「漫画の神様」と呼ばれ、今も幅広い世代から愛されている漫画家・手塚治虫。1989年に60歳でこの世を去った彼が『鉄腕アトム』や『ジャングル大帝』など数々のヒット作を世に送り出してきたのは皆さんもご存じのとおりですが、忘れてはならないのが、医療漫画の元祖とも言われる『ブラック・ジャック』です。


 全身に大きな傷を持つ無免許医のブラック・ジャックが、天才的な技術を駆使して治療が困難な怪我や難病に挑む本作。骨太の人間ドラマとして手塚作品の中でも非常に高い評価を得ていますが、そんな作品に登場する人物のセリフの中で最も読者の心に響いたのは、幼少時にブラック・ジャックの命を救った医者・本間丈太郎の《人間が生きものの生き死にを自由にしようなんて、おこがましいとは思わんかね…》。彼のセリフは3位にも《医者は人をなおすんじゃない 人をなおす手伝いをするだけだ なおすのは・・・本人なんだ 本人の気力なんだぞ!》がランク・インしていますが、医学の本質を問うかのような重みのあるセリフは、「さすがはブラック・ジャックの心の師」と言いたくなってしまいます。ブラック・ジャック自身のセリフとしては、2位に《医者は人のからだはなおせても…ゆがんだ心の底まではなおせん》がランク・インしていますが、こちらのセリフにも師と仰ぐ本間の影響が色濃く表れているように感じるのは気のせいでしょうか。

 ブラック・ジャックの人となりをよく表しているセリフとしては、4位の《…私はね そんな五千万円より、あなたが心をこめておごってくれるラーメンの方が満足でしてね》も見逃せないところです。作中では周囲から依頼者に法外な治療費をする悪徳医師として扱われることが多いですが、実際には無償で手術を引き受けたり、手術料を返金したりするエピソードも少なくありません。ブラック・ジャックが高額な治療費を請求するのは、「患者がどれだけ本気で生に向き合おうとしているかを確認するため」と言われていますが、このセリフからは、そんな彼の考えがうかがえるのではないでしょうか?

調査方法:NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(株)提供の「gooリサーチ」モニターに対してアンケートを行い、その結果を集計したものです。
調査期間:2013/1/9〜2013/1/10
有効回答者数:1,072名