日本人に限った話ではないかもしれませんが、人は難しい言葉や長い言葉をついつい略語にして使ってしまうもの。中でも海外に由来する(もしくは海外由来の言葉を含む)言葉は略語になることが多いですが、こうした略語の中には、もともとの呼び方がどんなものだったか知られていないものもあるようです。

 最も多くの人がもとの呼び方を知らなかったのは、《ハイデフ》でした。《ハイデフ》は「High Definition(高精細)」の略語です。頭文字をとって単に「HD」と表記するのが一般的なので、《ハイデフ》という略語自体を知らない人も多いようですね。ちなみに、この略語はマイクロソフトのゲーム機「Xbox 360」が発売された際のキャッチコピーに使用されていました。ゲームファンの中にはご存じの方もいるのではないでしょうか。

 新聞や雑誌、ニュース番組などで用いられる機会が多い割にもとの呼び方が知られていないのは、産業や経済など社会生活の基盤となるものを意味する《インフラ》、大手総合建設事業者を意味する《ゼネコン》などの略語でしょうか。全国規模で労働組合などがストライキを実行する《ゼネスト》も、財政危機に見舞われたギリシャで緊縮財政に反対する労組が実施して大きく取り上げられたので記憶に新しいのではないでしょうか。

 上位にランク・インした略語で注目したいのは《リストラ》です。もととなった「リストラクチャリング」は、本来「再構築」を意味する言葉。人員を減らすことなく事業を再構築する際に使われるべきですが、いつの間にか従業員を削減(解雇)する際の言葉として定着してしまいました。何の略語か知られることもなく、本来の意味とは異なる用途に用いられる——。もはや略語ではなく別の独立した言葉と認識した方が良いのかもしれませんね。