家族が亡くなると葬儀の手配だけでなく、故人宅の遺品整理も行うことになります。金品や重要書類の保管に始まり、家具・家電の搬出や大量のゴミ分別など作業が山ほどあるため、すべて自力でやっていては大切な人との死別を悲しむ時間もありません。

そこで利用をおすすめしたいのが遺品整理業者です。大量の不用品も業者に頼めば最短即日で片づけてもらえるうえ、買取対応や相続の相談など多様なサービスを受けられるので、遺品整理全般の時間や手間を大幅に減らすことができます。

とはいえ遺品整理をする機会自体、人生の中でめったにないため、ほとんどの方は遺品整理業者のサービス内容や各業者の違いを知りません。そこで本記事では遺品整理業者を利用するメリット・デメリットに加え、業者選びで失敗しないための選び方を解説していきます。

遺品整理を業者に任せれば、力仕事から不用品の処分まであらゆる作業があっという間に終わります。費用はそれなりに高くつくものの、遺品供養や相続の相談などにも対応していることを考えれば、決して損な買い物ではありません。

【目次】

• メリット①：自力でやるより圧倒的に早く終わる
• メリット②：相続に関する相談もできる
• メリット③：遺品の供養も可能
• デメリット：費用は決して安くない

遺品整理を自力で行う場合、大まかな流れは以下の通りになります。

①段ボールや固定具、台車といった資材は多めに用意する

②大量の遺品を保管品・リサイクル品・廃棄品の3種類に仕分けする

③金品や公的書類など、保管品が相続に関わる場合は法的手続きが必要

④リサイクル品は必要に応じて洗浄し、その後買取・引き取りの依頼をする

⑤廃棄品は通常のゴミと同じく、細かく分別して処理する

実際の手順はさらに細かく、とても1日や2日で終わるような作業ではありません。また、故人宅が遠方にある場合は移動の手間もかかるため、場合によっては仕事を休んでの作業を強いられることになります。

しかし、遺品整理業者に依頼すれば全ての工程をプロに任せられるので、「遺品を絶対他人に触らせたくない」とかでなければ極力業者を利用してください。

貴金属や芸術品といった高価なものが遺品に混ざっていると、相続をめぐり親族らとトラブルになるケースも少なくありません。また故人宅が持ち家かつ一人暮らしだった場合、残された空き家の扱いも慎重な検討が必要です。

しかし遺品整理業者の多くは弁護士など相続の専門家と提携しており、手続きの補助からトラブルの解決まであらゆるサービスに対応しています。また業者によっては相続税や不動産価格なども見積もってくれるため、遺品整理が初めての人には特におすすめです。

万が一法廷で争うような事態になった場合、そこから弁護士に直接依頼すると高額な費用がかかってしまうので、なるべく相続問題に対応してくれる業者を選ぶよう心がけてください。

遺品整理をしていると故人の愛用品や神具・仏具など、処分に困るものが意外と多く出てきます。そんな時に役立つのが、遺品の一部を神社やお寺で保管してくれる「遺品供養」サービスです。

遺品供養に際しては「お焚き上げ」と呼ばれる儀式を行うことになりますが、手順が中々に複雑なため自力でやるのはおすすめしません。また神社仏閣に直接依頼すると数千円ほどかかりますが、遺品整理業者であれば基本的に追加料金なしで行ってくれます。

故人に深く関わる遺品を丁重に保管してもらえることは、残された方々の安心感にもつながるので、なるべく遺品供養に対応した業者を選ぶよう心がけてください。

遺品整理業者の料金設定は間取り単位で記載されていることが多く、その相場は1LDKあたり5~7万円程度です。しかし実際に料金を左右するのは遺品そのものの数量であり、片付ける遺品が多ければ作業人数や作業日数が増えるぶん費用も高くなっていきます。

そのためHPに記載されていた料金と実際の請求額が大きく異なり、業者と利用客の間でトラブルになるケースがあとを絶ちません。このような事態を避けるためには、追加料金のシステムを詳細に提示している業者を選ぶことが大切です。

