若い頃はもちろんですが、実は社会に出てからもなかなか学ぶ機会がないのが食事の作法——いわゆるテーブルマナーです。「和食のテーブルマナーなら日常生活の中で自然と身につくのでは?」と考えてしまいそうですが、長い歴史の中で培われてきた日本のテーブルマナー。実は皆さんが想像している以上に奥が深く、知らない事も多いものです。

 そんな和食のテーブルマナーの中でも、知っておくと便利なのが《和室は床の間が上座》。これはテーブルマナーというよりも和室に関するマナーになりますが、日本において上座は身分が高い客を迎え入れるための場所となっています。西洋式の建売住宅で暮らす人が多い現代においては、なかなか和室のマナーを学ぶ機会などありません。社会に出れば取引先と料亭で会食する事もあると思いますが、そんな時にこのマナーを身に付けておけば、相手に失礼な行動を取る心配はないのでは?
 もう少し日常的な所では、《煮魚や焼魚はひっくり返してはいけない。表の身を食べ終えたら、骨を外し、裏の身を食べる》というテーブルマナーを知らない人も多いようですね。これは、この食べ方をする事で食べ終わった後のお皿が美しく見えるというのが理由のようですが、皮よりも身から食べた方が食べやすそうな気がして、ひっくり返して食べている人は少なからずいるのではないでしょうか。ちなみに、骨の隙間から身をほじくり出すのは「すかし箸」というマナー違反になるのだとか。和食のマナーを身に付けた年配の方と食事をする際には特に注意しましょう。
 このほか、《串物は先に串から外してして食べる》や《ご飯のおかわりをする際は茶碗に一口分のご飯を残す》といったさまざまなテーブルマナーがランク・インしていますが、いずれもその目的は食事の際に同席する相手に不快な思いをさせないこと。1人で食べる時にはあまりテーブルマナーなど気にせず、好きな方法で食事を楽しみたいものですよね。