保育士必見!「職場の人間関係」の対処の仕方
2021/08/18 更新

保育士を辞めたくなってしまったら
保育士は未来に可能性を持つ子供たちの成長に関わることができる、社会的意義も大きなやりがいのある仕事です。明るく楽しいイメージを持っている人も多いかもしれません。しかし、その実態はとても大変で、保育士になってから辞めたいと考える人も少なくありません。
保育士退職の実態について、辞めてしまう保育士の約半数が継続年数8年未満であるなど、若い保育士の方が辞めていく傾向にあります。多くの理由として待遇や人間関係への不満などが、この退職・離職に関わっているようです。
この記事では上記のような退職の決め手になった理由や、退職のタイミングやその伝え方をご紹介します。また、辞めた後に保育士の資格を活かすのか、異業種に務めるのかなど転職についての情報も載せるので、ぜひ参考にしてください。
保育士を辞めたくなる理由
ここでは保育士が仕事を辞めたくなる理由を6つに分けてご紹介します。給料や仕事量などの労働条件や職場の人間関係など、多くの保育士が退職を決意してきた理由ですので、保育士の方は必見です。
人間関係
まずは「人間関係」です。保育士は子供だけでなく、保護者や職員との間でもコミュニケーションを取る必要があるお仕事です。色々な立場の人と次々に関わる仕事であるため、人間関係における悩みのタネも多いのです。
例えば、保育士間の歩み寄りがないような職場であれば、行事やクラス運営をうまく進めることができないことがあります。こうした背景には女性職員がほとんどである保育園の状況があり、女性ならではの人間関係や派閥争いのようなものが存在する場合があるのです。
職場の雰囲気でストレスを溜め込んでも、子供や保護者の前では笑顔で明るく振る舞い続ける必要があることも、精神的に追い込まれる理由です。また、保護者から責められることで溜まるストレスもあるでしょう。以上のような実態が、「人間関係」を理由に退職を考える保育士を生み出すことに繋がっています。
給料が安い
二つ目は「給料の安さ」です。後述しますが、保育士は持ち帰り残業や時間外労働が多いなど実労働時間が見えにくい職業です。事務的な仕事は子供の前でできず、自宅に持ち帰って仕事をするケースもしばしば。また、子供の命を預かっていることもあり、食事中でも注意を払う必要があり、精神的にも疲労を溜めこみやすくなるようです。
保育士のおおよその平均月収は24.45万円です。切り詰めてお仕事をこなしていても、手取りで20万円を下回ってしまうことが当たり前とされてしまっています。そうした実態から、労働に対する給料水準の低さが問題視されています。
以上のような全体的な問題の他にも、給料水準が理由で若い保育士の退職率が高いことも問題です。というのは、年数を重ねていかないうちは給料水準が平均よりも低いために、給料に不満を持った若い人の方が辞めていきやすい実態にも関わっています。
仕事量が多い
三つ目は「仕事量の多さ」です。保育士のお仕事で主にイメージされるのはやはり子供のお世話の部分です。しかし、実際には装飾作りやイベント準備、事務的な書類作りなどの裏方の仕事もたくさんあります。
子供がいる時間にこれらの仕事をすることは難しいため、勤務時間外で行うしかありません。この構造が保育士にサービス残業・持ち帰り仕事を強いることになります。前述しましたが、こうした実態が実労働時間を見えにくくしている原因です。
このような、勤務時間内では扱いきれない仕事量の多さを負担に感じ、退職を考える保育士が多くいるのが現実です。時間外労働は保育士のプライベートの時間を圧迫するため、休息も十分に取れなくなってしまいます。休日を充実させたい方は保育士の仕事を続けるのが難しいと感じるようです。
プライベートとの両立の難しさ
四つ目は「プライベートとの両立の難しさ」です。上述の通り膨大な仕事量のために平日の夜飲みにいく時間などは作りにくいです。また、慢性的な人材不足により、何かの事情で突然に休むと言ったことも難しい構造的な欠点があります。
