出会いの場が減ってしまったため、最近はインターネット上で出会い探しをしたり、交流を活発に行う方が増えています。これに比例して急増しているのが、国際ロマンス詐欺の被害件数です。

国際ロマンス詐欺師は、SNSやマッチングアプリなど日本人が多く利用している「会員制サイト」や「アプリ」の至る所に潜んでいます。実際に、マッチングアプリやSNSなどで出会った相手が「なんか怪しい」と感じている方も少なくないと思います。

そこで今回は、国際ロマンス詐欺の被害に遭わないための見分け方や、詐欺師たちの手口、特徴、対処法などを詳しく解説していきます。また、国内で詐欺に遭いにくいとされる婚活アプリについても紹介していきますので、これから恋活・婚活予定の方はぜひ参考にしてください。

国際ロマンス詐欺とは、外国人を名乗る人物が、恋愛感情を利用して財産を騙し取る詐欺です。別名、「ナイジェリア詐欺」とも呼ばれ、組織的な集団によるロマンス詐欺は、イケメン・美人欧米人を装ったナイジェリア人がアカウント操作しているケースが多いです。

SNSやマッチングアプリに登録している写真は他人のものを悪用していたり、日本でハイスペックと言われるような完璧すぎるプロフィールも、架空の設定です。相手を誘惑するメッセージのやりとりにより恋愛感情を抱かせ、お金を騙し取るのが国際ロマンス詐欺の目的です。

この他にも、資産家を名乗る外国人による「投資型」の詐欺師もいます。国際ロマンス詐欺は、用心深いとされる日本人でも、外国人の相手となる非日常的な設定が被害者の判断力を鈍らせ、あり得ないような嘘に騙される原因となっています。

国際ロマンス詐欺の手口は以下の通りです。それぞれ解説していきます。

恋愛型の国際ロマンス詐欺は、SNSやマッチングアプリなどのインターネット上の交流サイトを利用して、メッセージや電話などで交流を深め、甘い言葉を用いて、あたかも外国人と恋愛しているような気分にさせて関係を築いていくのが手口です。

詐欺師が作り上げる架空の人物は、軍人や医者などのハイスペックなイケメン男性や、名家令嬢、金髪美女をプロフィールにして、急なアプローチでも相手に興味を持ってもらえるように仕向けています。

投資型の国際ロマンス詐欺も恋愛型と同じようにSNSやマッチングアプリなどから、FXや仮想通貨での投資やギャンブルサイト・オンラインカジノなどに勧誘されます。資産家と名乗る外国人設定と儲け話などの甘い言葉により、自分も資産家になれるような気分にさせて関係を築いていきます。

国際ロマンス詐欺師は、「恋に落ちた」「親友になれそうだ」などといった大胆なアプローチにより、ターゲットに接近します。外国人の設定が非日常感を高めるため、純粋な方であれば信じてしまう可能性が高いです。

投資型の国際ロマンス詐欺では、より現実的にするために「儲かっている証拠」や「資産の証拠」となる架空の画像を送ってきます。多額の資産を持っているように信じさせて、「仲間にならないか」「お金を貸す」といったアプローチをして相手に近づきます。

SNSやマッチングアプリでの交流は、メッセージや電話で数週間〜数か月程度の期間続き、信頼関係を構築していきます。中には、1年以上もの時間をかけて信頼関係を築くケースもあります。

国際ロマンス詐欺は、ある程度の信頼関係を構築した段階で、事故や生活状況が変わる出来事が起きたと話し、「一時的に金銭を立て替えてほしい」などと金銭の要求をしてきます。

恋愛型の詐欺師は、「会いに行くための旅費」「親や子の手術費用」「プレゼントを送る際の税関手数料」などの理由が多く、中には「手術費用をすぐに払わないと死んでしまう」といった送金を急かす場合もあります。相手に恋愛感情を抱いていた場合は、「私が助けなければいけない」と思い、送金してしまう方もいます。

投資型の詐欺師はターゲットからの信頼を得るために、最初は儲けを出しているように見せてきます。次々に資金を追加するよう求められますが、儲けを出金しようとしても、何らかの形で送金を求められ、最終的には元手も戻らないケースがほとんどです。

国際ロマンス詐欺の詐欺師は、コロナ禍により利用者が急増している「マッチングアプリ」「SNS」「言語学習アプリ」など、日常的に利用しているインターネット内に潜んでいます。

基本的に恋人を探す場所であるマッチングアプリは、恋愛感情がわきやすい環境であるため、国際ロマンス詐欺師が最も多く潜んでいます。簡単に登録・利用ができてしまうような、さまざまなマッチングアプリで国際ロマンス詐欺の被害が報告されています。

