※ CLINIC FORの情報提供元：CLINIC FOR

女性の薄毛である「FAGA（女性男性型脱毛症）」とは、疾患が原因ではないホルモンバランスの乱れや疲労ストレスが原因となって起こる女性の脱毛症です。頭部の一部ではなく全体的に進行します。

主に更年期前後から進行がはじまりますが、近年では過度なダイエットや生活の乱れが原因で20代で発症する方もいます。

・最近髪にハリやコシが足りない

・全体的に髪が減った気がする

・抜け毛が増えた

・階段で上から覗かれると頭頂が気になる

・もっと美髪になりたいしボリュームアップしたい

いずれかに当てはまる人は、FAGAクリニックで薄毛専門医の治療を受けると、悩みが一つ減るかもしれません。

女性の薄毛（FAGA）治療は、クリニックごとに内容のばらつきがあります。

実は女性薄毛治療には投薬が有効で、日本皮膚科学会では「ミノキシジル外用薬（塗り薬）」が推奨※されています。しかし実際は、それ以外の薬も多くのクリニックで扱われています。

現在、女性薄毛治療のFAGAクリニックは以下3パターンの傾向に分かれます。

上記画像の通り、FAGAクリニックでは未承認医薬品をメインに扱うところが多いです。

未承認医薬品は、発毛への有効性と安全性について臨床試験等を行なっておらず、日本国内での製造販売が認可されていません。そのため、重篤な副作用が起こる可能性が残されています。

さらに、FAGAに関わらず服薬治療全般に言えることですが、長期にわたって医薬品を服薬すると、肝臓・腎臓へダメージを受ける可能性が残されています。

つまり薬を出して終わりではなく、定期的な検査といったサポートが手厚いクリニックを選ぶことが大切です。

※ 1皮膚科学会が提唱する「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」より

女性の薄毛治療で使用される薬剤は未承認薬が多く、生理不順や多毛症といった女性にとっては深刻は副作用となりうるものがあります。

以下にFAGAクリニックの多くで扱われている薬をまとめましたのでご覧ください。

（表は横スクロールできます）
FAGA治療に使用される薬の一例

多くのクリニックが、上記表の中からいずれかの薬を組み合わせて処方します。

・まずは安全性の高いサプリからを試したい

・認可済みの外用薬による日本のスタンダード治療が一番

・美容クリニックでよく見る未承認医薬品を試したい

FAGA治療は長期に渡る点、婦人薬や美容サプリに漢方といった常用薬との飲み合わせも考えて、どんな治療方針のクリニックが自分に向いていそうか、まずはお考えください。

①サプリ系か医薬品かどちらから試したいかをまず決めましょう。
安全性を優先するならサプリ系、効果的に試したいなら医薬品です。

②副作用の説明をしっかり行うクリニックがマストです。
「副作用が出る可能性があります」で終わらせるのではなく、そのために定期検査を提案したり、検査費がプラン料金に入っていたりするクリニックがおすすめです。

ここからはいよいよクリニック選びです。この記事で扱うFAGAクリニックの処方薬の傾向について、編集部で独自に調べたものをまとめましたので参考にしてください。

（院名タップで詳細な紹介へジャンプします）

クリニックフォア
	参考費用：3,850円〜/月 ミノキシジル1.25mg15錠
クレアージュ
	参考費用：16,500円〜/月 ミノキシジル外用薬＋アルプロスタジル外用薬
DMMオンラインクリニック
	参考費用：2,924円〜/月※1 スピノロラクトン25mg
Dr.AGAクリニック
	参考費用：3190円〜/月 スピロノラクトン25㎎
駅前AGAクリニック
	参考費用：5,500円〜/月 スピロノラクトン/ミノキシジル
スマイルAGAクリニック
	参考費用：8,640円〜/月 パントガール

※ ミノタブ＝ミノキシジル内服薬、ぬりミノ＝ミノキシジル外用薬

※1 12ヶ月定期購入を月数分で割り計算

FAGA治療の料金相場は以下のとおりです。

また髪はヘアサイクルに沿って発毛するため、最低1年は継続が必要とお考えください。。

未承認医薬品であるミノキシジル内服薬・スピロノラクトンの単剤処方なら、5,000円を切る料金もあります。

しかしミノキシジル外用薬（2％配合で7,000円程度）やパントガール（9,000〜15,000円程度）を併用すると、その分料金は上がります。

頭皮に薬剤を注射し毛包に直接作用させるメソセラピーの場合は、15,000〜80,000円/回程度かかります。メソセラピーも1年程度は定期的に通わなければならないため、どうしても高額になります。

