【不動産売却にかかる費用完全マニュアル】費用の相場や税金も解説
2020/11/10 更新

目次
不動産売却に必要な費用を知っておこう
所有する不動産を思いきって処分する人も珍しくないでしょう。ただし、不動産売却に伴って、必要な費用があることはあまり知られていません。仲介手数料・印紙税・登記費用・解体費・引っ越し費用など、売却の前から意外と必要です。
不動産売却に必要な費用とは?
いったいどれくらいの費用が必要なのか、ここでは次に示す5つの費用について解説していきます。「仲介手数料」・「税金」・「登記費用」・「司法書士への報酬」・「その他の費用」の中身を簡単に紹介。
仲介手数料
仲介手数料は、売り主が売却を依頼する不動産会社に支払う費用のことです。売却が成立した時に。多くの場合、2回に分けて支払う必要があります。買主と売買契約を結んだ時と、物件を引き渡した時です。具体的な計算式は、後で説明します。
税金
不動産売却において支払わなければならない税金がいくつかあります。「印紙税」は、売買契約書に関するもの。「譲渡所得税」などは、不動産の売却益に対してです。詳しくは、後ほど解説していきます。
登記費用
そもそも(不動産)登記とは、土地と建物につきそれぞれ権利関係などを記したもののこと。不動産を売却する時は、所有権を飼い主に移転する「所有権移転登記」が必要です。登記に関する費用は、飼い主が負担します。
売却物件に住宅ローンが残っていた場合、売り主は「抵当権抹消登記」などの費用を負担しなければなりません。この場合、不動産の売却代金で住宅ローンを完済することになります。抵当権抹消登記するためには、司法書士の力が必要です。
司法書士への報酬
司法書士に依頼する場合、主な費用として「登録免許税」と「司法書士報酬」の2つが必要です。登録免許税は、不動産1筆につき1,000円の費用がかかります。分筆している場合は、その筆数だけ登録免許税が必要です。
これらに加え、事前調査費用・事後の謄本取得費用が必要になります。いずれも所有している不動産の数に応じて変化。ですから、最低でも3万円くらいは見ておきましょう。
その他の費用
売却に際して、思ってもいない費用がかかる場合もあります。廃棄物の処分費用(10~50万円くらい)・敷地の測量費(50~80万円くらい)・建物の解体費(100~300万円くらい)・ハウスクリーニング費(5万円~15万円くらい)の4つです。仮住まいする場合は、2回の引っ越し費用も必要になります。
売却する不動産に住宅ローンを利用しており、残債がある場合は注意しましょう。金融機関に対して一括繰り上げ返済する必要があります。繰り上げ返済の手数料は、窓口、電話、ネットなどで異なることが多いです。
仲介手数料について詳しく知っておこう
不動産会社に支払う仲介手数料ってどんなものか知っていますか。その意味や相場などについて紹介。また、売買が不成立でも仲介手数料が必要な場合についても紹介していきます。
仲介手数料は成功報酬
仲介手数料は、売却活動に対する成功報酬です。ただし、支払うのは買い手が見つかり売買契約を結んだ時。売主が媒介契約を結んで売却を依頼すると、不動産会社は土地の売却のためにいろんな活動を行います。物件サイト情報にアップしたり、購入検討者の物件見学に立ち会ったり。
仲介手数料の相場
売買価格によって仲介手数料の金額は異なります。売買価格が400万円を超える場合、仲介手数料は以下の計算式を覚えておくと便利です。仲介手数料は、「(売買価格×0.03+6万円)×1.1」で求められます。
ですから、仮に1,000万円で売れたとしましょう。すると、仲介手数料は、39万6,000円です。計算は「(30万円+6万円)×1.1」で求められます。
実は仲介手数料の金額は、宅地建物取引業法で次のように定められています。売買価格が400万円を下回るものについては、以下の表で確かめてください。なお2018年1月1日より400万円以下の不動産について、売り主側の仲介手数料が最大で18万円となりました。
仲介手数料の上限額
売買価格 | 仲介手数料(税込) |
200万円以下の場合 |
(売却価格×5%)×1.1 |
200万円を超え400万円以下 | (売却価格×4%+2万円)×1.1 |
400万円を超える場合 | (売却価格×3%+6万円)×1.1 |
仲介手数料の早見表
売却価格 | 仲介手数料(税込) |
100万円 | 55,000円 |
400万円 | 180,000円 |
2,000万円 | 726,000円 |
仲介手数料は安くできる?
