相次ぐ外資系企業の進出や業務内容の細分化によって、一昔前は見たこともなかったような肩書きが名刺に記されていることが多くなってきました。外回りの多い人などは、名刺交換をした際に「いったいこの肩書きはどういう役職なんだろう?」「この人は目の前にいるメンバーの中でどういう位置づけなんだろう?」と悩んだ経験があるのではないでしょうか?

 「どういうポジションの人なのかよくわからない肩書きランキング」で1位に選ばれた《エバンジェリスト》は、近年IT関連企業でおなじみとなっている肩書き。もともとは キリスト教における 「福音の伝道者」を意味する言葉ですが、企業では自社製品や技術などの啓もう活動を行う職名として使われています。 マイクロソフトアマゾンジャパンなど大手の外資系企業では、《エバンジェリスト》が啓蒙のエキスパートとしてセミナーやイベントでの講演、雑誌への執筆活動などを行っており、目にする機会も多いようです。

 あまり聞き慣れない、2位の《董事》(とうじ)は、企業の意思決定および監視に関する責任を株主から任された人の肩書きです。一見日本語のようにも思えますが、実はこれも中国や台湾の企業・団体で使用されている外国由来のもの。《董事》によって構成される 「董事会」を束ねる 董事長は、日本の会長職と同等の権限を持っています。コミック好きの方は 『取締役 島耕作』で主人公・ 島耕作が上海初芝在任時に董事長の肩書を持っていたことを覚えているのではないでしょうか? よく似た響きを持つ《参事》や《主事》などの肩書きもランク・インしていますが、こちらは公的機関や各種法人、公共団体などで使用される職名で、一般的に《参事》が部長クラス、《主事》が課長補佐以下のクラスを表すと言われています。

 このほか、広報を意味する《パブリシスト》や副社長を意味する《バイスプレジデント》(直訳の場合。本来は部長〜本部長クラスを指すが、会社の規模によっては部門副部長、課長クラスを指す場合も)など、既存の役職を外国語に置き換えた「わざわざ外国語にしなくても……」という肩書きも多数ランク・インしていますが、やはり目立つのは《インテグレーター》や《フェロー》、《アソシエイト》など、従来の日本企業にはなかった新しいタイプの肩書き。外国語に由来するため意味が分からないことも多いですが、どうせ分からないのなら「これはどういった役職なのでしょうか?」と訪ねてみるのも、話のきっかけとして良いかもしれませんね。