災害っていつどこで起きるか分からないから不安ですよね。特に夜間は困ります。停電で「周囲が全く見えない！」これでは避難するにも身動きできません。そんなときのために小型で頼れる最強の懐中電灯を備えておきたいものです。

「災害時用とアウトドア用の違いは？」「足元から50m先まで照らしたい！」と思っている方も多いのでは。実は、嵐の中でも使える防水仕様の懐中電灯や、500m先まで照らせる明るい懐中電灯など、用途に応じて懐中電灯の種類や機能は進化しています。

今回は防災アドバイザーの高荷智也さん監修のもと、懐中電灯の人気おすすめランキングと選び方についてご紹介します。ランキングは価格・電源タイプ・そのほかの特徴を基準に作成しているので、懐中電灯を購入する予定の方は、ぜひ参考にしてみてください。

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懐中電灯には、通常の豆電球を使っているものとLEDを使用しているものがあります。LED商品は寿命が長く、消費電力・発熱が少ないメリットがあり、どんな用途でも活躍します。

LEDの最大のメリットは、コストパフォーマンスの高さです。長寿命で、蛍光灯の約5倍の寿命があるとされています。消費電力も少ない省エネタイプなので、電池の消耗も少なく電球交換などメンテナンスも極力減らせます。

災害時では、長時間懐中電灯を使用する場面も少なくないため、なるべく寿命の長いLED商品がおすすめです。

通常の電球は、光を放つと同時に発熱するので、触れると火傷してしまう可能性があります。LEDは通常の白熱電球と比較して発熱量が非常に少ないため、子供が触って火傷してしまうリスクも抑えられます。

そんなLEDですが、50度程度までは温度が上がります。絶対に火傷しないわけではないので、できる限り触らないようにしてください。

LEDライトは、素早く点灯するのもメリットの1つです。点灯時に100％の明るさになるので、急に周りが暗くなってしまった場合でも、瞬時に照らせます。災害時は停電でいきなり辺りが真っ暗になる場合もあって、即点灯はとても重宝します。

点灯速度が早いものは省エネ効果も高いといわれているので、懐中電灯を使う機会が多い方にもおすすめです。

電球は寒いと光量が減る傾向があります。通常の懐中電灯をマイナス温度になる夜間の作業場や庭で使おうとしても、光が弱く視界を照らせません。その点LEDの懐中電灯は低温に強く、温度が低いほど明るく照らしてくれます。

逆に高温には弱く、80度を超えると劣化が始まります。狭い密閉容器に入れて使うのは避けましょう。このような性質なので、電子レンジの内部照明には向きませんが、冷蔵・冷凍庫内の照明には向いています。

現在ではLEDの懐中電灯が主流ですが、白熱電球を採用している商品もあります。白熱電球は太陽光に近い暖かい色の光を出すので、周囲が明るく感じるのが特徴です。電球がLEDより安いメリットもあり、たまにしか懐中電灯を使わない方におすすめです。

日常的には使わないが、キャンプや釣りに懐中電灯を持っていきたいといった使い方の場合には白熱電球が向いています。

懐中電灯は商品によって、明るさ・形状・用途・電動タイプ・追加機能など、どれも異なるため、下記のポイントを参考に選んでみてください。

懐中電灯にとって明るさは重要なポイントです。明るさが足りないと辺りが見えづらいので、懐中電灯を選ぶ場合は、ルーメン・照射範囲・照射距離をチェックしましょう。

懐中電灯の明るさは、「ルーメン・lm」と呼ばれる単位で表され、数値が大きいほど明るくなります。基本的に10～30ルーメンで足元が確認でき、50～100ルーメンは視野の確保ができます。200ルーメンの商品は50m先まで照らせます。

懐中電灯では150～200lmが一般的とされていますが、用途に応じて選ぶのがおすすめです。ほかにも数値には、光の強さを表す「カンデラ」や明るさを表す「ルクス」などの数値があります。

