※以下本記事では、「シミ＝老人性色素斑」「肝斑＝肝斑」「そばかす＝そばかす」として記載

ピコレーザーはこれまでのレーザー（ナノレーザー）をさらに進化させ、照射時間（パルス幅）をピコ秒まで短くしたレーザーです。シミや毛穴開き、色素沈着や刺青の除去治療に対応します。

そんなピコレーザーには3モードが搭載され、治療したい症状によって使い分けます。

▼ピコレーザーの3モード
（赤字タップで説明箇所までジャンプします）

濃いシミや刺青の除去にはピコスポットを行います。シミの状態によってはピコトーニングと組み合わせて行う場合もあります。

▼主な美容皮膚科のピコスポット料金

（クリニック名タップで詳細紹介へ移動します）
「ピコスポット」と明記がある場合のみ記載

※ 初回キャンペーン料金は除外し掲示

※ 施術をしていない場合、メニュー名が「スポット」でない場合「ー」と提示

※1 一部院のみ

上記以外に「ピコレーザーシミ取り」としてメニューがあるクリニックも多いですが、正確性を優先させるためここでは「ピコスポット」と明記がある場合のみ取り上げています。

「ピコトーニング」は低出力のレーザーを広範囲に射程する施術方法で、お肌のくすみやシミそばかす、トーンアップに有効です。

▼主な美容皮膚科のピコトーニング料金

（クリニック名タップで詳細紹介へ移動します）

副作用・リスク｜赤み・はれ・内出血・皮剥け・色素沈着

※ 一部院のみ

※ 初回キャンペーン料金は除外し掲示

「ピコフラクショナル」は特殊レンズを使用し、ピコレーザーを点状照射して表皮に目に見えないほどの小さな穴を開け、肌細胞の再生・ターンオーバーを促します。いわばダーマペンのようなマイクロニードル治療のレーザー版です。

▼主な美容皮膚科のピコフラクショナル料金

（クリニック名タップで詳細紹介へ移動します）

副作用・リスク｜赤み・はれ・内出血・皮剥け

※ 一部院のみ

※ 初回キャンペーン料金は除外し掲示

▼主なおすすめクリニックの特徴

（クリニック名タップで詳細紹介へ移動します）

出典元：品川美容外科/品川スキンクリニック

ここではピコレーザーは1台の機器でモードを使い分けるのは、すでに解説した通りです。ここからはの3つの照射モードについてもう少し詳細に解説します。

ピコスポットはシミやそばかす・アートメイク・刺青など、比較的色素の濃い対象箇所に短時間で集中的に照射するモードです。ピコトーニングとは違い輪ゴムで弾いたような刺激がありますが、1回でも十分な効果が期待できます。

ダウンタイムは赤みや乾燥・カサブタなどで、赤みや乾燥は数日で引くものの、カサブタは剥がれるまで1週間前後、元の肌になじむには一ヶ月程度かかります。相場は範囲によりますが1箇所1万円前後です。

また、ピコトーニングで顔全体のくすみを除去し、ピコスポットで気になるシミやそばかすを集中的にケアするピココンビネーションという施術方法もあります。

ピコトーニングは出力の弱いレーザーを肌に当て、薄いシミや肌の黒ずみ、くすみといった色素にアプローチするモードです。また従来のレーザーには禁忌だった肝斑にも使用できます。

範囲はピコスポットに比べて「顔全体」「頬」のようにざっくりとしており、全体的に満遍なく機器を当てていきます。またピコスポットよりも出力が弱い分、3か月に10回程度繰り返し施術を受けたほうがいい場合も多いです。

刺激やダウンタイムはほぼないため、ピコトーニングを受けた後は日焼けを気にする以外比較的すぐに通常の生活に戻れます。

ピコフラクショナルは目立つ毛穴やニキビ跡などに効果が期待できるモードです。上記の色素にアプローチするモードと違い、ピコフラクショナルは高出力で表皮内に衝撃を与え空洞を作ります。その後本来肌が保っている創傷治癒力を活かす治療法です。