仲介手数料を安くすることはできます。それはタイミングを見逃さないことです。では、どのタイミングで行えばいいのでしょうか。それは媒介契約を結ぶ前です。
媒介契約には、「専属専任媒介契約」・「専任媒介契約」・「一般媒介契約」の3種があります。一般媒介契約以外は、1社としか媒介契約を結ぶことはできません。不動産会社からすれば、ライバルは少ない方がいいです。ですから、媒介契約を結ぶ前に、専任媒介契約の話を持ち出せば、値引きされる可能性はあります。
売買が成立しなくても仲介手数料が必要な場合
売買が不成立でも仲介手数料が必要な場合が2つあります。1つ目は、手付解除を行った場合です。売買契約の後、手付解除期日(通常30日間)までは、原則理由を問わず、次のことを行って買い主は契約を解除することができます。
飼い主は手付金を放棄し、売り主は手付金を返します。また、手付金と同額を飼い主に支払って、契約の解除が成立。売買は成立していませんが、仲介手数料を支払う必要があります。
2つ目は、売買代金の未払いなど契約違反の場合です。この場合、相手方が損害賠償の請求を行い、催告しても履行されないと契約を解除できます。売買には至っていませんが、仲介手数料が必要です。
不動産売却に必要な税金とは?
売却がうまくいったからといって安心してはいられません。なぜなら支払わなければいけない税金があるからです。ここでは、8つの税金について解説していきます。
印紙税
印紙税は、売買契約書に貼付する印紙のこと。決められた金額の印紙を貼り、消印することで納税したと見なされます。売買契約書に貼る印紙の金額は、物件の売買価格によって以下の表の通りです。2022年3月31日まで税額の軽減措置が採られています。
売買契約書は、売主保管用と買主保管用の2通が作成されます。印紙税も2通分必要です。通常、売主と買主それぞれが1通分ずつ負担します。ちなみに、不動産会社と締結する媒介契約書には印紙税はかかりません。
記載された契約金額 | 税額 |
100万円を超え500万円以下 | 1,000円 |
500万円を超え1,000万円以下 | 5,000円 |
1,000万円を超え5,000万円以下 | 1万円 |
5,000万円を超え1億円以下 | 3万円 |
1億円を超え5億円以下 | 6万円 |
登録免許税
登録免許税は、不動産売却時に物件の所有者が変わる際に登記に必要な税金のこと。「所有権移転登記」と「抵当権抹消登記」の2つから成ります。所有権移転登記は所有権の名義を変更するためのもの。抵当権抹消登記は抵当権の記載を削除するために行います。
所有権移転登記は、買い主が負担することが一般的です。抵当権抹消登記については、売り主が負担することになります。抵当権抹消登記にかかる登録免許税は、「不動産の総数×1,000円」を収入印紙で納付。土地と建物は別々に数えられます。
譲渡所得税・住民税・復興特別所得税
譲渡所得税・住民税・復興特別所得税は、不動産の売却益に対して支払う税金のことです。税率は、次の表で確かめてください。それぞれの税の内容については、個別に説明します。
土地や建物の譲渡所得は、給与などの所得とは別に税額の計算を行います。そのため、このような課税方法を「分離課税」と呼びます。
譲渡取得の種類 | 所有期間 | 所得税 | 住民税 | 復興特別所得税 |
短期譲渡取得 | 5年以下 | 30% | 9% | 2.1% |
長期譲渡取得 | 5年を超える | 15% | 5% | 2.1% |
譲渡所得税
譲渡所得税は、土地や建物の売却によって得られた所得に対して課される税金のこと。この税金は、他の所得と分けて計算します。ただし、適用される税率は2つ。長期譲渡所得か短期譲渡所得かによって異なります。
基準は、売却した土地や建物の所有期間が、売った年の1月1日時点で5年を超えるかどうかです。分離課税の譲渡取得の課税対象には、土地、借地権や耕作権などの土地の上に関わる権利を含みます。また、海外に所在する土地や建物も対象。
住民税
住民税は、「道府県民税」と「市町村民税」の2つを総称したもの。都道府県や市区町村が行政を進めていくために必要な経費を分担して払います。つまり、教育や福祉、行政サービスの充実のために使われているのです。
復興特別所得税
復興特別所得税は、東日本震災からの復興を目的とした財源確保のため国に治める税金のこと。納税者すべてが払わなければならない税金です。不動産の売却益から算出された所得税(2013年から2037年まで)を課税標準として復興特別所得税2.1%分が加算されます。
不動産売却に必要なその他の費用を知っておこう
売却する前の準備段階において、実はいろんな費用がかかります。ここで紹介する5つの費用の一部は、すべての人に当てはまるわけではありません。しかし、予備知識として覚えておくと便利です。