光の単位は、光量を表す単位「ルーメン」以外にも、明るさを表す「ルクス」や強さを示す「カンデラ」と呼ぶ単位があります。どの単位も意味が似ていますが、ルーメンは光の量全体を指し、ルクスは、ルーメンの量で照らしたときの照度の意味です。

また、カンデラは1方向を照らした時の明るさを指しています。どれも数値が大きいほど照らせる幅が広がりますが、基本的にルーメンを意識していれば問題ありません。

懐中電灯は、光量（ルーメン）が同じでも、照射距離と照射範囲が機種によって異なります。最大照射距離は、そのライトで何メートル先まで照らせるかとの基準です。たとえば夜間の山道を照らしたい場合は照射距離が重要になります。

照射範囲は光の広がりを指し、手元足元を広く照らせるワイドタイプとピンポイントで照らすスポットタイプがあります。商品の中には照射範囲・距離が調整できるものもあり、これはさまざまな用途で使いたい方におすすめです。

懐中電灯の形状は大部分が筒型ですが、他にペンライト型・ランタン型がありそれぞれ特徴が異なります。

ペンライトタイプは、スリムな形状が特徴的な、片手で使える商品です。局所的に強く照らせるため、一点を照らす必要があるシーンで重宝します。足元の視界を確保しておけるので、夜間のウォーキングに利用したい方から人気です。

気軽に持ち運べるため、夜勤がある方はポケットに入れておいたり、突然の災害時に備えて何本か常備しておきましょう。

ランタン型は広範囲を広く照らせる商品です。キャンプや釣りといったアウトドアに使用される場合が多く、地面やテントの中に置いておくだけで周囲を明るく照らせます。取っ手が付いた商品であれば、つり下げや持ち運びにも便利です。

便利なタイプですが一方向への明るさは強力ではないので、使う場所によってペンライトタイプと使い分けるのが上手な使い方です。

懐中電灯は災害時やアウトドアなどさまざまな用途で活用できるため、使う場面を想定して懐中電灯を選んでください。

懐中電灯を長時間連続して使う場合は、連続点灯時間が重要なポイントです。地震や水害などの災害時は復旧が長引くので、懐中電灯を長時間使用するようになります。基本的に10時間以上の連続点灯時間があるものがおすすめです。

手元だけでなく、周囲を明るく照らしたい方は、照射範囲の広い広角タイプがおすすめです。広範囲を明るくできればそれだけ周囲の状況がよくわかります。また、車からも自分の存在が認識しやすいので、事故防止にも効果的です。

事故を未然に防ぎ、安全性を向上させられるため、夜にペットと一緒に散歩を楽しみたい方や夜行性の昆虫採集にも広角照射タイプが適しています。

ランタン型は、照らし出す範囲が広いタイプの懐中電灯です。一般的な懐中電灯は、ペンライトタイプのように一方向しか照らせませんが、このタイプは全方向を照らせるので、キャンプや釣りなどのアウトドアでは、とても重宝されます。

持ち運びやすい小型がよく、しかも広範囲をできるだけ明るく照らせる最強レベルのランタン型が何かと便利に使えます。

懐中電灯の電動タイプには、電池式・充電式・手回し充電式・ソーラーパネル充電式・エネループなどがあります。

充電切れが心配な方は、電池式の商品がおすすめです。乾電池さえあればいつでもどこでも懐中電灯を使えるため、電源のない場面でも心配ありません。乾電池のコストはかかりますが、常備さえしていれば確実な電源です。

コンパクトなサイズも多いので、旅行や出張・アウトドアなどに懐中電灯を持ち運びたい方に人気です。

コストパフォーマンスのいい商品をお探しの方は、充電式の商品がおすすめです。充電式の多くはUSBコードで充電をするタイプなので、電池の消耗を気にせずに使えます。頻繁に使う方に適していますが、連続点灯時間は商品によって異なります。