創傷治癒の過程でコラーゲンやエラスチンなども生成されるため、肌のハリなど総合的なケアも期待できます。

施術回数は1回でも効果が期待できますが、2週間に1回を目安に3〜5回ほど、2〜3ヶ月程度の施術がおすすめです。費用相場は顔全体への照射で3万円前後です。

ピコレーザーはイタリアや韓国をはじめとしたさまざまなメーカーが開発しており、クリニックによって導入機器が違います。

機器の差がクリニック選びの決定打となる場合は少ないものの、知識として知っておきたい方は以下をご覧ください。

▼この記事で扱う主なクリニックのピコレーザー

ちなみに、これらはどれがよりいい悪いはありません。施術では色素の位置（深度）・色・色素粒子の大きさによって、効果的に作用させる波長・パルス幅を調節する必要があるため、最適な設定は症状によって異なります。

強いていうなら、より幅広い機器で幅広く波長・パルス幅をカバーしているクリニックほど、タトゥー除去から薄い肝斑まで幅広く対応している、という目安となります。

「ピコシュア」は米国のサイノシュアー社製の機器で、世界初のピコレーザーとして知られています。 FDA（米国食料医薬品局）よりシミ・シワ・ニキビ跡の改善、タトゥー除去の分野において承認を受けており、日本国内の美容クリニックにおいても広く取扱をされています。

「エンライトン」はアメリカのキュテラ社が開発した医療機器で、「エンライトンSR」と新機種の「エンライトンⅢ」があります。「エンライトンⅢ」はピコトーニング、ピコスポットに加え、ピコフラクショナルも可能となり、除去できる色素数も増加しています。

「ディスカバリーピコ」はイタリアのクアンタ社が開発した医療機器で、短いパルス幅で照射できるため熱ダメージや痛みを軽減できます。ピコポイントは高出力の照射ができるので、濃ゆいシミにも有効的です。

マジェスティ（MAJESTY）は、韓国MFDSの認可で、パルス幅が250psと非常に短いのが特徴です。粒子の小さな薄シミや肝斑などに対応します。

「スペクトラピコ」は韓国のルートロニック社が開発した医療機器で、日本やアメリカ、中国にも現地法人があります。「スペクトラピコ」は4つの波長を使い分けることができるので、これまで除去が難しかた黒や茶色の色素にも対応できるので、刺青の除去にもおすすめです。

昨今の美容医療の流行によって、残念ながら患者に誠実でない悪徳クリニックも増加しています。トラブルを防ぐために、カウンセリングでは必ず以下の点を注意しましょう。

患者に誠実ではないクリニックの特徴として、「契約を急かす」点があります。

とにかく契約に繋げようと圧力を感じたり、契約前提で説明をして断りにくい雰囲気を作るクリニックは契約するべきではありません。

▼契約を迫る圧力の強いクリニックからの逃げ言葉

▼しつこい勧誘を断るためのテクニック

上記などを駆使して、しつこい勧誘があってもなんとか断りましょう。

大手クリニックでもよくある手法として、お試しなのに勝手に回数コースで見積もりを作る、ホームケア用品を入れ込んで見積もりを作る、といった場合があります。

「こんなものなのかな？」と契約してしまう人もいるかもしれませんが、それでは予算を上げたいクリニックの思うつぼです。

後悔しそうだと思ったなら、必ず「予算はXXXX円だけ」「これ以外はやめておきます」のように断って、希望通りのメニューで見積もりを作ってもらいましょう。

例えば、安いプランに目をつけてカウンセリングを受けに行ったら、高いプランを勧められた場合など、なぜ必要なのか、どの程度の効果が見込めるのか、いくらかかるのか、分かりやすくその明細を説明してくれるかどうかは大事です。

きちんと説明してくれたうえで、予算の範囲内でできる最善の治療を提案してくれるようなクリニック等であれば、施術も心地よく受けられます。

自分が受ける施術に対してどれほどしっかりした説明がされるかも、カウンセリングで確認しましょう。

また、診察をドクター、カウンセリングをスタッフが行う場合は、基本的にドクターの見立てを信じるようにしてください。カウンセリングスタッフは不要な施術も併せて勧めてきた、といったトラブルの声も見受けられます。

治療を受ける前は誰でも不安になるものです。初めのカウンセリング時にこちらに寄り添った対応をしてくれるかどうかは、大事なポイントです。悪い部分を治すのではなく、なりたい姿に変わるための治療なので、理想のイメージをはっきり理解してもらう必要があります。

メリットだけでなく、日常生活への影響、腫れや赤みなどのデメリットについてもきちんと説明してくれるか確認しましょう。不安や疑問に耳を傾けてくれるクリニックや、担当医がカウンセリングを行ってくれるクリニックがおすすめです。