①治療は長期間にわたる
髪にはヘアサイクルがあるため、効果がで始めるまで最低3ヶ月、発毛実感できるまで1年程度は見るべきです。また、男性ホルモン優位が原因のFAGAはその後も継続的な服薬が必要です。

②長期服薬は血液検査で肝臓・腎臓の値をチェックする
医薬品を常用するということは、薬を代謝する肝臓と排出する腎臓に負荷をかけるということにつながります。

影響の受けやすさは体質によって異なるため、必ず定期的な検査を受けましょう。特に肝臓の「AST」「ALT」「γ-GTP」値が上昇したとの声はSNS等でも見受けられます。

③なるべく髪にいい日常生活を心がける
FAGA治療には薬が使えますが、発毛に悪い影響を与える生活を送ると思ったような効果が現れません。具体的には、「喫煙」「睡眠不足」「栄養不足」は大敵と心得ましょう。

女性の薄毛は「FPHL（Female Pattern Hair Loss=女性型脱毛症）」と呼ばれ、原因がさまざまあります。

実は男性によくあるAGA（男性型脱毛症）とは違い、女性の薄毛は原因に合った治療を施さなければ効果がありません。FAGAではなく疾患が隠れていないか確認しましょう。

FAGAは「全体的に薄くなる」「髪が軟化し短くなる」「頭部が透ける」といった症状です。患部が全体に渡ることから「びまん性脱毛症」とも言われます。皮膚炎や疾患が原因とならない場合の多くが、このFAGAに該当します。

FAGAの原因は加齢によるホルモンバランスの乱れ、特に更年期にさしかかり男性ホルモンが優位になることが原因と言われています。また過度なダイエットによって20代でも症状が表れる人もいます。

出産後3ヶ月〜6ヶ月をピークとして起こる脱毛が「産後脱毛症」です。「分娩後脱毛症」とも呼ばれます。

これは、妊娠中は大幅に増加していた女性ホルモンが、出産を経て元の量に戻るために起こります。元々、生え変わるはずだった髪の毛が女性ホルモンの働きで留まっている状態で、それが正常なサイクルに戻る自然現象です。

脱毛は一時的で産後半年〜1年程度で元に戻ります。

円形脱毛症はいわゆる「10円はげ」が出来てしまう脱毛症です。何らかの原因によって、毛母細胞や毛乳頭と呼ばれる、髪の毛を生産する組織をリンパ球が壊そうとするために起こる自己免疫疾患です。

円形脱毛症の場合、皮膚科にてステロイド外用薬が保険適用で一般的な治療法ですが、それ以外にもさまざまな治療法が存在します。

牽引性脱毛症とは、髪を引っ張りすぎたことによって起こる脱毛症です。分け目を変えると治る場合が多く、一過性の脱毛症です。

粃糠（ひこう）性脱毛症とは、多量となったフケが頭皮にたまり、頭皮の炎症や頭皮環境の悪化が原因となって引き起こされる脱毛症です。

フケが増える原因には、体質・真菌の異常繁殖・代謝の悪化・ヘアサイクルの乱れなどが挙げられます。

また粃糠（ひこう）性脱毛症はステロイド外用薬による治療が保険適用として認められています。

脂漏性皮膚炎が原因となり、結果的に脱毛してしまう場合もあります。

脂漏性皮膚炎とは皮脂の分泌が多量な場所にできる発疹で、「マラセチア」と呼ばれる常在カビが炎症を引き起こすと考えられています。もっとも、皮膚炎になっただけで脱毛するわけではなく、直接的な原因は掻きむしりなどの外部刺激です。

この場合、発毛・育毛以前に脂漏性皮膚炎自体の治療を行わなければなりません。

この6種類の女性の薄毛治療は、保険適用になるものとならないものがあります。

女性の薄毛治療はまず一般的な皮膚科にかかり、皮膚の炎症といった疾患が隠れていないかを確認しましょう。

それでも原因が見当たらない場合、女性のFAGAを扱う美容クリニックを探す、という順序をおすすめします。

FAGA治療でまず着手すべきは、内服薬あるいは外用薬による治療です。これは継続が前提のFAGA治療において、なるべく金銭的な負担を抑えるためです。

どうしても効果がなかったり副作用で続けられなくなったりした場合は、メソセラピーや低出力レーザー照射、自毛植毛といった治療法もあります。しかし、投薬治療以上に高額となる傾向です。