充電に時間のかかるものもあるため、懐中電灯が使いたい時に電池切れにならないように、常に充電するのを忘れないでください。

手回し充電式やソーラー充電式は、USBに接続しなくても充電できる便利なタイプです。電源のない場所でも電池切れを心配せず使えるので、キャンプや登山などアウトドアで利用するには最強の電源になります。

アウトドアに便利な商品ですが、ソーラー式は太陽光がないと充電できないため、曇りや雨の日には電池が切れてしまう場合があります。また、手回し充電は労力が大変で、基本的には電池切れ時のバックアップと考えてください。

電池式の商品は、乾電池を入れれば使えるようになりますが、エボルタやエネループなど充電式ニッケル水素電池やリチウムイオン充電池の使用は控えましょう。高ルーメンのLEDライトに充電池を使用すると過放電になり、故障や本体の寿命が減ってしまいます。

最悪の場合は、発火の恐れもあります。懐中電灯の中にはエネループなど充電池に対応した商品も多いので、どうしても欲しい方はそちらを確認してから使ってください。

懐中電灯には、防水性能・防塵性能・点滅機能・ラジオ機能・広角機能などの付加機能もあるので、用途に応じて機能を選んでみてください。

懐中電灯を台風や雨の日に使いたい方は、防水・防塵機能を持つ懐中電灯がおすすめです。アウトドアでも災害でも悪天候による水濡れは頻繁にあります。また、アウトドアでは土ぼこりの中で行動する場面も避けられません。

そんなときに防水防塵機能を備えた懐中電灯があれば、制限なく行動が可能です。防水防塵機能は表示されたIPコードでわかります。IP○○（○は数字)と表示され、最初の数字が防塵等級、次が防水等級で、数字が大きいほど高機能です。※IPX○は防水のみ

点滅機能が付いたものは、自分の居場所を素早く知らせられます。災害が発生し、孤立してしまったとしても、点滅機能があればすぐに発見してもらえるかもしれません。災害時のために懐中電灯を購入する方に、おすすめの機能です。

夜間でも自分の存在をアピールできるので、早い段階で自転車や自動車に位置を知らせ、夜間のウォーキングなどでの危険防止対策としても活躍します。

ラジオ機能が付いた懐中電灯は、場所を選ばずラジオとして活用できます。キャンプや山登りなどスマホの圏外で情報が少ない環境では、ラジオが天気予報などの重要な情報源です。特に災害時は、災害情報をいち早くキャッチできてとても便利です。

スマホがあれば情報収集はできると考えている方もいますが、災害などの異常事態では通信が安定しない可能性もあるので、ラジオ機能付きがおすすめです。

広角機能やズーム機能がある懐中電灯は、照射範囲を拡散させるなどのフォーカスコントロールが可能です。災害時や夜道の散歩では広角照射で60cm以上先を照らせれば、危険な場所や障害物を容易に見つけられます。

ズーム機能は光を絞り込んで遠くまで光を届けられるので、山道のような遠方照射に最適です。操作は商品により異なり、スライドさせる操作かフードを回転させる操作が多く見られます。操作性はスライドのほうが迅速性に優れます。

懐中電灯を緊急時にに素早く使いたい方は、重さや大きさ、スイッチの仕組みで決めるのも重要なポイントです。子供でも気軽に使える重さのものや片手で使えるコンパクトなものは、使い勝手がよく気軽に持ち運べます。

スライドスイッチ式の商品は指1本で電源のONとOFFを切り替えられるため、災害時でも素早く使えます。

懐中電灯には、さまざまな有名メーカーがあります。どのメーカーの商品も満足度が高いため、商品選びで失敗したくない方は有名メーカーの懐中電灯がおすすめです。

Panasonic(パナソニック)は、さまざまな日本製電気製品を販売している国内大手メーカーです。懐中電灯も豊富な種類を販売しているため、自分の好みや用途に応じた商品を選べます。デザインがシンプルでおしゃれなのも、人気の理由の1つです。

