何気ない誤解や嘘でも“実際にあったこと”として伝言ゲームのように人から人へと伝えられ、いつの間にか誰もが信じてしまう 都市伝説。概念を広めた ジャン・ハロルド・ブルンヴァンが“口述の歴史”あるいは“擬似的な歴史”と呼ぶ都市伝説は、巨大掲示板やブログ、SNSの登場によって、以前よりも短時間で、より広範囲に広がるようになっています。そんな中、「なんとなく信じちゃっていた都市伝説ランキング」を調べてみました。
 最も有名な都市伝説として「なんとなく信じちゃっていた都市伝説ランキング」の1位に入ったのは、《富士の樹海では方位磁針が正常に動作しない》。富士山の北西に広がる “青木ヶ原樹海”は、噴火によって流れ出た溶岩が複雑な地形を形成しており、迷い込むとすぐには出られないミステリースポットとして知られています。その恐ろしさを特徴付ける話として、“方位磁石が利かない”という話が引き合いに出されることが多いのですが、実際には磁石が狂うような場所はほとんどなく、針がずれたとしてもせいぜい1〜2度程度だとか。2位は《病院での死体洗いのアルバイト》。解剖に供される献体を洗浄するアルバイトをすると、高額な報酬がもらえるというこの都市伝説。 大江健三郎の小説 『死者の奢り』が起源とも言われていますが、実際には、解剖用遺体の取り扱いには法律によって厳しい制限が設けられており、このような作業が行われることはないそうです。
 都市伝説にはメディアの影響も大きいようで、刑事ドラマのイメージが基になった5位の《警察署の取調室ではカツ丼が出る》や、有人火星探査計画のねつ造を題材にした映画 『カプリコン・1』の影響が大きい《実は人類は月に到達していなかった》など、テレビ・映画に影響を受けた都市伝説は枚挙にいとまがありません。2006年に都市伝説を題材にした書籍 『ハローバイバイ・関暁夫の都市伝説』がヒットしたのは記憶に新しいところです。一昔前とは比べものにならないほど情報ソースや伝達手段が多様化している現代社会において、今後どのような都市伝説が登場してくるのか——そんなことを想像してみるのも面白いかもしれませんね。