ローン返済にかかる費用
売却する不動産に住宅ローンの残債がある場合、売却するまでに完済しておかなければなりません。つまり、借入先の金融機関に対して一括で繰り上げ返済するのです。手続きを行うにあたって、手数料が発生します。銀行窓口や電話、ウェブ上でと形態はいろいろです。
引っ越し費用
マイホームを売却する場合、新居へ引っ越さなければなりません。4~5人家族であれば15~20万円くらいの費用を考えておく必要があります。もちろん運ぶ荷物の量や移動距離によっても変わってきます。
売却後に新居の購入を考えている場合は、注意が必要です。仮住まいへの引っ越し費用と、仮住まいから新居への引っ越し費用で、2回の費用がかかります。
リフォーム・ハウスクリーニング費用
売却する物件の状態によっては、手を加える必要があります。特にフローリングやキッチン、お風呂など。フローリングのリフォームくらいであれば、それほど費用はかかりません。しかし、キッチンやお風呂のリフォームなら100万円くらいの費用が必要です。
場合によっては、買い手がリフォームした方がいい場合もあります。そのためハウスクリーニング程度にしておきましょう。内容によっても異なりますが、費用は5~20万円くらいが相場です。
解体費用
古い戸建ての場合、建物を解体して土地のみで売却することもできます。日本においては、新築住宅の需要が高く、中古住宅はあまり好まれません。新築住宅用地として売却を考えているのなら、解体をした方が売れやすいと言えます。
解体費用の相場は、建物の構造によって違います。木造住宅の場合、坪当たり3~4万円です。鉄骨住宅なら坪当たり4~5万円、RC住宅であれば坪当たり5~6万円くらいを見込んでおくといいでしょう。
必要書類の取得費用
不動産を売却するには必要な書類があります。「固定資産税納税通知書」および「固定資産税評価証明書」、「境界確認書」、「登記簿謄本」または「登記事項証明書」などです。再発行する場合は、数百円程度の手数料が発生します。
不動産売却で戻ってくる費用
意外に思われるかもしれませんが、不動産を売却することで戻ってくる費用があります。以下に示す6つの費用が該当。売却する不動産によっては、該当しないかもしれません。
固定資産税・都市計画税
固定資産税や都市計画税は、毎年1月1日に不動産の所有者へ課されます。不動産を売却した場合、売却後の税金については日割りで計算を行い、買い主から請求することが可能です。
住宅ローン保証料
住宅ローンにおける保証料とは、「保証」を受けるために保証会社に対して支払う費用。住宅ローンの多くは、借り入れの際の「指定の保証会社の保証を受けること」が必要です。借入時に払った保証料は、不動産売却に伴って抵当権が抹消されるため、銀行から返却してもらえます。
火災保険料
もしもの時のために火災保険に入っているお宅がほとんどでしょう。当該不動産を売却したら、この保険は途中解約です。この場合、未経過分の保険料が戻ります。また、長期にわたり一括でかけている場合、残りの年数分の保険料が返却されることに。
いずれの場合も自分で保険会社に返還を求める手続きを行う必要があります。何もせずにいると、保険料は戻ってきません。引き渡し日が決まったら、忘れずに行いましょう。
マンション管理費・修繕積立金
管理費とは、マンションの日常を維持していくために必要な経費です。修繕積立金は経年劣化に伴い、修理が必要な箇所の工事費用として使われます。マンションを売却する際、管理会社に前払いした、これらの費用を日割りで計算を行い、買い主に返却してもらうことが可能です。
不動産売却の費用を節約する方法
できれば必要経費を抑えて少しでも売却益を増やしたいものですね。確定申告を行えば、次に示す5つの中の該当する控除を受けることができるかもしれません。ぜひチェックしてみてください。
不動産を売却したら必ず確定申告をする
不動産を売却した際に得られる所得を「譲渡所得」と呼びます。売却した価格から譲渡にかかった費用を差し引いたものです。その結果、利益が出ることも、利益が出ないこともあります。いずれの場合も確定申告をすることで、大きなメリットを得ることが可能です。
利益が出る時に活用できる控除は、「特別控除」・「所有期間10年超の軽減税率の特例」・です。逆に、利益が出ない時に使える控除は、「特定住居財産の買い替え特例」・「損益通算」というもの。「長期保有土地の1,000万円特別控除」は、特殊な場合に限られます。
特別控除を利用する
特別控除は、不動産の売却益に対して支払う譲渡所得税を控除できる制度です。利用すれば、最大で3,000万円までが控除されます。つまり、譲渡所得税が軽減されたり、または、譲渡所得税が課税されなかったりするのです。