そのため、まずは投薬治療から開始して、どうしても効果がなければ次の段階を想定し、その際またクリニックを選び直すのをおすすめします。

女性のFAGA・薄毛治療に使用する薬のうち、「ミノキシジル」「スピロノラクトン」「パントガール」は扱うクリニックも多く、薬の料金の比較ができます。

女性のFAGA・薄毛治療は長期間の服薬がメインなため、なるべく安く済むクリニックを選びましょう。

治療実績に自信があるクリニックほど、公式WEBに症例数や症例写真を掲載する場合が多いです。

FAGAはアプローチが多種にわたる分、クリニックの特色が出やすい治療です。どれだけ実績があるかしっかり確認しましょう。

本格的に治療が始まると定期的な通院が必要です。途中で投げ出してしまわないためにも、なるべく生活圏内や通勤の最寄駅にあり通いやすいクリニックを選びましょう。

また自由診療のクリニックは比較的土日も診療を行っている場合が多いため、休日に通えるかもチェックすべきです。

オンライン診療とは、自宅にいながらスマートフォンやPCで診察を受けられるサービスです。どのクリニックも基本的に完全予約制で、あらかじめ希望する時間の枠を予約し押さえておいて、その時間に接続し動画通話の流れです。

ちなみに、初心から全てオンラインで完結するクリニックも最近では珍しくありません。ただし、定期検査をどのように行う体制かを詳細に聞くべきです。

答え.自由診療とは、公的な医療保険が適用にならない技術や薬剤を用いた治療のことです。

保険診療は病気に対して国から承認された治療法が決まっています。しかし、FAGAのような「病気ではないもの」に対して決まりはなく、そのクリニックの裁量で治療されます。

例えば、海外の製薬会社から発売されている国内未承認薬は、自由診療クリニックの院長が個人輸入し患者に処方する流れです。

答え.多くの場合、妊娠中・授乳中の方はお受けできません。

服薬治療はもちろん、メソセラピーも授乳中は禁忌としているクリニックがほとんどです。

一部のクリニックにおいて、影響の少ないサプリメントを処方する形で対応する場合があります。

答え.います。脱毛の原因が疾患によるものだった場合や、医師の指示通りの服薬ができない場合、また規則正しい生活が送れない場合に効果が出ない可能性があります。

特に女性の場合は、ストレスや過度なダイエットでFAGAを発症する場合があります。また、喫煙習慣も頭皮の血行を悪くするため、治療の効果が出にくくなります。

答え.男性ホルモン優位が原因のFAGAは進行性のため完治しません。

FAGAになる原因もさまざまですが、中でも更年期以降に発症する男性ホルモン優位が原因となるFAGAは完治しないと思った方がいいです。男性ホルモンは脱毛を起こすため、男性の薄毛（AGA）の主要因でもあります。

もともと、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンが、毛髪の生育・定着させる役目を担っていたため女性の薄毛は少ないものの、閉経してこれらが減ると、男性の薄毛と同じ仕組みで脱毛します。

答え.FAGAの主な治療方法として投薬治療・メソセラピー・植毛・照射治療があります。


「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版※」によると、女性への治療の評価は、以下表のようになっています。

このうち、成長因子導入および細胞移植療法はメソセラピーを指します。

※ 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版　より

答え.外用薬は主にミノキシジル外用薬を使用します。内服薬は国内で承認された薬はないため、クリニックの判断で処方されています。

ミノキシジルはもともと高血圧の際の降圧薬として使用されてきた薬です。毛包の中の毛母細胞に直接作用し活性化させることで、発毛を促します。外用薬は頭皮の違和感や痒みといった副作用が出る場合があるため、患者に合わせて濃度を調整します。

ミノキシジル以外に「アデノシン外用」をはじめ、いくつか外用薬にも種類がありますが、女性への評価はミノキシジル以外は一段以上落ちるため、積極的には用いられません。

内服薬については、ドイツの製薬会社のパントガールが有効性を認められた以外で、現状効果が承認されたものは存在しません。何を処方するかはクリニックの判断となります。

答え.メソセラピーとは、発毛にいい影響を与える成分や栄養素などを含んだ育毛成分を、細い注射針や専門の器具で頭皮に直接注入する治療方法です。

男性薄毛の治療でも使用され、薄毛治療薬の補助治療として用いられています。メソセラピーは投薬治療とは違い、毎日服用するのではなく定期的に施術するだけで済みます。なお皮膚が弱い方は事前に皮膚科に相談してください。

答え.自毛植毛は後頭部などの見えづらい位置の髪の毛を毛根ごと採取し、患部に埋め込む治療法です。

自毛植毛は人工植毛に比べて、自身の毛髪を使用するため、拒絶反応が出にくいのがメリットです。しかし頭部全体に影響の出やすいFAGAは、そもそも全体に植えるほど株が取れなかったり高額になったりと適さない場合もあります。

答え.レーザーやLEDを使用し頭皮の血流をサポートし栄養と酸素を供給する治療法です。

価格は投薬よりも少し高いものの、メソセラピーや植毛よりは費用の負担が少なく、身体的な負担もあまりありません。「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」においても推奨度Bと、ミノキシジル外用薬に次ぐ評価です。

