乳幼児がかかりやすいRSウイルス。体力のない高齢者が施設内で集団感染したという報告も。普段の生活の中で移りやすいウイルスのため、家族も注意が必要です。

インフルエンザと重なる11〜1月がピーク


RSウイルスは世界中に分布しているウイルスで、何度も感染と発病を繰り返すもの。感染すると、呼吸器系に症状を起こします。生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の子供が1度は感染し、初感染の場合は特に重篤な症状に陥りやすいと言われています。

生後数週間から数カ月の間に初感染した場合は、細気管支炎、肺炎などを起こす場合も。乳幼児の肺炎の50%、細気管支炎の50~90%を占め、年長の子供でも気管支炎の10~30%にこのウイルスが関与しています。年長児や成人に再感染は見られますが、重症化はあまりしません。

RSウイルスの症状には、軽い風邪症状から重い肺炎までさまざま。鼻汁や咳に続き「ぜいぜい」した呼吸をしている場合は、RSウイルスが疑われます。
発症の中心は0歳児と1歳児。中でも低出生体重児や心肺系の基礎疾患がある赤ちゃん、免疫不全がある場合には、重症化のリスクが高くなります。特に1歳以下では、突然死につながる無呼吸が起こりやすいため、注意が必要です。
また、高齢者も急性でたびたび重症の下気道疾患を起こすことが。長期療養施設内での集団発生も報告されています。免疫不全者による院内感染事例では、症状が重篤になるにも関わらず、ある程度蔓延するまで診断がつかないことが多く、対策が難しいものです。

家庭でできる感染対策


RSウイルスは、飛沫感染と接触感染により写ります。家庭内で感染しやすいので、赤ちゃんのいる家族は細心の注意を払う必要があります。

◯手洗いをこまめに行う
RSウイルスは感染力が強く、おもちゃなどについてから4~7時間は感染力を保っているそう。外出後はもちろん、調理や食事の前、鼻をかんだ後などは、石鹸で丁寧に手を洗いましょう。

◯人混みを避ける
流行期の11~1月は、赤ちゃんを連れて人混みへ行くのは避けましょう。また、家族が繁華街など人混みに出掛けた場合は、必ず手洗いやうがいを徹底するように。

◯こまめに消毒を
目や鼻、口の粘膜からも感染します。赤ちゃんはなんでも口に入れたがるので、家族で風邪をひいている人がいる場合は、おもちゃなどをアルコールスプレーでこまめに消毒しましょう。

◯家族が風邪をひいたら要注意!
成人もRSウイルスに感染しますが、その場合は軽い風邪ですみます。知らずに赤ちゃんに移さないように、家族が風邪をひいている場合は、必ずマスクをつけて、唾液や鼻水が周囲に飛び散らないよう注意しましょう。

特効薬はなく対処療法のみ


RSウイルスに感染した場合、ウイルスの潜伏期間は2~8日とされています。はじめは、発熱、鼻汁などの上気道炎症状が数日続き、その後下気道症状が。初期症状として発熱が見られますが、入院時には38度以下になるか、下がっていることも多くあります。咳も起こりますが、下気道疾患に進み、細気管支炎と肺炎、陥没呼吸や呼吸困難に。

残念ながら特効薬はなく、対処療法がメインの治療になります。予防には、パリビズマブという製剤を流行期の間、1回15mgを1カ月ごとに筋肉注射することで効果が期待できるとされています。ただ、2001年に承認された比較的新しい薬のため、医師と相談しながら慎重に利用することが必要です。

赤ちゃんや高齢者がいる家庭は、家族ぐるみで予防を徹底するのが有効。協力しあって、乗り切りましょう。

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