一般的に、「さえない」という言葉の意味はお世辞にも良いものではありません。しかし映画やドラマの世界においては、時としてこの「さえない」が1つの個性——セールスポイントになる事もあります。特に近年は「さえないおじさん」役を演じる個性派俳優にスポットが当てられる機会も増え、一定のファン層を獲得しているほどです。

 そんな「さえないおじさん」を演じさせたらピカイチと評されているのが、「ぬっくん」の愛称で若い世代からも支持されている《温水洋一》です。1964年生まれの今年47歳。その独特の風ぼうと舞台で鍛えた確かな演技力で一度見たら忘れられない印象的な脇役として注目を集め、今ではドラマ・映画はもちろん、バラエティーにも引っ張りだこです。今回のランキングで2位以下を圧倒的なポイント差で引き離している事からも、いかに彼が多くの人に愛されている存在なのかが分かりますよね。
 この「ぬっくん」に次ぐ人気を集めているのが、大ベテランの《田山涼成》。子役として1960年代から演技の道に入り、野田秀樹率いる劇団「夢の遊眠社」で活躍。さえないおじさん役から悪役までこなす演技の幅の広さを持っています。最近では『ぐるぐるナインティナイン』の人気コーナー「ゴチになります!12」のレギュラーとしてもおなじみですよね。

 「さえない」というには少々くせの強いキャラクターなのが、中村雅俊の付き人という異色の経歴を持つ《小日向文世》。《温水洋一》や《田山涼成》同様に長く舞台を中心に活躍し、ドラマ『HERO』で世間の注目を浴びる事となりました。近年は脇役にとどまらず、映画・ドラマなどで主役を演じる事もありますが、一見さえない——しかし何か含みのありそうな怪しいおじさん役を演じさせたら、彼の右に出る者はいないのではないでしょうか。