下駄は古来より日本人に親しまれてきた伝統的な履物で、現代でも浴衣や甚平を着るときには欠かせません。素足で履いたときの感触が心地よく、和装だけでなく普段使いもでき、ジーンズなど洋服とも合わせることができます。

一方で、下駄を履く機会が少ない現代では、下駄を履くと音がうるさい、足が痛くなる、ダサいと思われない？といった点が気になる方も多いでしょう。実は、下駄の底の形状や鼻緒の素材を適切に選べば、快適に下駄を履いて楽しむことが可能です。

そこで今回は、下駄の選び方やおすすめ商品ランキングをご紹介します。ランキングは種類・履きやすさを基準に作成しました。購入を迷われてる方はぜひ参考にしてみてください。

下駄には形状や鼻緒の色などさまざまな種類があります。合わせる浴衣とのコーディネートやシーンなどを想定して選ぶと、お気に入りのものが見つかるでしょう。

下駄は足を乗せる台部分の形状によって種類が分かれています。合わせる浴衣や着物との相性を考慮して選ぶと、バランスのよい着こなしが可能です。

下駄の中では主流の形状で、2本の歯で支える構造が特徴です。女性用は芳町下駄と呼ばれることもあります。厳密には、木材をくり抜いて作られたものを駒下駄、台に歯を接着したものを継歯や、単に二枚歯と呼びます。

歩きにくそうに見えますが、歩幅の狭くなる浴衣を着た状態だと、意外と簡単に履きこなせます。歩くときに前に重心が移ると、自然と前に倒れるので、少ない動きでも移動できるよう工夫されている点もポイントです。

デザインや鼻緒のバリエーションが多く、メンズ、レディースともに幅広い選択肢があります。以下の記事では、駒下駄に合わせたい浴衣の人気おすすめランキングをご紹介しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。

歯が無く、女性用の草履のような形状が特徴の下駄です。浴衣だけでなく、上品な小紋の着物にも合わせられ、きちんとした雰囲気があります。歯がくり抜かれていないため、重量があるように見えますが、桐など軽量な素材なら、軽くて足が疲れません。

底が平坦なので、歩くときの音が小さく、美術館や劇場に履いて行っても安心です。草履よりリーズナブルなので、履物のバリエーションを増やしたい着物初心者にもおすすめです。浴衣を着物風に着るときや、着物をカジュアルに楽しみたいときに重宝します。

明るい色の着物には、薄い色の白木の下駄を合わせると、全体のコーディネートがまとまります。白木の下駄は、素材の質感を活かした木目のナチュラルな雰囲気が特徴で、素足に当たる感触に柔らかさがあります。吸湿性が高く、汗を吸い取るので履き心地も快適です。

白木と対照的なのが、表面をバーナーで炙って、煤を落として磨いた「焼き」と呼ばれる下駄です。塗り下駄のような濃い色が特徴で、汚れが目立たず普段履きに最適です。新品でも焼き色の渋い色合いが味わい深く、男性用としても人気があります。

塗り下駄には、黒や赤、蒔絵を施したものなど、さまざまな色・模様のものがあり、着物に合わせてコーディネートを楽しめます。塗り下駄には、木目を出すため薄く塗料を塗ったものと、塗りと研ぎを繰り返してつやを出して仕上げるものがあります。

塗り下駄は白木や焼き下駄に比べて上品な印象になり、つやがあるものはより華やかな印象をブラスします。水を吸ってしまうとシミになる白木と違って、塗り下駄は水を弾くので、多少の雨でも安心して履くことができます。

歩きやすさに重点を置いた台や鼻緒を選ぶと、下駄は歩きにくいというイメージも一掃されるでしょう。サイズ選びはやや小さめを選ぶのが、和装の履物のコツです。

駒下駄の前側の歯が、斜めに付けられており、歩くときに重心を前に移動しやすいため、歩きやすい形状です。横から見た形が、漢字の千の字に似ているため、千両下駄とも呼ばれます。

新品の駒下駄は角があってやや歩きにくいのに対して、のめり下駄は初めから歩きやすい点がメリットです。一方で、駒下駄より使用する素材が多いため、重量があります。また、鼻緒の先端が、地面と接触しやすいので、鼻緒が切れる可能性が高い点にも注意が必要です。

下駄は、足袋を履かず素足で履くことが多いため、足の甲に直接当たる鼻緒の形状や素材は、履きやすさに大きく影響します。太めで柔らかい素材の鼻緒は、足に当たる面積が広く肌触りが良いので、足が痛くなりにくいと言われています。

