薬を飲めば飲むほど 病気に弱い体になっていく?

「薬の目的は症状を一時的に抑えること。治すものではありません」と話すのは、薬剤師の宇多川久美子さん。ちょっと具合が悪いからと“カジュアルに飲んでいる”と、深刻な不調を引き起こすこともあるそうです。
「薬は、制御不能な消防車のようなものです。家事の家だけでなく、街全体に放水して水浸しにします。体に置きかえて考えると、気になる症状は消えても、薬の副作用が全身に表れてくるというわけです」

風邪のひき始めに薬をあわてて飲む必要はなし

たとえば頭痛薬は、血管を収縮させて痛みを止めます。すると頭だけでなく、胃腸や手足など全身の血管も収縮。それが、冷えとなり、体の免疫力も低下させてしまうのです。
また、風邪薬は「ひき始めが効く」と言われますが、実は効果なしだそう。「薬にできるのは、熱や鼻水などの症状にフタをする応急処置だけで治療ではありません。薬に頼らず治すには、とにかく体を休めること。食欲がないときは無理に食べずに、よく寝るのがベストです」。
症状は体が発するSOS。てっとり早く薬で抑えこむのは、そのサインを無視しているのと同じ。体のSOSに応えた根本的な治療や生活習慣の改善を心がけることが大切です。

飲む前に知りたい! 薬が原因の不調をチェック

「冷えや便秘など、なんとなく慢性化している不調の原因が、薬である場合もあります」と宇田川さん。薬の成分は、体にとって異物。成分を解毒し、消化吸収するために大量に体内の酵素を消費します。この酵素が体内で不足することによって、さまざまな副作用が起こるのです。薬の副作用で起きると考えられる症状には以下のようなものがあります。
当てはまるものがある場合は、薬の飲み方を見直しましょう。

・肌荒れ・便秘が悪化しやすい
代謝に使える酵素が減るため、肌の新陳代謝が滞って肌が荒れたり、消化効率が落ち便秘になることも。
・冷えがひどくなる
薬による酵素不足で代謝機能が低くなると、血流が悪くなり、冷えがひどくなる場合もあります。
・太りやすくなる
消化酵素が減り、消化力が落ちてためこみやすい体質に。さらに、代謝酵素も少なくなるのでエネルギー消費量が低くなり、ダイエット効果が出にくくなることも。
・病気にかかりやすくなる
冷えで体温が1度下がると免疫力は13〜30%も低下します。ウイルスや細菌などの外敵から身を守れなくなり、病気がちになるという本末転倒な結果に。

飲み過ぎを事前に予防 不要な薬を減らす方法

処方箋薬も、最小限にすることが可能です。適切な薬を処方してもらうために以下のことに気をつけましょう。

・「お薬手帳」を活用する
調剤薬局で配布される「お薬手帳」を毎回持参。薬の情報を1カ所に集約することで「副作用が出たことがないか」「飲み合わせが悪い薬がないか」などを医師や薬剤師が確認しやすくなります。
・「薬を飲む他にできることはありますか?」と医師に聞く
食事や運動など、薬以外の方法で改善できないかをたずねてみて。「薬に頼りすぎたくない」という意思表示になり、むやみな処方に歯止めが。

使い方を心得れば、薬は強い味方。いい距離感で付き合って、健康な体を維持しましょう。

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