古来より生き物にとって「はがす」という行為は、「切る」や「たたく」とは違う、特別な意味を持った行為であるように思えます。「見るとついはがしたくなるもの」を聞いた今回のランキングでは、ひと目見た瞬間からムズムズと指先が動き始めるようなものばかりがランク・インました。

 漢字で 「瘡蓋」と書く1位の《かさぶた》は、文字どおり「瘡(かさ=傷)」に「蓋(ふた)」をするもの。もともとは傷口を体がふさごうとする過程で、 止血栓形成物を含む血が体外で凝固したものです。ゴワゴワとした見た目からついつい「はがしちゃおうかな……」と考えがちですが、形成されつつある新しい細胞を傷つけることになるのではがすのは厳禁。グッとこらえて完治の時を待ちましょう。ちなみに、日本でも数年前から注目されている 「湿潤療法(うるおい療法)」では、消毒薬やガーゼを使わず傷口を湿潤状態に保つことを目的としているため、《かさぶた》にお目にかかることはありません。続く2位には《ささくれ》、3位には《日焼けの後の皮膚》と、3位までは体に関するものが占めました。

 4位の《携帯電話の液晶保護フィルム》や《リモコンのビニール》、《新車の席のビニール》など、出荷時に商品を保護する目的で付けられているものも「はがしたい!」と思う人が多いようです。つけっぱなしでいれば確かに汚れることはありませんが、使っていくうちにどうしても一部が破れたりめくれたりするもの。「そんな中途半端な状態でいるくらいならいっそ……」と思うのは致し方ないところ。クルマの本革シートなどはビニールをつけたままだと素材の質感を楽しむこともできませんし、見た目にも貧相ですよね。このほか、《正価がチラッとのぞいて見える値札の割引シール》や《印刷物に貼ってある「訂正」シール》のように、その裏側に秘密(?)が隠されているものも上位に入りました。

 ちなみに上位にランク・インしたのは、その多くが「はがさない方が良い」とされているものでした。例えば6位の《みかんの白いすじ》は、便秘に効果がある食物繊維の ペクチンを豊富に含んでいたり、毛細血管を強化する ヘスペリジンを身よりも多く含んでいたりと良いことずくめ。はがしてしまうなんてもったいない限りですよね。もしはがしたくなったときは、《ペットボトルのラベル》などの「はがしてもかまわない」ものを身近において我慢しましょう。