実写と見間違うような美しいグラフィックにフルオーケストラで収録された壮大なBGM——。ゲーム機の性能が劇的に進化したのに伴い、近年はゲームそのものも目を見張るようなスピードで進化を続けています。しかし、こうした最新のゲームだけでなく、大人たちが子どもの頃に夢中で遊んだチープなグラフィックと音楽のレトロゲームを復刻した作品も、今ひそかに人気を集めています。

 レトロゲームには、当時その作品を遊んだ人たちそれぞれに「思い入れ」があるものです。それゆえに、復刻版を買い求める大人たちのこだわりというはかなりのもの。そんなこだわりを持つ人々が最も許せないと感じているのは、《グラフィックが今風の物に変えられている》事です。そもそもレトロゲームを購入する人の多くは、「昔を懐かしみながら遊びたい」というのが最大の目的。いざゲームを立ち上げてみたら、自分の記憶とは似ても似つかないものが始まったら、悲しくなってしまうのは無理もありません。
 もちろん、メーカー側も購入者側の思いを知らないわけがありませんが、「そのまま再現しただけでは意味がない」、「付加価値によって新規の購入者にも楽しく遊んでもらいたい」と考えるのは当然の話。難易度を調整したり、プログラムに問題があった部分を修正したりと今の時代に合わせたアレンジを加えてきます。こうしたメーカー側の対応に《削られたイベントがある》、《難易度が調整されている》と不満を感じるユーザーの気持ちも理解できるだけに、復刻版の制作というのは、我々が考える以上にメーカーにとって敷居が高いものなのかもしれません。

 こうした問題を解決する策としては、アレンジ版と同時にオリジナル版を収録してパッケージを販売する、オンラインで欲しい人だけが安価にオリジナル版だけをダウンロード購入できるようにするなどが考えられます。しかし、一部の作品では《版権問題でキャラクターの絵や名前が変わっている》、遊ぶハードが当時と違うために《当時の音源が再現されていない》などの対応不可能な問題も残されており、メーカーと購入者のどちらも幸せになれる絶対的な策というのは、なかなか見つけるのが難しそうですね。