【画像「FIGURE SKATING BEST SCENE 」(エイ出版社))】


毎年、フィギュアスケートのグランプリシリーズが近づくと、選手の試合にかける想いや、今シーズンのプログラムが、テレビや雑誌で取り上げられる。しかし、わずかな放送や誌面から得られる情報はごくわずか。「大好きな選手のこと、もっと知りた~い!」というのが、ファンの気持ちだろう。

そんなファンの希望を叶えたのが、8月28日(金)の『あさイチ』(NHK)だ。羽生結弦選手が出演したこの日、番組宛てに届いたFAXの総数は、なんと約7000通! 最高齢のファンは92歳だったそうだ。

▼番組に送られた羽生選手の似顔絵
(元記事に画像あり)
▼FAXを送ろうとしたが繋がらなかったという悲惨な報告も
(元記事に画像あり)

今回は、番組を見ていた筆者が、思わず“つかまれ”てしまった羽生選手の名言を3つご紹介しよう。


「完璧にやって満足したという気持ちが芽生えたことはない」

品行方正で、礼儀正しいイメージのある羽生選手。「どうしたらこんなに真っ直ぐに育つのかしら」と、不思議に思っているお母さんたちも多いことだろう。しかし、そんな羽生選手も、小さい頃はやんちゃな一面を見せていたようだ。

「集中力が、初めは5分くらいしかもたなかった。野球が好きでね。ボールを持って、壁にぶつけて楽しんでいました」とは、小学校2年生から中学校卒業まで指導をした都築章一郎コーチの証言。これを受けて、羽生選手も、「リンクの人には申し訳ないんですけど、リンクにあったチラシを丸めてボールにしていました(笑)」と、苦笑を交えながら告白。いまの羽生選手からは想像できない、意外なエピソードだ。

しかし、と都築コーチは続ける。「負けず嫌いでしたからね。やると決めたときには、ものすごい集中力を持っていました」。とにかく試合が好きで、大会前になると様子が一変したという。羽生選手も、負けず嫌いについては自覚があるようで、「勉強もゲームもスケートも負けたくなかった」とコメント。年上の選手にも臆せず向かっていったそうだ。

「大会ですごくいい演技をしたのに2位だったときはどんな感じなんですか」と有働由美子アナウンサーに聞かれると、「まだできる、まだできるという気持ちが自分の中にある。だから、完璧にやって満足したという気持ちが芽生えたことはないんです」とコメント。ソチ五輪金メダルという輝かしい成績をのこしながらも、常に上を目指し続ける姿勢は、負けず嫌いゆえのものだろう。


「2人でやっているからこそ奇跡に近い」

番組中盤には、羽生選手と交流のある、歌手のサラ・オレインさんが登場。羽生選手のエキシビションナンバー、『The Final Time Traveler』をスタジオで披露した。

昨年に続き、今年の「ファンタジーオンアイス」でも、サラさんの生歌とコラボレーションを果たした羽生選手。CD音源と違い、リズムに微妙なズレが生じることもあるため、「生歌はやりにくい」と感じる選手も多いようだ。

しかし、羽生選手は共演する前に、「気持ちよく歌ってください。その時のライブ感を出したいので」と、サラさんに伝えていたという。「そちらの方が生きているんですよね、プログラムが。2人でやっているからこそ、より奇跡に近いものじゃないですか」。

羽生選手が方向性を示したことで、サラさんも安心して歌うことができたそう。「息が合ってきて、ひとつの世界観が生まれました」。2人の表現者がつくり出す、まさに「奇跡」といえるアイスショーを、来シーズンも期待したい。

「色気について考えたことはある」

「羽生選手は15~16歳頃からとてつもない色気が出てきました。20歳になった今は、色気がだだ漏れしています。どうしてそんなに色っぽいんですか?カナダでストイックな生活を送っているはずなのに、不思議で仕方ありません」(40代女性)

このFAXが読まれると、羽生選手は、「全然……漏れていません(笑)」と照れ笑いを浮かべた。しかし、ソチ五輪でも披露したショートプログラム『パリの散歩道』を滑るときは、「色気を出せ」とコーチに言われていたそう。そのため、「色気について考えたことはある」と語った。羽生選手の口から、まさか「色気」なんて言葉が出るとは。この発言を聞けただけでも、『あさイチ』を観た甲斐があったと感じたのは、筆者だけだろうか。

華奢な肢体で氷上を舞う羽生選手の姿は、たしかに色っぽい。うっとりと見惚れてしまうファンも多いだろう。ただしその色気は、高橋大輔選手やスイスのステファン・ランビエール選手が発していたフェロモン系の色気とはちょっと違う。何というか、いつの間にか魅せられて吸い寄せられてしまうような魔物系(失敬!)の色っぽさなのだ。

奇しくも、今シーズンのフリースケーティングのテーマに『陰陽師』を選んだ羽生選手。平安の夜を駆ける陰陽師は、羽生選手のミステリアスな雰囲気にピッタリだ。今シーズンも、羽生選手の色気に心をさらわれるファンが続出するに違いない。

(東谷好依)