特に、鼻緒の裏が起毛素材やループ織りになっているものは、履き心地がよいことで知られています。福林（ふくりん）仕立ての鼻緒は、裏地の割合を広く取っており、柔らかい裏地が足に当たる面積が広く快適です。

和装が一般的であった時代は、細い鼻緒が粋と言われていました。しかし、細い鼻緒は1点に力がかかりやすく、慣れないと鼻緒と皮膚との摩擦で痛みが生じることがあります。無理せず足に合うものを選びましょう。

下駄は年齢や性別を問わず着用できる履物です。女性用・男性用・子供用の下駄を選ぶ際のポイントについて紹介します。

レディース用の下駄は、男性用や子供用と比較して、鼻緒のデザインが豊富な点が特徴です。鼻緒の色や柄は、コーディネートのアクセントになるので、浴衣や着物の柄に合わせて選ぶとよいでしょう。

華やかな柄の浴衣や着物には、シンプルな鼻緒を合わせると、全体が引き締まって見えます。反対に、無地や落ち着いた色の浴衣や着物には、差し色として、模様入りや明るい色の鼻緒がおすすめです。

メンズ用の下駄は、鼻緒や台の色やデザインが、シンプルなものが多い傾向があります。そこで、台の形状に注目して選ぶと、個性を演出できます。駒下駄やのめり下駄など、高さのある下駄は、粋でこなれた浴衣姿に役立ちます。

浴衣や着物でおしゃれを楽しむ方から人気が高いのが、台に彫刻などで模様を施した下駄です。伝統工芸品としても知られる、鎌倉彫のものが有名です。着用時ではなく、脱いだときに模様が見えるので、センスの良さをさりげなくアピールできます。

子供の皮膚は大人に比べて薄いので、鼻緒ずれを防ぐため、鼻緒の生地が柔らかいものを選びましょう。二枚歯の下駄は、高さがあるので子供には歩きにくいように見えますが、幼児でも意外と上手に歩くことができます。

屋外だけでなく、店舗の床など滑りやすい地面では、ゴム製やスポンジ製の底がついたものが安心です。下駄は靴と違って、着用できるサイズの幅が広いので、比較的長く履くことができます。

靴の種類に運動靴やビジネスシューズがあるのと同様、下駄にも普段着向けやよそ行き向けなど種類があります。TPOに合わせて適切なものを選びましょう。

昭和に入ってから登場した比較的新しい形状の下駄です。足が接地する部分が、かかとからつま先にかけてカーブを描いた形状が特徴です。サンダルのような見た目で、普段使いしやすく洋服とも合わせやすいため、男女を問わず最近人気を集めています。

駒下駄のような歯が無く、地面に接する部分が広いので、やや歩きにくいですが立つ姿勢が安定します。底がゴムやスポンジ素材になっているので、濡れた地面でも滑りにくく、子供用としてもおすすめです。

歩くときに響く、下駄特有のカラコロという音は、美術館や図書館など、静かにしなければならない場所では騒音になることがあります。そのような場所では、歩くときの音を軽減できるゴム底の下駄がおすすめです。

ゴム底の下駄は、衝撃を吸収するので、長時間歩いても疲れにくいというメリットもあります。また、滑りにくいので、濡れた地面や、つるつるした店舗の床でも安心です。

下駄、草履ともに、足を乗せる部分が畳表になっているものは、フォーマルな場面に履いて行くことが可能です。畳表の中でも、黒や茶色のカラス表と呼ばれるものは、ややカジュアル向きです。

下駄や草履に使用される畳表は、和室の畳と同じい草ではなく、竹皮を編んで作られています。畳表のブランドとしては、岩手県南部地方で生産される南部表がよく知られています。

畳表はやや滑りやすいので、履物店などで、足に合わせて鼻緒をすげてもらうとよいでしょう。畳表付きの下駄は、他の下駄より格が上とされるので、浴衣に素足で履くよりも、着物で足袋を履いて合わせるのがおすすめです。

厚い木製の台の底をくり抜いて鼻緒を通し、前半分はのめり下駄のような傾斜をつけた独得の形状が特徴です。七五三の衣装や舞妓さんの履物として、目にしたことがある人も多いでしょう。

歩くときの音からぽっくりと呼ばれますが、地域によっては、こっぽり、おこぼと呼ばれることもあります。高さがあって歩きにくいため、実用性はありませんが、成人式の振袖や結婚式などで、女性の正装として着用できます。

正式には畳表のものが正装になりますが、漆塗り仕上げのものもあります。高さがある分、晴れ着の裾を汚しにくく、背が高くなるので見栄えがよいと言われています。以下の記事では、足袋のおすすめランキングを紹介しているので、併せてご覧ください。