保育士業界は全体で人材不足が課題とされています。実際、最小限の人数で運営している施設が多く、そうした施設で働く保育士は体調不良などでも急な休みを取ることが難しいです。また、保育園は土日にイベントが入ることが多い、そして平日に代休を取ることが困難な職業です。
他にも、休みを取ることで他の人に負担が回ってくることを考慮し、出産の順番を伺わなければいけない職場もあります。こうした、プライベートの時間はおろか育児や出産ですら休みを確保するにはあまりにも忙しい現状のため、多くの保育士が不満を抱えています。
妊娠・出産
五つ目は「結婚・出産」です。上述の通り、保育士はやむを得ない事情だとしても休みを取ることが難しいのが実情です。例えば子供の発熱があっても、当日の急な休みを言い出すことが難しい空気があります。仕事と子供を天秤にかけなければいけないこと自体が、親としては納得できないでしょう。
また、職場によっては定時退社が許されないなど、労働時間の融通が効きにくいことからパートナーとの結婚生活がうまくいかないことも考えられます。これは自分の子供の送り迎えなどにも関わり、子供の生活にも影響してくる問題です。
このように、結婚生活や出産後の子育ての中で、保育士の仕事への不満が大きくなっていくことはあるようです。そのため、結婚や出産というライフスタイルの変化に合わせて退職を考える人が多いのです。
健康上の理由
六つ目は、「健康上の理由」です。上記の通り、仕事量が多く満足な休息が得られなかったり、人間関係でストレスを抱えたり、給料が低くギリギリの生活送ったりと、様々な理由で体の調子を崩してしまう保育士も一定数います。
また、背の低い子供たちに合わせて屈むことが多いことや、頻繁に子供を抱き抱えることが原因で腰を痛めることもあります。こうした負担を考えたときに若いうちは良くても一生は続けられないと考える人も多いです。
人間関係は精神的な疲労につながり、積み重なると仕事に来れないほど保育士を追い詰めることにもなります。実際の仕事の中で体調を崩したことで退職を考える人や、将来を考えた時に体への負担を考慮して退職を考える人がいます。
保育士を辞めるタイミングはいつ?
「もうやめたい!」そう考えたとしても、保育士は自分勝手に辞められないような職業と言われます。というのも、保育士は子供のクラスを1年間固定で担当するなど、1年間を単位として担当することが求められている節があります。
上記の理由で、辛いと思いながらも年度途中の辞めにくさから継続してしまう保育士の方も多いです。しかし、体力的にも精神的にも負担が大きいのであれば、無理して継続する必要はありません。一人が辞めて仕事が回らなくなるような労働環境で体や心に負荷がかかる場合、早めに上司に相談しましょう。
ただし、年度途中に辞める場合、いきなりの辞職ではどんなに整った保育園であっても人材を埋め合わせることが難しいです。そのため、少なくとも1ヶ月前には辞める旨を伝えるようにしましょう。職場をトラブルなく円満に退職するために、早めに連絡や準備することが大切です。
保育士の辞め方
ここでは保育士をやめる際に気をつけてほしいポイント、辞め方について紹介します。多くの人が難しいと感じる会社への伝え方などを記載しているので、ぜひ参考にしてください。
辞める理由を考えよう
やめる理由が結婚や出産など、比較的受け入れられやすいものである場合を除いて、上に載せたような理由は直接職場の人に伝えることは難しいでしょう。そのため、正直に伝えるのではなく、辞める上では受け入れられやすいような建前を考える必要があります。
そんな比較的受け入れられやすい、よくある退職理由は以下の通りです。
- 結婚・出産
- 親や家族、親族の介護
- 体調不良・病気
- 異業種への転職
なにが一番受け入れられやすいかは状況にもよります。例えば、地元の地域密着性の高い職場などでは、辞めた後に顔を合わせることもあるかもしれません。そうした条件に合わせて、最も自分に適したと思える建前を考えましょう。
辞めづらい場合はどうする?