パナソニックの懐中電灯の中には電池寿命が従来モデルより10倍長持ちするものもあるので、防災用の懐中電灯をお探しの方に特におすすめします。

東芝は日本の大手総合電機メーカーで、ペンライトからヘッドライト、水中ライトなど豊富な種類の懐中電灯を揃えています。リーズナブルで使いやすい商品を中心に販売しているため、費用を抑えたいと考える方から特に人気です。

雨中でも使える防滴構造・転がりにくい楕円形ボディ・消し忘れ防止レンズなど使い勝手のいい機能も採用しているので、防災からアウトドアまで幅広い用途で使えます。

ジェントスは開発から間もない白色LEDを初めて懐中電灯に採用し、日本製懐中電灯のトップシェアを誇る人気ブランドメーカーです。明るく消費電力の少ない商品を多数販売しているため、日本で広く支持されています。

小型で持ち運びやすい設計で照射性能も高く、屋内外問わずに活躍します。プロユースが多く、医療から警察・消防・自衛隊・工事現場などで使われる品質です。もちろんアウトドア用の商品をお探しの方からも人気を集めます。

スルーナイトは、フラッシュライトを中心に販売している中国のメーカーです。使いやすさとコスパを追求した懐中電灯を多く販売しているため、初めて懐中電灯を購入しようとしている方や費用を抑えたい方におすすめです。

軽くて丈夫な設計なので、普段使いからアウトドアまでさまざまな用途で使えます。

ウーベンは、LEDフラッシュライト・ペンライトを扱う中国のメーカーです。耐衝撃性や防水機能の優れた商品が多く、日常使いはもちろん、アウトドア用としても使用されています。高品質な商品が多く、初心者でも気軽に使える商品を求める方におすすめです。

シュアファイヤは世界最強のフラッシュライトを自認し、丈夫で耐久性のある高品質な懐中電灯を多数販売しているメーカーです。アメリカでは軍や警察・法執行機関でも採用している信頼性のある商品で、災害時にも活躍しています。

高ルーメンの商品をお探しの方やアウトドアや災害時に使えるタフな商品をお探しの方におすすめです。

オーライトは、2006年に中国で設立されたLEDライトメーカーです。内部のLED電球には主に最高級のアメリカ製CREE社の製品を採用しているので、高ルーメンの懐中電灯をお探しの方から人気があります。

消防にも使われる強力なサーチライトやコンパクトなフラッシュライトも評価が高く、使い勝手のいい懐中電灯・ランタンなどをお探しの方におすすめです。

アーミーテックは、2010年にカナダで設立されたLEDフラッシュライトやペンライトを制作しているメーカーです。世界各国で開催された国際展に出品して高評価を得た商品も多くあり、品質を重視している方におすすめです。

高い耐久性と安定性は世界からも評価を得ているので、天候が変わりやすいキャンプや登山にも安心して使えます。

軍用懐中電灯はアウトドアやサバイバルゲームなどの場面で人気です。軍隊用に作られた懐中電灯は耐久性や機能性が高く、災害時にも多く使用されるます。購入する際は1000ルーメンを超えるものがおすすめです。

1000ルーメン以上の商品であれば遠距離にいる相手に自分の場所を伝えられるため、連絡手段や救助信号に役に立ちます。万が一の場合は生死にも関わるので、値段は高くなっても品質の高い商品がおすすめです。

懐中電灯はどんな場面でも活用できますが、万が一の場合を考えて自分のスマホに懐中電灯アプリを入れておきましょう。懐中電灯アプリの中には通常の懐中電灯と変わらない明るさが出せるものもあり、手元や足元を照らすのに役立ちます。

機能もアプリによってさまざまで、ライトの色を好みのカラーに設定できるものやワンタッチでライトが使えるものもあります。自分のスマホに合わせて、好みの機能を探して見つけてください。

今回は懐中電灯の人気おすすめランキングと選び方についてご紹介させていただきました。懐中電灯は用途に応じて、機能性やサイズが大きく異なります。上記の記事でご紹介したポイントを参考に、使いやすい懐中電灯を探してみてください。