下駄や草履など和装の履物が似合う街として、東京の浅草や京都などが有名です。それぞれに外出したときに、似合う下駄の特徴を紹介します。

東京の浅草には、古くから下駄や草履の履物店が多く集まっており、ややきつめに鼻緒をすげるのが特徴です。きつめの鼻緒に指だけをひっかけ、前のめりで歩く履き方が、気の短い江戸っ子の気質と相性がよいためと考えられています。

京都では、伝統的に長めの鼻緒をゆったりとすげた下駄が好まれていたようです。足の指をしっかり入れて、ゆっくり地面を踏みしめるみやびな歩き方になり、京都の土地の気質を表しています。

洋服や靴と同様に、下駄にも人気のブランドや有名な老舗ブランドがあります。選び方に迷ったら、ブランドを絞って検討するのもおすすめです。

大正5年創業の浅草の老舗ブランド金鷲は、高品質な革製の草履やバッグで有名なメーカーです。普段から着物を着る人の間でも「キンワシ印」の下駄や草履は質が良く安心と評判で、足に馴染んで長く使い続けることができる点も特徴です。

ビビジェンヌは、モダンな柄の浴衣や下駄で人気のブランドで、大人の女性からも評判の高いデザイン性が魅力です。定番製品とはひと味違った個性的な下駄を取り揃えており、浴衣姿は下駄にもこだわりたい人におすすめです。

洋服感覚の自由なコーディネートが可能で、ファッション性の高い和装アイテムで人気のブランドです。モードなデザインが特徴で、私服や普段使いにもおすすめで、浴衣や着物に慣れていない方でも、挑戦しやすい下駄を幅広く取り扱っています。

各通販サイトの売れ筋ランキングもぜひ参考にしてみてください。

※上記ランキングは、各通販サイトにより集計期間・方法が異なる場合がございます。

現代主流の和装の履物である、下駄、草履、雪駄について、それぞれの特徴や見分け方を説明します。上手に使い分けて、TPOに合わせたおしゃれを楽しみましょう。

下駄は台の素材に木材を使用しています。材料となる木材には、軽くて丈夫な桐や杉のほか、コルクを使用したものもあります。草履は芯材にコルク、表に革や布を使ったものが主流です。

革草履が一般的になったのは昭和初期で、それ以前は畳表の草履が一般的でした。現代では、革をエナメルで加工して光沢を持たせたものや、リーズナブルな合成皮革の草履も多く見られます。

雪駄は足を乗せる部分に、竹皮などで編んだ畳地を用いています。また、底に革を使用していたり、かかとに金具があったりという特徴がありますが、一般的には雪駄は草履の一種と考えられるようです。特に男性用を雪駄、女性用を草履と呼ぶことが多いです。

草履や雪駄は底が平らであるのに対して、下駄は底の形状がさまざｍです。駒下駄のような2枚歯がついて、高さがあるものがよく見られます。道路が舗装されていない時代に、ぬかるみや水たまりで着物が汚れるのを防ぐため、高さのある下駄が重宝されたと考えられます。

現代では、舗装された道路がほとんどであるため、歯が無く草履のような形状の舟形下駄や、サンダルのように普段使いできる右近下駄も人気があります。

下駄は独特な構造であるため、履き慣れないと、歩きにくく感じることがあります。ポイントを押さえて、下駄を快適に履きこなしましょう。

下駄を履いているときに、よく起こるトラブルが鼻緒ずれです。特に、鼻緒を挟む親指と人差し指の間が痛くなるという人が多いようです。鼻緒に指を通すとき、奥まで入れずに指で挟むようにすると、隙間ができて鼻緒ずれしにくくなります。

足全体を包む靴と違って、下駄はやや小さめを選ぶと歩きやすいと言われています。具体的には、かかとが1cm前後はみ出るくらいがちょうどよいサイズです。浴衣や着物を着たとき裾を踏みにくくなる他、水や泥のはね上げないので服の汚れを防ぐこともできます。

日田下駄はの歴史は古く、1830～1844年の徳川時代から現在まで日本三大産地とされています。特徴は、杉材の木目を焼いて杉を活かした点です。日田市の店舗では、シンプルな下駄や日田市のネイルアーティストとの女性向けで華やかなコラボ商品などがあります。

店舗でしか買えないような下駄や店舗ならではのお値段でお得に購入できるので、機会があればぜひ、足を運んでみましょう。

下駄は、形状の種類によって、履き心地や装いの雰囲気が異なるので、それぞれの特徴に合わせて選ぶのがおすすめです。浴衣や甚平だけでなく、洋服にも合わせて、さまざまな装いを楽しみましょう。