上記のような建前を考えても、職場の雰囲気や状況から辞めにくい場合はあるかと思います。例えば、離職率の高さから多くの職場でベテランの保育士が多くなっていますが、それ故の身内感の強い雰囲気があります。他にも、人材不足で辞めることを言い出しにくい状況の職場という場合もあります。
しかし、先述しましたが辞めたいほど負担に感じているのに辞めにくさから働き続けることは良いことではありません。なるべく早い時期に職場にやめる旨を伝え、十分な引き継ぎをするなどして保育園に負担をかけすぎないように考慮し、職場からの理解を得ることが重要です。
辞めた後のことを考えよう!
保育士の仕事をやめることを考える時、辞めた後のことまで考えることが必要です。保育士の資格を活かすのか、それとも違った新しい職種に就くのか、そうした部分までしっかり考えましょう。保育士の経験は幅広い職業で生きてきますので、じっくり見極めましょう。
保育士の資格を活かすなら
保育士の資格を活かした仕事に就きたい人は、次の仕事も比較的簡単に見つけることができます。保育士友達がいたら、そうした仕事を紹介してくれ、条件の良い職場が見つかるかもしれません。経験やスキルが活用できる職場については以下に記します。ぜひ参考にしてください。
また、最近は企業が保育所を職場近くに置くことも増えました。そうした意味で、病院内保育所や事業所内保育所も考慮に入れてみましょう。事業を行っている企業が福利厚生や待遇に力を入れている場合は、保育園よりも快適な労働環境が整えられている場合もあります。
他にも、認可外の施設や託児所、福祉施設、そして学童保育などでも保育士のスキルは活用できるでしょう。また、異業種とみなされますが、看護師や介護士などの仕事も保育士としての経験が生きる職業です。
異業種に転職するなら
保育士の資格を生かそうと考えるのではなく、全くの別業種を目指す場合には保育士の時に負担に感じていたことをしっかり振り返る必要もあります。例えば、事務の仕事量に負担を感じていたという場合であれば、事務職の中でも待遇や条件で気にしなければならない部分は多いです。
とはいえ、全体で見れば保育士は多岐にわたる業務が集約された仕事です。保護者対応の経験は接客業や営業に活かせるでしょうし、ピアノの経験値は音楽教室でも活躍できるかもしれません。書類作成や企画を練った経験は一般職や事務職にも役立ちます。
自分が保育士をやめる際に最も負担だと感じていた部分を繰り返さないように気をつけ、新しい職業を見つけてください。保育士の経験は色々な業種の中で活きてくるため、自分の特徴に合った職場に転職できるよう頑張ってください。
辞めたいけど保育士を続けたいあなたへ!
職場の雰囲気や待遇、業務状況に不満があるだけで、保育士の仕事自体は続けていきたいという人も多いです。給料など条件を見ても大変さがわかっている中で保育士を志した背景には、やはり子供に対する想いがあるのでしょう。
子供への思いをまだ絶やしていないのであれば、転職して待遇や条件の整った職場に変えることをおすすめします。人材不足が問題視されている業界ですので、引く手は数多です。そんな中で、自分が納得のできる条件を探しましょう。
転職を考えた時、他の園で働く保育士の声を聞いてみることも大事です。また、転職サイトもおすすめです。例えば、子供への思いが理由で保育士を離れたくないという考えであれば、上記のように事業所内保育所などもあるため保育園に絞る必要もありません。そうした視野を広めるという意味でも、ぜひサイトや口コミを見てみましょう。
まとめ
保育士の仕事を辞めようと考える理由に始まり、辞め方や転職など、比較的繊細なテーマについて触れてきました。仕事を辞めるかどうか、その先にどんな職業に就くかに関するものは人生を大きく左右する事柄ですので、ぜひ後悔のないキャリアを歩むためにも参考にしていただきたいです。
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