映画やドラマが作品として成り立つために欠かせない存在——それが脇役です。主役を引き立てるのはもちろんですが、時に主役以上の存在感を放つことで作品にアクセントを与えてくれます。映画・ドラマ好きの中には、主役よりも脇役の顔ぶれを見て「この人たちが出ているなら面白いものになるはず」と作品を選ぶ人もいるそうです。
 「名脇役だと思う女性俳優ランキング」で1位に選ばれたのは《戸田恵子》。近年ではドラマ 『ショムニ』や 『バンビ〜ノ!』、映画 『THE 有頂天ホテル』など、女優としての活躍がめざましいですが、古くからのファンにとっては声優というイメージが強いのではないでしょうか。アニメ作品では 『それいけ!アンパンマン』のアンパンマンや 『機動戦士ガンダム』の マチルダ・アジャン、実写映画では 『エイリアン』のリプリー、 『マトリックス』のトリニティなども彼女が声を担当しています。舞台女優として長きにわたって活躍し、映画 『ラヂオの時間』では 日本アカデミー賞の優秀助演女優賞をするなど、演技力にも定評があり、名脇役というのにふさわしい女優と言えるでしょう。
 2位につけたのは《室井滋》。彼女が脚光を浴びたのは、6位の《小林聡美》、8位の《もたいまさこ》らと3姉妹を演じた深夜枠のコメディドラマ 『やっぱり猫が好き』です。当初このドラマは《小林聡美》と 森下愛子の2姉妹という設定でしたが、森下愛子の降板によって、急きょ《室井滋》が代役に選ばれ、第1話ではおば役で登場していた《もたいまさこ》が長女として加わったのだとか。当時は映画を中心に地道な活動をしていた《室井滋》が、このドラマをきっかけに注目を集めたのですから、運命とは面白いものですよね。
 主役以上の存在感を持つ名脇役として外せないのは、4位の《菅井きん》でしょうか。1926年生まれの今年81歳——実に50年以上のキャリアを持つ大ベテランです。女優としてデビューしたのは、1951年公開の映画 『風にそよぐ葦』ですが、世間の注目を集めたのは何と言っても時代劇 『必殺』シリーズの中村せん役。 藤田まこと演じる主人公・中村主水(なかむらもんど)を娘と共にネチネチといたぶるいじわるな姑・せんはこれ以上ないほどのはまり役で、放送当時はテレビから彼女の「婿どの…」というセリフが流れるたびに、背筋に冷たいものが走ったという マスオさんも少なくなかったとか……。
 憂いを含んだ美女から味わいたっぷりの個性派まで、さまざまなタイプの脇役がそろった今回のランキング。いずれ劣らぬ魅力を持つ彼女たちが総出演する大作ドラマなんてのがあれば、ぜひ見てみたいものですよね。