輪灯のおすすめランキング10選【輪灯を選ぶ際は宗派がポイント】
2021/02/28 更新
輪灯は浄土真宗の吊仏具
輪灯は浄土真宗で使用される灯火具の一つで、火皿に輪がついた形状なので、輪灯と呼ばれます。煙よけの傘と、吊り金具が火皿に連結した構造で、傘と油皿の間に装飾が入ることもあります。輪灯は、燭台や灯籠と同様、基本的なお供えの1つである灯明をささげるための仏具です。
輪灯は、花立や香炉と違って省略可能な仏具ですが、輪灯があると仏壇が華やかになります。可能であれば、ぜひ飾ってみたいという人も多いでしょう。しかし輪灯は宗派によって形状が決まっており、見た目や価格だけでは選ぶことができません。
そこで今回は輪灯の選び方やおすすめ商品をランキング形式でご紹介します。ランキングは、宗派、サイズを基準に作成しました。購入を迷われている方はぜひ参考にしてみてください。
輪灯の選び方
輪灯を選ぶ際に、まず注目しなければならないのが宗派による形状の違いです。また、仏壇のサイズによって適する輪灯が異なりますので、事前に大きさを測っておくとよいでしょう。
宗派で選ぶ
輪灯は浄土真宗でのみ使用される仏具ですが、浄土真宗の中でも宗派によって使用する輪灯の形状が異なります。現在主流の形状以外にも、蓮や龍などの装飾を施したものもあります。
本願寺派は「菊輪灯」
浄土真宗本願寺派では、輪の部分と、傘と輪の間の合釣(相吊)に菊の模様が入った菊輪灯を使用します。菊と共に本願寺派の宗紋である藤の装飾が入ることもあり、優雅なデザインが特徴です。
輪と合釣だけでなく、傘の裏や火皿部分にも菊をかたどった装飾を施したものもあるので、仏壇の雰囲気に合ったものを選びましょう。お寺では、中尊前に菊輪灯、祖師前には牡丹の花の模様が入った牡丹輪灯を飾る場合もあります。
真宗大谷派は「丸蔓輪灯」
真宗大谷派では、棒を環状に曲げただけの装飾の無い丸蔓輪灯を使用します。本山輪灯とも呼ばれ、傘から輪を直接つなぐので、他の輪灯に比べて高さが低めです。製品によっては、装飾の入った合釣を加えることもあります。
法要など特別な場では、天井から傘にかけて瓔珞と呼ばれる装飾品を吊り下げます。この形状を輪灯瓔珞と呼び、豪華な見た目が特徴です。真宗大谷派の輪灯は、普段の装飾は質素に、法要では豪華に変化させます。
真宗高田派は「桐輪灯」
三重県津市の専修寺を本山とする真宗高田派は、傘と合釣に桐の装飾が入った桐輪灯を飾ります。真宗高田派は、浄土真宗の各宗派の中でも真宗大谷派に次いで寺院数が多く、宗紋にも五七の桐を使用します。
真宗佛光寺派は「藤輪灯」
京都の佛光寺を本山とする真宗佛光寺派は、傘と合釣に藤の装飾が施された藤輪灯を使用します。輪の部分は、宗紋と同じ下がり藤の形状になっています。真宗佛光寺派は、室町時代には本願寺派を大きく上回る勢力があり、現在でも真宗十派の中で存在感のある宗派です。
真宗興正派は「牡丹輪灯」
京都の興正寺を本山とする真宗興正派は、牡丹の装飾が施された牡丹輪灯を用います。真宗興正派の門主である華園家の紋も牡丹で、本山の興正寺の門扉にも牡丹が彫刻されています。真宗興正派の寺院は、近畿地方および香川県に多く集まっています。
仏壇のサイズで選ぶ
輪灯を選ぶときは、仏壇のサイズに合ったものを選びます。一般的に、輪灯の使用に適するのは、床に置くタイプの台付仏壇です。上置仏壇や家具調仏壇は、スペースが取れない場合があるので、輪灯を飾る必要はありません。
サイズの小さな仏壇には「吊灯籠」
輪灯は、必ず揃えなければならない仏具ではないので、サイズやデザインに合わない場合などは省略できます。16号(戸幅約48cm)未満の仏壇は幅が足りず、市販の輪灯が設置できない場合が多いようです。このような場合は無理に設置する必要はありません。
家具の上に置く上置仏壇など小さな仏壇で、輪灯の代わりに設置するなら、吊灯籠がおすすめです。輪灯よりコンパクトなものが多く、仏壇が華やかに見えます。ご本尊を照らす金灯籠とは異なりますので、区別して飾りましょう。
16号以上の台付仏壇は「傘幅のサイズ」に注目
