「編集者のオススメ本」と聞けば、多くの本好きが「知りたい!」と反応してしまうのでは? 今回gooランキングでは、いま話題の歴史&時代小説を「おもしろい順」に教えて欲しいと、新潮文庫に突撃取材を実施。その結果、物故作家に限る、順位は生年順という条件付きで編集者の選ぶ「おもしろい歴史&時代小説」を教えてもらうことができました。


■1位 島崎藤村『夜明け前』
文学の神は細部に宿るといいますが、細部を描いて深遠な本質に迫るというのが名作の要件です。木曽は馬籠の本陣主人の波瀾の生涯を軸に激動の維新そのものを、そして日本人の本質までをも射貫いています。空前絶後の傑作です。

■2位 海音寺潮五郎『西郷と大久保』
感情豊かで人望のある西郷、頭脳明晰で怜悧冷徹の大久保。この正反対の二人がどのように薩摩藩を動かし、維新に突入していったのか。変革には二人も天才が必要なのかと慨嘆させられます。

■3位 山本周五郎『日日平安』
「小説の神様」と称されたのは志賀直哉ですが、大衆文学系の編集者筋では山本周五郎こそが神様なのではないかと囁かれています。その神様の珠玉の作品集です。映画「椿三十郎」の原作である表題作はもとより、安政の大獄で死を命じられた適塾出身の俊英、橋本左内の最後を描く「城中の霜」を是非。よーく深読みしてください。凄いことが見えてきます。

 こんなにスゴイ本があったのか…とあらためて感心させられるラインナップとなった今回のランキング。取り上げられた本ももちろんですが、新潮社スゴ腕編集マンの紹介コメントも一読の価値ありです。ぜひ6位以降もご覧下さい。寒くて家にこもることの多くなってくるこれからの季節は、ランキングを参考に、名作に挑んでみてはいかがでしょうか。

このランキングを作成した人:新潮文庫編集部 大黒屋佐吉(だいこくや・さきち)さん
※各項目に関する解説はすべて、大黒屋佐吉さんによるものです