

ここでは、マウスピースの各部名称を説明しながら選び方のコツをご紹介します。特に重要なのはティップオープニングとフェイシングになるので、重点的にみていきましょう。

「ティップオープニング」は、マウスピースの先からリードの先端までのすき間を指します。ティップオープニングが広ければ大きな音を鳴らせます。またパワフルで豊かな音色を奏でられます。しかしこの部分が広いほど息を多く吹き込む必要があります。

一方でティップオープニングが狭ければ、少ない息の量で楽に音を鳴らせて、音程も安定させやすくなります。その分音の大きさは小さくなってしまいますが、中学生や初心者の方には音を出しやすい狭めの幅をおすすめします。

「フェイシング」とは、リードの先端からマウスピースと接する位置までの長さを指します。フェイシングが短いクラリネットマウスピースの場合は、音程が安定しやすい点、音の立ち上がりが良く明るい音色を奏でられる点がメリットです。

一方フェイシングが長い場合は、表情豊かな音色を響かせられるメリットがありますが、音程が不安定になりやすい難点があります。初心者のうちはフェイシングの短いマウスピースを使い、慣れてきたら長めのもので表現の幅を広げるのがおすすめです。

「チェンバー」とは、マウスピースの中で音が共鳴する空間を指します。チェンバーの容積が大きいクラリネットマウスピースの場合は、どっしりとしたダークな音色になりやすく、チェンバーの容積が小さい場合は華やかではっきりとした音色が出ます。

「バッフル」はマウスピースの厚さを意味します。バッフルが厚いほど力強い音が出やすく、薄いほど音の立ち上がりのレスポンスが良くなります。バッフルは自分の好みに合わせて選ぶのをおすすめします。

「ウィンドウ」とは、リードの窓になる部分を意味します。ウィンドウが大きいほど息が通りやすくなり、小さいほど音色がよくまとまりやすくなります。試奏などを通して、好みのタイプを選びましょう。

最も種類が豊富で多くの奏者に愛用されているのが、Vandoren（バンドレン）のマウスピースです。ここではバンドレンの中でも特に人気の型番の特徴をご紹介します。

5RVのクラリネットマウスピースは、定番中の定番として多くの奏者に愛されているモデルです。ティップオープニングが比較的狭いので、初心者でも楽に吹けて、音程も安定しています。低音から高音域までのびやかな音を響かせられます。

吹奏楽の部活動で使う生徒など、初心者の方はまず5RVを試してみるのをおすすめします。もちろん、音のコントロールのしやすさから経験者の方にも大人気のモデルです。

5RVライヤーのクラリネットマウスピースは、5RVよりも若干ティップオープニングが広く、さらにフェイシングが長くなっています。5RVの吹きやすさを維持したまま、音色はより明るく、音に表情をつけやすくなったモデルです。

フェイシングが長い分、5RVよりも若干抵抗が強くなりますが、それでも初心者にもおすすめのモデルです。演奏に表情をつけたい方、サウンドの充実感を得たい方に強くおすすめします。

B40のクラリネットマウスピースはティップオープニングは広め、フェイシングは長めのタイプです。より豊かな音色を奏でられ、低音から高音域まで太く厚みのある音を鳴らせます。多くのプロのクラリネット奏者が愛用するモデルです。

しかし息のコントロールやタンギングの難易度が高くなるので、初心者にはあまりおすすめできません。楽器にある程度慣れてきた方や、表現の幅をもっと広げたいと考えている方にB40のクラリネットマウスピースをおすすめします。

ブラックダイヤモンドシリーズのマウスピースは、息が入りやすく、発音（アーティキュレーション）がしやすいのが特徴です。全音域ともまとまりがあり、均一で深みのある音色になります。コントロールしやすく、高校生や初心者の方にもおすすめです。

Vandorenのマウスピースを選びたい方は、B40とB45も違いをチェックしておくのがおすすめです。B40は低音から高音まで、太い音で鳴らせ、ティップオープニングが広めな特徴があります。しなやかなリードとの相性が抜群です。

B45はB40とティップオープニングは同じ広さですが、ティップレールの幅が少し狭いモデルになっています。オーケストラ向けで明るく、パワーのある響きが特徴です。

クラリネットマウスピースは、手作業で作られているものがほとんどであるため、同じ商品でも個体差が生じやすくなっています。したがって、マウスピースによって吹きやすさは大きく変わります。購入前には、実際にお店などで吹き比べするのがおすすめです。

試奏する際は、ご自分のリードを持参するようにしましょう。リードとマウスピースの組合せによっても、音色や吹きやすさは変わってくるからです。色々なリードやマウスピースで吹き比べてみて、ビビっとくる音色を探してみましょう。

各通販サイトの売れ筋ランキングもぜひ参考にしてみてください。

※上記ランキングは、各通販サイトにより集計期間・方法が異なる場合がございます。

クラリネットマウスピースは非常に繊細なので、丁寧なお手入れは欠かせません。練習後には、必ずしっかり水分をふき取るようにしましょう。特にエボナイトは傷つきやすい素材なので、クロスやスワブなどでゆっくり丁寧に拭き取るのがコツです。

また掃除中などに誤ってマウスピースを落として破損させてしまうと修復ができなくなってしまいます。落としてしまわないように、椅子に座るなどして安定した姿勢でお手入れするようにしましょう。

なお以下のサイトでは、クラリネットマウスピースのお手入れ方法やクラリネットの吹き方などが紹介されています。こちらもぜひ参考にしてみてください。

なおマウスピースにリードを固定するリガチャーについては、以下の記事で人気のおすすめ商品をランキング形式でご紹介しています。こちらも合わせて参考にしてみてください。

クラリネットマウスピースは、使用しているうちにだんだん摩耗して先端部分や内部のエッジ部分が丸くなります。特に先端部分はリードが直接当たる部分のため傷つきやすい傾向にあります。

摩耗が進んだクラリネットマウスピースで演奏すると、音程が安定しなくなったり響きが悪くなっていきます。また、状態の悪いマウスピースで吹いていると、それに慣れてしまい奏法に悪い癖がでる恐れがあります。

「少し音程が不安定になったな」「雑音が入るようになったな」と感じたら、それはマウスピースの寿命のサインかもしれません。部活や趣味でクラリネットを演奏している方でしたら、2~3年を目安にクラリネットマウスピースを買い替えるのをおすすめします。

ここまでクラリネットマウスピースの選び方や人気のおすすめ商品ランキングをご紹介してきましたが、いかがでしたか。大事な楽器の一部であるクラリネットマウスピースを慎重に選んで、よりいっそう演奏を楽しんでください。