16号以上の仏壇は、以下の表を参考に、ちょうどよいサイズの輪灯を選びましょう。仏壇の様式によっては、同じ号数でも適する輪灯のサイズが異なる場合があります。購入前に仏壇の内寸を測って、輪灯と合うかどうか確認しておきましょう。
仏壇サイズ | 輪灯サイズ |
16~20号 | 3.0寸 |
20~24号 | 3.5寸 |
24~28号 | 4.0寸 |
28~30号 | 4.5寸 |
30号~ | 5.0寸~ |
幅の他、輪灯を吊り下げたときに、輪灯の端が中卓に置いた花立と同じくらいか、2cmくらい高くなる長さを選びます。天井から土台部分までが長い京仏壇では、長鍵と呼ばれる長めのものが適します。台が高めの名古屋仏壇や、本体が短い仏壇には、中鍵サイズがおすすめです。
仕上げ方法で選ぶ
現在市販されている輪灯のほとんどは真鍮製ですが、仕上げ方法に様々な違いがあります。それぞれに見た目や手入れ方法が異なるので、特徴を確認しておきましょう。
真鍮本来の輝きが美しい「磨き仕上げ」
無垢の真鍮にクリア塗装などの表面処理をせず、磨いて光沢を出した仕上げ方法です。他の仕上げ方法に比べて、価格がリーズナブルであることが多いです。
真鍮本来の輝きがありますが、空気や水に触れると酸化して色が変化します。真鍮ならではの渋い風合いと言われますが、元の輝きを維持するには、定期的に金属用ポリッシュで磨く必要があります。
変色を抑えたい場合は、無垢の真鍮にガラス質のセラミックを塗膜したセラミック加工品がおすすめです。真鍮本来の輝きを維持したまま、表面の酸化を抑えるので、磨き直す手間が軽減できます。新品でない輪灯でも、仏具店に相談して、セラミック加工できる場合があります。
金色の輝きが長持ちする「金メッキ仕上げ」
磨いた無垢の真鍮に金メッキ処理を施した輪灯は、表面に傷がつきにくく、真鍮で見られる色のくすみや変色が起こりにくいです。手入れ方法が簡単で、やわらかい布で埃やすすを落とす程度でも、輝きを維持できます。メッキが剥がれるので、金属用ポリッシュは使用できません。
金メッキ仕上げの輪灯は、金ならではの豪華な輝きが特徴です。浄土真宗で多く見られる金仏壇に合わせやすく、仏壇をより華やかに見せて、極楽浄土を思い起こさせてくれます。
仏壇の色に合わせやすい「色付仕上げ」
無垢の真鍮に色付けし、クリア塗装を施した輪灯です。金色以外の色で、輝きが抑えられていることが多く、金仏壇以外の仏壇にも合わせやすいです。手入れする際は、メッキ仕上げと同じく、金属用ポリッシュは使用せず、やわらかい布で乾拭きします。
輪灯の人気おすすめ商品10選
輪灯のおすすめ商品比較一覧表
商品 | 画像 | 商品リンク | 特徴 | サイズ | 素材 |
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金メッキで輝きが長持ち |
3.0寸(幅10.3cm、笠径9cm、高さ36.6cm) |
真鍮製(金メッキ仕上げ) |
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唐木仏壇にも合わせやすい |
3.5寸(高さ39.5cm、幅10cm) |
真鍮製(色付仕上げ) |
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華やかな輪灯瓔珞 |
4.0寸(幅12cm) |
瓔珞はアルミ製、輪灯は真鍮製 金メッキ |
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火皿の菊模様がポイント |
3.5寸(幅10.3cm、笠径10.5cm、高さ38.2cm) |
真鍮製 |
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金メッキ仕上げで手入れが楽 |
3.0寸(笠径87mm、総長282mm、油皿径47mm) |
真鍮製(本金メッキ仕上げ) |
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個性的な平蓮輪灯 |
6.0寸 |
真鍮製(色付仕上げ) |
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繊細な下がり藤が際立つ |