最近のマッチングアプリは、写真をフリックしながら好みの相手を探していくのが主流です。誰もが食いつきそうな美しい容姿の写真があれば、相手とマッチングするのが容易になってしまうのも国際ロマンス詐欺が絶えない理由です。

恋愛感情が芽生えてしまうと冷静な判断力を失いますが、マッチングアプリで金銭を要求された場合は従わずに、周りに相談してみましょう。

Facebook(フェイスブック)やTwitter(ツイッター)、Instagram(インスタグラム)など、世界的に流行していて誰もが気軽に利用しているSNSでも、国際ロマンス詐欺師の存在が報告されています。面識がないのにいきなりコンタクト申請やダイレクトメッセージをしてくるのがその特徴です。

フェイスブックであれば、面識がない外国人からコンタクト申請が来るのは不自然なので、プロフィールに違和感を感じたら疑いながらコミュニケーションをとるか、完全にブロックして自分の身を守りましょう。

ツイッターやインスタグラムは、非公開にでもしない限り、誰でも気軽にダイレクトメッセージを送れてしまうので、文面やプロフィールに怪しい部分がないかを確認しましょう。

ハロートークなどの言語学習アプリにも国際ロマンス詐欺師は潜んでいます。

ハロートークは、言語・文化交流のために作られたオンラインコミュニティーアプリです。ネイティブスピーカーと簡単に繋がれるので、メッセージや会話を通して無数の外国語を勉強できるのが魅力です。しかし、簡単に繋がれてしまうがために、国際ロマンス詐欺の環境を作り上げています。

そもそも言語学習アプリや言語交換アプリでは、原則として恋人探しが禁止とされています。違和感を感じたら、すぐにブロックしたり運営事務局へ通報して対処しましょう。

国際ロマンス詐欺についての知識を持っておくと詐欺被害を防げます。ここでは、プロフィールなどの特徴と見分け方を詳しく解説していきます。大切な時間やお金を無駄にしないためにもぜひ参考にしてください。

国際ロマンス詐欺師のプロフィールには、第一印象で相手の興味を引くためのパターンが存在します。下記の特徴に当てはまったら注意が必要です。

国際ロマンスの詐欺師は上記のようなプロフィールを設定しています。登録されている写真の人物は、俳優のようなイケメンだったり、モデルのような美人だったりと、マッチングして嬉しくなってしまうほどの容姿であるケースが多いと言われています。

プロフィール画像がネット上で拾ってきた画像だった場合は、「Googleの画像検索機能」により架空の人物だとすぐに分かります。怪しいと感じたら画像検索してみましょう。

さらに分かりやすいのは、配偶者とは死別し、子供は自分が育てている設定です。プロフィールに家族構成がなくても、メッセージのやりとりで話す詐欺師もいます。悲しいストーリーにより相手を引き込む心理的な手口を利用しています。

国際ロマンス詐欺の詐欺師たちは、相手に恋愛感情や興味を持たせるために、マッチングしてすぐなど、初めから分かりやすく熱烈なアプローチをしてきます。

恋愛型の詐欺では、「I love you」や「My  sweet heart」など、歯の浮くような甘い言葉を並べたり、すぐにでも結婚したいと言ってきたり、勝手に結婚する方向に話を進めるケースもあります。実際の外国人には、出会ってすぐにアプローチしたり、I love youと囁く人はいません。

投資型の詐欺では、「儲かる」「仲間になろう」といった言葉を言ったり、豪華な写真を送ってきたりして資産家の贅沢生活アピールをします。チャンスもあるのではないかと考えてしまいがちですが、相手からお金を無心するような投資家はまず存在しませんし、多忙な投資家がほとんどです。

マッチングアプリやSNSで出会った外国人とやりとりをする中で、以下のようなストーリーが出てきたら疑いましょう。

外国人だからあり得るのかもしれない、と考えてしまう方も少なくありませんが、冷静になればおかしいと思うようなメッセージを詐欺師は送ってきます。

特に、相手の良心に訴えかけるようなストーリーで金銭の要求をしてきた場合は、間違いなく詐欺師です。その出会いはすぐに手放しましょう。

現地時間だと夜のはずなのに、Good morningと挨拶してくるなど、現地の時間帯に合わないような生活をしている場合も国際ロマンス詐欺を疑いましょう。

また、国際ロマンス詐欺の詐欺師は、仕事として勤務時間にやりとりを行なっているため、急に連絡がつかなくなったり、特定の時間帯になると連絡がつかなくなる場合もあります。

ここでは国際ロマンス詐欺の被害に遭いやすい人の特徴をご紹介します。詐欺被害に遭わないためにも、どんな人がターゲットにされやすいのかを把握しておきましょう。

シンデレラのような、プリンセスストーリーの展開に憧れる人は、国際ロマンス詐欺のターゲットにされやすいです。まるで王子様のような美しい男性から突然アプローチされて、結婚の話をされたら、夢見心地のまま相手に騙されかねません。