いずれにしても遺品整理は決してお手頃なサービスではないので、十分な予算を確保したうえで利用するよう心がけてください。

遺品整理業者をチェックする際は、「遺品整理士」が在籍しているかを初めに必ずチェックしてください。そのうえで費用を抑えたい方は買取対応の有無、時間を取れない方は即日対応の可否などをそれぞれ確認していきましょう。

【目次】

• 「遺品整理士」在籍の業者を選ぶことが大前提！
• 不用品買取に対応している業者なら費用を抑えやすい
• 即日対応OKの業者なら忙しい時も安心
• 清掃や遺品送付などの付加サービスも要チェック

近年は引越し業者やごみ回収業者など、様々な業界で遺品整理サービスが始まっています。しかしこうした業者のサービスは「遺品整理」というより「不用品回収」であることが多いため、貴重品や思い出の品々がぞんざいに扱われてしまうことも少なくありません。

よって遺品整理の依頼は、遺品整理士が在籍する正規の専門業者に出すべきです。遺品整理士は遺品の丁重な扱いに長けているうえ、必要に応じて不動産や弁護士への仲介もしてくれるので、未在籍の業者とは安心感が違います。

悪徳業者に引っかかってしまわないためにも、遺品整理業者の公式HPを見る際はスタッフのプロフィールを必ずチェックしておいてください。

遺品整理において最も処分に困るものの1つが、家具や家電といった大型の生活用品です。すでに自宅にあるものを敢えて引き取るメリットは少なく、かといって片っ端から廃棄を依頼していると高確率で追加料金を請求されてしまいます。

そのため遺品整理業者を選ぶ際は、不用品買取に対応しているかをチェックすることが大切です。このサービスでは遺品整理と並行して対象物の査定を行ってくれるため、別途リサイクル業者を呼ぶのに比べて時間がほとんどかかりません。

また買取が成立すればその金額と同じだけ遺品整理の費用を節約できるので、予算が少ないときや遺品数が多い場合は、ぜひ不用品買取に対応した業者の利用を優先的に検討してください。

遺品整理業者のほとんどは迅速丁寧な作業をしてくれますが、それでも見積もりや現地作業、供養などの各種手続きを合わせると数日はかかります。故人宅が借家かつ退去日が迫っている場合など、「数日でも遅い」と感じるケースは少なくありません。

そんな人におすすめなのが、即日対応OKの遺品整理業者です。電話一本ですぐに整理士が派遣され、見積もりから作業までその日のうちに行ってくれるため、仕事が忙しい場合や故人宅が遠方にある場合は特に重宝します。

ただし遺品整理業者選びはあくまでも信頼性のチェックが第一なので、対応の早さだけを売りにしているような業者は極力避けてください。

故人宅を片付けるうえでは、遺品整理だけでなくその後の清掃も重要です。借家であれば退去前に原状回復が求められ、持ち家の場合も各部屋の状態が売却価格に大きく影響するので、遺品整理業者を選ぶ際は清掃に対応しているかもチェックしてみましょう。

また遺品整理業者の中には故人の形見を分別し、親族らに送付するサービスを行っているところもあります。これを自前で行うのはかなりの手間がかかるので、遺品を求める親戚が多い場合は送付を代行してくれる業者を探してみてください。

遺品整理業者の大半は誠実な仕事をしてくれますが、残念ながらごく一部の劣悪な業者が顧客とトラブルを起こしているのも事実です。貴重品の破損や誤処分など被害報告はあとを絶たず、ひどいケースでは作業員が金品を窃取した事例も存在します。

こうしたトラブルを避けるためには貴金属や権利書など、明らかに価値があると分かる遺品は予め自分で回収しておくことが非常に大切です。また見積もりを電話ではなく訪問で行っておくと、スタッフの振舞いを通じて人材のクオリティを窺い知ることができます。

遺品整理は失敗すると取り返しがつかないので、信頼性の高い業者を選ぶことは前提とし、さらにトラブルを防ぐための事前作業も怠らないようにしてください。

遺品整理業者は遺品供養から相続の相談まで多様なサービスを用意しており、大切な人を失ったときの心強い味方になってくれることがお分かりいただけたと思います。遺品整理の予定がある人は、ぜひ本記事で挙げた選び方を参考に最適の業者を探してみてください。