ただし、これを適用するためにはいくつか条件があります。所有する物件が以下の項目を満たすかどうか確かめてみてください。
譲渡所得税を控除できる条件
1. | 長期・短期所有物件を問わない |
2. | 本人が居住するための建物であること |
3. | 居住するための物件が2つ以上ある場合は、生活の拠点となる建物 |
4. | 一時的な仮住まいではないこと・別荘などではないこと |
5. | 3,000万円控除を受けるために入居した建物ではないこと |
6. | 建物を含めた譲渡であること |
7. | 譲渡する相手が配偶者・直系血族・同族会社ではないこと |
8. | 居住しなくなった日から3年目を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡 |
9. | 売却した年の1年前・2年前に居住用3,000万円の特別控除を受けていないこと |
10. | 譲渡した年の翌年3月15日までに確定申告をすること |
長期保有土地の1,000万円特別控除
1,000万円特別控除とは、以下の期間内で取得した土地などを将来、譲渡する際、1,000万円まで所得控除を受けることができるというもの。1,000万円特別控除を受けるための条件は以下の通りです。
1. | 平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に取得した土地などであること |
2. | 平成21年に取得した土地などは平成27年以降に譲渡すること、また、平成22年に取得した土地などは平成28年以降に譲渡すること |
3. | 親子や夫婦など特別な間柄にある者から取得した土地等ではないこと |
4. | 相続、遺贈、贈与、交換、代物弁済及び所有権移転外リース取引により取得した土地などではないこと |
5. | 譲渡した土地などについて、収用などの場合の特別控除や事業用資産を買い換えた場合の課税の繰延べなど他の譲渡所得の特例を受けないこと |
所有期間10年超の軽減税率の特例
「所有期間10年超の軽減税率の特例」とは、その家を10年以上所有していた場合、所得税と住民税が安くなる制度です。先に挙げた、特別控除との併用ができます。以下の表に示すように、6,000万円を境に税率が異なりますので確認してください。
所得税 | 住民税 | 復興特別所得税 | |
6,000万円以下の部分 | 10.21% | 4% | 2.1% |
6,000万円を超す部分 | 15.315% | 5% | 2.1% |
特定居住用財産の買い替え特例
買い替え特例は、不動産を売却し、居住用不動産を購入した場合に活用できる制度のこと。一定の条件を満たすことで、譲渡利益への課税が「繰り延べ」できます。あくまでも繰り延べというところがポイントです。
買い替えた家を譲渡した際、このときの譲渡利益にまとめて課税されます。また、特別控除との併用はできません。この特例を利用するにあたり、次の条件を満たしておきましょう。
1. |
新たに取得する住宅は築年数25年以内、または耐震住宅 |
2. | 床面積が50平方メートル以上であること |
3. |
売却する年の前年から翌年までの3年の間に、新たな不動産を取得すること |
4. | 新たに取得する土地の面積が500平方メートル以下であること |
5. | 一定期間の居住を満たしていること |
6. | 2021年12月31日までの居住用財産の譲渡であること |
損益通算
損益通算を使えるのは、住み替えのために物件を売却し、売却益が購入金額よりも下回った場合。売却益の損失をその年の給与所得や事業所得から控除することが可能です。控除しきれなかった時は、翌年以降、3年以内に繰り越して控除できます。損益通算の控除を使える条件は、以下の通りです。
1. | 居住用に使っていた土地や建物であること |
2. | 居住しなくなってから3年以内であること |
3. | 譲渡した年の1月1日から所有期間が5年以上であること |
4. | 譲渡した年の前年1月1日から売却した年の翌年12月31日までの間にある資産であること |
5. | 家屋の床面積が50平方メートル以上のものを購入すること |
6. | 買い替え物件に10年以上の住宅ローンが残っていること |
7. | 新しく取得した家屋が贈与・代物弁済ではないこと |
不動産の売却時に控除を受ける前に注意すること
売却時に控除を受けると、その後に家を買う際、ある控除を受けられません。ですから、どちらの控除を受けた方がメリットが大きいかを見極める必要があります。慎重に考えてから動きましょう。
特別控除を受けると失ってしまうもの