3.5寸 |
真鍮製(磨き仕上げ) |
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細かい部分の装飾が丁寧 |
4.5寸 |
真鍮製(金メッキ仕上げ) |
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セラミック加工で変色を防ぐ |
3.0寸(笠径85mm、総長300mm) |
真鍮製(磨きフッ素加工仕上げ) |
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火皿の鶴の装飾が魅力 |
3.0寸(高さ31cm、幅10cm) |
真鍮製(磨き仕上げ) |
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輪灯の飾り方
実際に輪灯を飾る場合の手順や、手入れ方法を説明します。瓔珞と共に飾る方法についても、宗派別に紹介します。
基本的には一対で飾る
家庭の仏壇に輪灯を飾る場合は、基本的には左右一対で、仏壇の両脇に吊り下げます。お寺ではご本尊の前に飾ることが多いようです。仏壇の天井に吊り金具を取り付け、輪灯の重みで外れないか確認してから飾りましょう。
電気の無い時代は、火皿に油と灯心を設置して火を灯していましたが、現代では電気ライトを用いるのが一般的です。仏壇用LEDライトが市販されているので、必要な場合は、輪灯と共に準備しておきましょう。ライトは、朝夕のおつとめのときに点灯して使用します。
瓔珞と共に飾る場合
真宗大谷派では、輪灯の傘の上に、瓔珞を取り付けた輪灯瓔珞という形で装飾することがあります。輪灯に取り付ける瓔珞は、深傘瓔珞と呼ばれることもあり、傘からつるし飾りが下げられた構造です。輪灯瓔珞は、大型の仏壇で法要など特別な場において飾られます。
輪灯瓔珞を飾る場合は、仏壇の天井に取り付け金具を設置し、瓔珞、輪灯の順で吊り下げます。重量があるので、重みで外れないようしっかりと取り付ける必要があります。金具が取り付けにくい場合や、吊るす場所が分からないときは、最寄りの仏具店に施行を依頼しましょう。
真宗大谷派以外の宗派で瓔珞を飾る場合は、輪灯瓔珞ではなく、隅瓔珞という全宗派共通のものを用います。飾る場所は、輪灯よりも内側で、宮殿の屋根の両隅に吊るします。浄土真宗では輪灯を飾るため、隅瓔珞は省略する場合が多いようです。
輪灯のお手入れ方法
輪灯の普段のお手入れは、毛ばたきで埃を落とす程度でかまいません。光沢が落ちたり色のくすみが気になったりしたら、数か月に1度程度、分解して磨く作業が必要です。分解する前の状態を写真に撮っておくと、再度組み立てるときに分かりやすいでしょう。
磨くときは、やわらかい布で丁寧に拭き、表面に付着した埃などを落とします。金メッキ仕上げや色付仕上げの輪灯は、メッキが剥がれないよう、丁寧に扱いましょう。磨き仕上げの真鍮製輪灯は、金属用ポリッシュで磨くと、色のくすみや変色が解消されます。
輪灯は細かい部品が多く、埃や煤が溜まりやすいので、磨く作業が面倒に感じるかもしれません。しかし、浄土真宗では、輪灯など仏具を磨く作業を「おみがき」と呼び、仏様に感謝する大切な行事とされています。磨くときの破損が不安な場合は、仏具店に相談してみましょう。
まとめ
輪灯は浄土真宗でのみ使用される吊仏具の一つです。浄土真宗の中でも宗派によって、形状が異なるので、宗派に合ったものを選ぶ必要があります。華やかで装飾性の高い輪灯は、日常的に手入れして、きれいな状態を保ちましょう。
本サービス内で紹介しているランキング記事はAmazon・楽天・Yahoo!ショッピングなどECサイトの売れ筋ランキング(2021年02月28日)やレビューをもとに作成しております。
高岡銅器で有名な富山県高岡市産の、高品質な真宗大谷派用輪灯です。繊細な文様の合釣付きで、必要に応じて取り外して飾ることも可能です。
火皿には、真宗大谷派で仏具の装飾に用いられることの多い、鶴の飾りがついています。鶴の飾りの下には、別売りの仏壇用電装品を設置できる構造になっており、明かりを灯しておつとめできます。