自分では国際ロマンス詐欺になんか引っかからないと思っている人でも、ルックスのいい外国人から熱烈にアプローチされたら、どんな人でも浮かれてしまい、冷静な判断ができません。それほど恋愛感情は人の心を惑わせるのです。

自分では冷静な判断ができないと感じたら、周囲の人の意見や判断を仰いでみましょう。

恋愛に不慣れだったり、恋愛がご無沙汰になっている方は、特に注意が必要です。

国際ロマンス詐欺の詐欺師たちは、職業柄、恋愛経験の少ない人を見分ける目に長けています。メッセージの文面などから相手の性格を見抜き、言葉巧みに相手の心を揺さぶるのが上手です。

嬉しさのあまり、相手を疑わずに信じこんでしまっては国際ロマンス詐欺集団の思うツボになります。マッチングアプリを始めてから美男・美女な外国人から熱烈にアプローチされたら、冷静に文面を見返してみましょう。

好きな人がコロコロ変わったり、常に好きな人や相手がいるなど、恋愛体質で惚れっぽい人も、国際ロマンス詐欺では扱いやすいと判断され、ターゲットにされてしまいます。

惚れっぽい自覚がある方は、「相手の可哀想なストーリーに感情移入していないか」「作り話っぽくないか」「金銭の要求がないか」を確認し、一度冷静になって周囲の人の意見や判断を仰いでみましょう。

国際ロマンス詐欺集団は、30代以上で結婚に焦っていたり、寂しさを感じている人のスキを見逃しません。

マッチングアプリやSNSのプロフィール・投稿に焦りや寂しさなどを匂わせてしまうと、詐欺師たちはそのスキに入り込みお金を騙し取ろうとします。

マッチングアプリやSNSのプロフィールといった、不特定多数の人が閲覧できる場所でスキを見せるのは控えて、自分の身をしっかり守りましょう。

SNSに疎かったり、操作に慣れていない場合も要注意です。送金するサイトや架空カジノサイトなどのURLが送られてきた際に、SNSや操作に慣れている人であれば違和感にすぐ気が付いたり、自力で調べて国際ロマンス詐欺だと見抜けます。

投資など儲け話を持ちかけられても、ある程度お金に余裕がなければ投資できません。そのため、金銭に余裕がある人もターゲットになります。

投資をしても十分な貯蓄があると思っていても、次々と要求されてお金を吸い取られる場合があります。SNSやマッチングアプリでお金の話をしてくる人は、別の目的で利用しています。金銭的な要求をされたら、日本人・外国人問わず疑うようにましょう。

国際ロマンス詐欺の被害に遭ったら、被害を拡大させないために早期に実践したい対処法があります。自分だけではなく周りの親しい人が詐欺に遭う可能性もあるため、知っておくと大切な人を守れます。

送金先として指定された銀行に振り込んでしまった場合は、直ちに当該銀行に被害を報告して口座凍結を目指しましょう。海外口座の場合は、越境消費者センター(国民生活センター)に相談するとトラブル解決まで手助けをしてくれます。

参考：金融庁

その際に、下記の情報をすぐに伝えられるとスムーズです。

被害に遭ったと分かったら、近くの交番や警察署ではなく「警視庁サイバー犯罪対策プロジェクト」のサイトの中から該当する地域のお問い合わせ先に、国際ロマンス詐欺の被害に遭ったと相談しましょう。

参考：警視庁サイバー犯罪対策【公式】

なぜ警視庁なのかと疑問に思うかもしれませんが、サイバー犯罪の専門家であり手口に詳しく、素早く対応してくれる担当者に直接被害を訴えられるので、交番や警察署よりもトラブルが早く解決します。

少し手間はありますが、国際ロマンス詐欺に詳しい担当者を頼りましょう。

多くのマッチングアプリでは、登録時は本人確認の免許証などの提出後すぐに利用可能ですが、国際ロマンス詐欺の被害に遭いにくいとされるのは「独身証明」「収入証明」「学歴証明」などの各種証明書を提出できる婚活アプリです。

証明書が承認されると、プロフィール欄へ書類提出済みのマークを表示できます。結婚への本気度もお相手に伝わりやすくなります。

ここでは、各種証明書を提出できる婚活アプリを厳選してご紹介いたします。本気で結婚を考える方はぜひ参考にしてください。

身近に潜む国際ロマンス詐欺は、手口が年々巧妙化・多様化しています。少しでも違和感を感じた場合は相手に警戒し、親しい友人や専門家に相談しましょう。結婚前提の出会いを求めるのであれば、身元確認が堅くカウンセラーのいるような婚活アプリ・婚活サイトをおすすめします。