これは現住居を売却し、新たな新居を購入する場合、次のことに注意してください。特別控除は、所有期間10年超の軽減税率の特例と併用することが可能です。ただし、売却した後に住宅を購入する際、住宅ローンの適用を受けられません。
住宅ローン控除は、10年間住宅ローンの年末残高の1%を所得税と住民税から控除を受けられるというもの。一定の要件を満たし、住宅ローンを利用して不動産を購入した際に適用されます。
不動産売却の流れを頭に入れておこう
不動産の売却は、次の6つの過程を経て行われます。後に示すのは、それぞれの流れについて解説の解説です。
1. 「複数の不動産会社で査定して資産価値を知る」
2. 「不動産会社と媒介契約」
3. 「売却活動」
4. 「売買契約の締結」
5. 「契約後の手続き」
6. 「引き渡し」
複数の不動産会社で査定をして資産価値を知る
所有の資産を売却したいと考えていても、その価値が分からないことには話を進めることができません。そこでまずは、所有する資産の価値を知ることです。そのために、いくつかの不動産会社に資産の査定を行ってもらいましょう。そうすれば、だいたいの資産価値を把握できます。同時に、売却時に必要な費用についても具体的に知ることが可能です。
不動産会社と媒介契約
不動産会社から周辺の取引事例や路線価・公示価格などのデータなどの説明をしっかりと受けましょう。また、売り主の要望に沿いながら、どのような売却活動を行っていくのかについても確認してください。これらを行ってから、不動産会社と媒介契約を結びます。
売却活動
媒介契約を終えると、所有の不動産は商品という位置付けです。魅力的に見えるように整理整頓などを行っておいた方がいいでしょう。それからウェブや紙媒体を通じて本格的な情報が発信。もちろん、所有する不動産の見学会も行われます。
売買契約の締結
購入希望者が現れたら購入申込書を受け取ります。売り手と買い手の双方で価格や引き渡し時期などの条件を折り合いがつくように調整。そこで双方が合意に至ったら、売買契約に写ります。契約を結ぶにあたり必要な書類がありますので、事前に確認しておきましょう。
契約後の手続き
ローンが残っている場合は、引き渡し日までに完済しておきましょう。また、抵当権抹消登記や公共料金の清算を済ませておく必要があります。買い主にしっかりと引き渡せる状態にしておいてください。
引き渡し
契約に際して合意した内容で、所有する不動産の引き渡しを行います。引き渡しの前に、不動産の最終確認を行いましょう。代金を受領する際に、カギを渡すことで、売却の手続きは完了です。
不動産を早く高く売却するコツ
売却のタイミングを見極める
あまり知られていませんが、不動産の売却にも適切な時期が存在します。それは2~3月頃の引っ越しのシーズンです。この期間であれば、高めに売り出し価格を設定しても売れる場合があります。逆に、閑散期の8月などでは高く売ろうと思っても難しいです。
査定は必ず複数の不動産会社で比較
不動産の売却を希望する際、まず不動産業者に査定してもらいます。その査定価格をもとに、少し上乗せした金額を売り出し価格が決定。仮に査定を1社のみで行った場合、査定価格が適正かどうか判断できません。
一括査定サイトなどを利用して、4~6社の査定を取るといいでしょう。複数の業者から査定を取ると、だいたいの相場が分かるからです。不動産の査定額には幅があることも珍しくありません。大きな場合は1,000万円くらいの開きがあることも。
不動産会社との媒介契約を検討する
まずは、媒介契約の種類を確認しましょう。「一般媒介契約」・「専属専任媒介契約」・「専任媒介契約」の3つです。以下の表にそれぞれの契約の特徴を示します。
媒介契約種別 | 複数社との契約 | 自己発見取引 | 売却活動の報告 |
一般媒介契約 | できる | できる | 無制限 |
専属専任媒介契約 | できない | できない | 3ヶ月 |
専任媒介契約 | できない | できる | 3ヶ月 |
最も自由度が高いのは、一般媒介契約です。複数の不動産会社に依頼できるだけではなく、自身で飼い主を探すこともできます。あれこれと迷って決められない場合は、こちらをおすすめします。逆に、心に決めた会社があるのなら専任媒介契約がおすすめです。
不動産売却の心得
不動産の売却は、所有する不動産を売り、お金をもらって終わりではありません。想像以上の複雑な手続きが必要です。売却をする前に必要な費用、売却後に支払う税金、売却益に対して受けられる控除の種類などを再度、確認しておきましょう。予備知識を蓄えてから不動産売却活動に取り組むことをおすすめします。
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