まとめると、総合的に「このクリニックは信頼できる」とカウンセリングで思えたかどうかが大切です。

ピコスポットの施術を受ける際、どの美容整形クリニックがいいか迷う方もいるでしょう。ここでは、美容整形クリニックの選び方のポイントについて紹介します。

美容皮膚科の中でも人気のシミ取りですが、顔中の濃いシミが気になる場合は「シミ取り放題メニュー」を実施しているクリニックを選びましょう。

ピコスポットの治療は1回からのクリニックが多く、シミの数が多いとトータルの費用が高くなってしまいます。

5個や10個など多い数のシミを取っても手頃な価格が多いので、徹底的にシミ取り治療をしたい方に適しています。背中や腕などのボディに対応しているクリニックもあるので、シミの数に悩む方はぜひ取り放題メニューをチェックしてみてください。

ピコスポットの施術は少ない回数で済む場合が多いですが、施術を受ける前にカウンセリングを受ける等、クリニック等に通うのは1回では済まない場合もあります。であれば、通いやすい場所がおすすめです。自宅や仕事先、駅から近いクリニックを選びましょう。

また、仕事帰りに行く方であれば、遅くまで開院しているクリニックがおすすめです。自宅から通う方であれば、土・日・祝日も開院しているか確認しましょう。公式ホームページや電話で開院時間や休日等をチェックしてみましょう。

クリニックがアフターケアに力を入れているかは、そのクリニックの方向性や患者との向き合い方に現れます。

などは特に安心です。アフターケアに力を入れているクリニックは、主に公式サイトでもわかりやすく提示してある場合がほとんどのため、必ずカウンセリングを受けたいクリニックの公式サイトをチェックしましょう。

美容クリニックでは公式ホームページに「ドクターの紹介」や「治療症例」を掲載しているところが多いです。「治療症例」の治療効果は個人差がありますが、治療方法や症例ごとに効果や変化を掲載していますので、参考程度に確認してみましょう。

また、公式ホームページでは「よくある質問」やメールやチャットで質問できるクリニックもありますので、気になる点があれば確認しておきましょう。

昨今の美容医療において、各種WEBやSNSでやりとりされるクリニックの匿名口コミはほぼ当てにならないと思ってください。カウンセリングで自分の身体を預けられるクリニックか確認する以上の方法はないです。

令和5年10月からステマ（ステルスマーケティング）規制が施行されましたが、もともと美容医療はステマが激しい業界です。インフルエンサーもマーケティングの一環で宣伝していることがよくあります。美容医療は自由診療のため、高額な金銭が絡みます。そのため口コミがあっても、実際に治療を受けた患者によるリアルな口コミとは断言できません。

また口コミ投稿サイトでも、「わざといい口コミを投稿する」「わざと他のクリニックを貶める口コミを投稿する」「私怨で投稿する」といった可能性も捨てきれません。匿名の口コミはどのような操作でもできることは、肝に銘じておきましょう。

シミや刺青除去で使用されるレーザーの種類として、ピコレーザー以外にQスイッチレーザーも有名で広く使用されています。両者の違いは以下の通りです。

▼ピコレーザとQスイッチレーザーの違い

パルス幅が異なるためメラニンへの影響と負担が異なります。つまりシミの状態によって、どちらがより最適か使い分けをします。

ピコレーザー施術（ピコスポット/ピコトーニング/ピコフラクショナル）はどれも基本的に麻酔不要です。

しかしピコスポット・ピコフラクショナルは輪ゴムで弾かれるような痛みを感じる方もおり、クリニックによってはクリーム麻酔に対応する場合があります。

ピコレーザー施術のダウンタイムは一般的に以下の通りです。

▼ピコレーザー治療のダウンタイム

どのモードでも共通しているのは、ダウンタイム中は紫外線を避けること、施術した箇所を触らないことです。刺激が加えられると色素沈着の元となってしまいます。

ピコレーザーは「失敗した」と感じられる場合があることも事実です。

しかしそれは、ピコレーザーは機器コントロールで失敗するというよりも、元々の肌の見立てが間違っていたり、見えない位置のメラノサイトを把握しきれないために起こります。

隠れたシミは視診ではわからない場合も多いため、画像解析機VISIAなどに頼るのも一つの手です。