臨時兼任をのぞけば、初代の 伊藤博文から数えて59人が就任している 内閣総理大臣。かつては、 桂太郎や伊藤博文、4期連続で務めた《吉田茂》など通算在職年数が7年を超える人物もいましたが、「最近の総理大臣はみな就任期間が短い」という印象を抱いている人は多いのではないでしょうか? 実際に近年の総理大臣の在職期間がおしなべて短いということはありませんが、平成に入ってからは、1年にも満たない短期間で辞めてしまう人物が目立つのも確か。「どんな人だったかな?」と印象が薄くなってしまうのはしかたがないですよね。

 そんな近年の総理大臣の中で最も多くの人々が「印象に残っている」と挙げたのが、戦後3番目となる1,980日の在職期間(3期連続)を誇る《小泉純一郎》。「 私が自民党をぶっ壊します!」をスローガンに派手なパフォーマンスを繰り広げた選挙戦が人々に強烈な印象を残したのはご存じのとおり。就任後も、メディアから「 小泉劇場」と称された劇場型の政治手法によって 郵政民営化を実現させました。

 2位は、「まぁ〜この〜」という独特な話し方が印象的だった《田中角榮》。100以上の議員立法を成立させ、 日中国交正常化を実現したパワフルな政治手腕とアクの強いキャラクターで、善きにつけあしきにつけ国民の注目を集めていた人物です。彼は、首相退任後の1976年にいわゆる「 ロッキード事件」の当事者として逮捕されましたが、その後も第一線で活躍。1985年に脳こうそくで倒れるまで自民党最大派閥の実質的なトップとして大きな影響力を持っていました。

 3位は、衆議院での連続当選20回を誇り、歴代4位の長期政権を築き上げた《中曾根康弘》。 教育基本法の見直しや、 日本電信電話公社をはじめとする 三公社の民営化を推し進めたことで知られていますが、彼を語る上で欠かせないエピソードと言えば、互いを「ロン」、「ヤス」と呼び合った第40代アメリカ大統領、 ロナルド・レーガンとの関係。これはもともとフランクな性格のレーガンが提案してはじまったものとされていますが、首脳同士がファーストネームを略して気安く呼び合う姿は過去に例がなく、当時の人々に大きなインパクトを与えました。

 《小泉純一郎》の後を受けた人物が任期をまっとうしないまま立て続けに辞任したこともあり、ますます民衆の関心を失いつつある総理大臣という存在——。「今の総理大臣って誰がやってるの?」などと皮肉を言われないためにも、現職の総理大臣には人々の記憶に残るような強烈なリーダーシップを発揮してもらいたいものですね。