治療に必要な時間も10分程度と短いため、忙しくてなかなか時間が作れない方にも向いています。投薬治療と併用されるケースも多い治療方法です。ただし、現状まだ取り扱いのあるクリニックが少ないという欠点があります。

答え.まずは一般的な皮膚科を受診し皮膚トラブルやその他疾患の可能性を確認してください。

皮膚トラブルや自己免疫疾患や甲状腺の異常といった原因がなければ、FAGA治療を専門に扱うクリニックへ切り替えることを選択肢としてください。

一般的な皮膚科はFAGA治療を専門に行なっているわけではないため、発毛に適したアプローチができない可能性があります。

答え.市販の育毛剤はあくまで育毛なので、発毛の効果はありません。国内で「発毛の効果」が認められているものはミノキシジル外用薬のみです。

インターネットで見かけるような自己流の方法は嘘の情報かどうか見分けがつきづらく、個人差も大きいため、場合によっては症状を悪化させてしまう可能性もあります。

効果が出るかわからない自己流での治療を続けるよりも、クリニックで専門の知識を持った医師の診察を受け、少しでも早く正しい治療を開始するのがおすすめです。

答え.個人輸入は成分が本物か確認しようがない上、トラブル時に対応できません。

薬の個人輸入は危険が伴うためおすすめしません。どのようなルートでお手元に届くか確認できない上、成分が本物であるか調べることも不可能です。また主成分以外に配合されている成分によって健康被害をもたらす可能性もあります。

そのため、国内未承認の海外薬は必ずクリニック経由で処方してもらいましょう。

答え.女性は男性用AGA薬の内服はできません。男性用AGA治療で主流のフィナステリド内服薬は、女性への投与が禁じられています。

フィナステリド内服薬は胎児への悪影響の可能性があるため、妊娠する可能性のある女性、妊娠中の女性、授乳中の女性への投与は禁忌です。女性用として処方するクリニックはないため、女性専用の薬を使用しましょう。

答え.FAGA治療の効果が出始めるまでの期間は、多くの場合で3〜6ヶ月です。

これは、発毛にはヘアサイクルがあるためで、頭皮が活性化したとしてもすぐに発毛はできません。そのため、FAGA治療は長期にわたるのを覚悟する必要があります。

答え.喫煙を控えた上で、規則正しい生活と十分な栄養素が必要です。

FAGA治療において、喫煙と睡眠不足は大敵です。特に喫煙はニコチンが血管を収縮させ、頭皮の血流の阻害につながるため控えた方が賢明です。

またFAGAはいくら効果的な薬剤を投薬しても、髪に必要な栄養分を食事から摂取しなければ十分な効果が得られません。髪の毛はケラチンと呼ばれるタンパク質で構成されており、タンパク質・ビタミンB2・ビタミンB6・ミネラルの摂取を意識した食事が大切です。

髪の成長に欠かせない成分を含むのはナッツ・ほうれん草・牡蠣・さつまいも・卵などがあります。食事で摂取しきれないならサプリメントで補いましょう。外食など脂っこい食事が多いと皮脂の分泌が増え、頭皮の毛穴が詰まる原因になるのでなるべく避けましょう。

発毛させるFAGA治療をしながら、医療脱毛はできないのでは？と思う人も多いですよね。結論として、ミノキシジル外用薬なら関係なし、ミノキシジル内服薬だと回数が増える可能性があります。

まず前提として、医療脱毛は毛を製造する細胞である毛包・毛母細胞を破壊します。ミノキシジルは破壊された毛母細胞を再生させる効果はなく、あくまで残存している毛母細胞に働きかけます。

外用薬の場合は、塗布した患部以外には影響がないため医療脱毛中も影響はありません。内服薬の場合は、すでに破壊した細胞は治らないものの、休眠状態だった毛母細胞を活性化させる可能性が残されています。

FAGA治療は昨今の美容医療の中でも盛り上がりつつある分野で、非常に多くのクリニックが手掛けています。

しかし中には、「全額返金」「格安モニター」などの文言に惹かれてカウンセリングに行くと、「結局高額なプランを契約させられてしまった」などのように、断りきれなかった経験者の悲痛な声が聞こえてきます。

実際に、国民生活センターへの美容医療分野の相談件数は右肩上がりです。

PIO-NET（消費生活相談データベース）に登録された相談件数の推移

相談件数は2023年5月31日現在（消費生活センター等からの経由相談は含まれていません）

※ 独立行政法人「国民生活センター」 より引用

そのため、常に慎重に調べて検討してください。

記事参考：

日本皮膚科学会 https://www.dermatol.or.jp/

独立行政法人国民生活センター https://www.kokusen.go.jp/index.html