社会経済システムの諸課題や生産性に関する調査・研究、情報収集などを行う内閣府行政庁の特例財団法人「日本生産性本部」。その活動の一つに、学校や企業の採用担当者の協力を得て毎年4月に就職する新入社員の特徴をタイプ別に分類し、話題になった言葉にかけて命名する調査研究があるのをご存じでしょうか。

 今年4月の新入社員に命名されたのは、その名もズバリ《ETC型(平成22年度)》。効率性を重視するため、直接的なコミュニケーションが不足する場面もある新入社員を、有料道路で係員がいなくても料金所で精算できる「ETC(電子料金収受)」にかけて命名しています。ちなみに昨年は、節約志向で無駄を嫌う傾向にかけた《エコバッグ型(平成21年度)》と命名されています。最近の新人は比較的おとなしい性格の持ち主が多いのかも?

 《デイトレーダー型(平成19年度)》は、売り手市場で早期転職が予想される新入社員を、安定株主になりにくいデイトレーダーの特徴にかけたものですね。この命名が行われた年に独立行政法人「労働政策研究・研修機構」が発表した「若年層の職場定着にかかわる調査」では、離職理由の質問に対して「給与に不満」がトップ。これまで転職したいと思ったことがあるかという質問に対して約4人に1人が「しばしばある」と回答しており、データでもみごとに裏付けされています。

 時代の急激な変化を感じずにはいられないのが、1989年に発表された《液晶テレビ型(平成元年度)》という命名。当時技術的に成熟しておらず、非常に高価だった液晶テレビを「反応は早くても値段が高く不鮮明。しかし可能性は大きい」として若い新入社員にかけた命名です。当時の新入社員も現在は管理職のポストに就くような年齢になっているはずですが、はたして市場で大きな成長を遂げた液晶テレビのように花開いているのでしょうか?