こんにちは。xxx of WONDERの作曲等担当のDr.Usuiです。

前回、果たして暗渠などにどの位の人が関心を持っていただけるのかかなり不安ではあったのですが、静かながら予想以上の反響がありました。

都内のいろんなレコーディングスタジオやリハーサルスタジオに出かけては、その度にその近隣の暗渠や土地にまつわる質問をぶつけてはその度ドン引きされてきた自分としては、非常にうれしい誤算でありました。

ただ単に川と暗渠について調べたり散策するのが好きなだけなんですが、それも最近はなんだかんだと時間がなくなり、その機会がかなりなくなってしまったので、オブワンダーのコラムテーマにすればそれにかこつけてまたそんな時間が取れるのではないか! などと思いつつ、皆さんに暗渠そして東京を少しでも好きになっていただけたらな、と感じています。

前回は、音楽豊かな街宇田川町の名の由来となった宇田川についてお話しました。宇田川は渋谷駅の北側、宮益坂の坂下あたりで渋谷川という川に合流します。今回はその宇田川が合流する渋谷川についてご紹介してみたいと思います。

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渋谷駅から見て、渋谷川は北から南に流れている川で、駅の南側からは開渠(暗渠の逆、流れを見ることのできる普通の川のことです)となっているのでその流路を確認することができます。

今年2014年の春に、渋谷駅付近の再整備に伴い暗渠が開けられ、その水流が白日の下にさらされるという出来事があったようです。(ちょうどそのころxxx of WONDERの制作でスタジオに缶詰だったのです。見たかった…)

そもそも非常に不思議なことに、上流から暗渠を辿っていくと、その先は東急東横店にぶつかっています。実は、この建物は渋谷川を跨ぐようにその上に建てられたものだったのです。そのためこのビルには地階が存在していません。もしかしたら、東急線の新しい渋谷駅ホームが深すぎるほど地下にあることにもちょっと関係しているのかもしれませんね。

渋谷駅を境に上流部分が暗渠になる渋谷川ですが、駅より北側は宮下公園になっています。さらにその上流はというと、オシャレなお店が並ぶキャットストリートと呼ばれる通りになっています。

手前味噌ながら、(M)otocompoの「OK SKA」MVにキャットストリートが登場しています。

キャットストリートは、くねくねした川の風情をかなり残しているので、通りに佇んでみて想いを馳せてみるとまだ川として機能していたころを空想できて楽しい通りです。昔は猫たちが川沿いに集まっていたのでしょうか……。

さて、キャットストリートはその名の由来に諸説あるようで、「猫の額のように狭い通りだから」、「猫が多いから」、「ブラックキャッツというバンドが生まれた土地だから」とwikipediaには記されています。おそらくそのどれもが正解なのでしょうが、ミュージシャンDr.Usui的には「ブラックキャッツというバンドが由来」説を押してみたいと思います。

ブラックキャッツは、80年代初めに現在のキャットストリートに面したピンクドラゴンを拠点に結成されたというロカビリーバンドだそうです。このピンクドラゴンは1982年に建てられたビルですがその表札にCAT STREETの表記があるそうです。

これについて、原宿方面で一番親しい私の友人で裏原宿勤務歴20年のM崎氏に聞いてみたところ、このような答えが返ってきました。

「ファイヤー通りも消防署があっただけで呼ばれたぐらいだからピンクドラゴン説が有力な気がするなぁ。キラー通りもコシノジュンコが墓地が近いからそう名付けたらしいからファッションの人がつけた名前が定着するご時世だったのでは?」

これは、もしかしたら、ほんとにそうなんじゃ?

引き続き聞き込みをつづけたところ、なんと当時を知る方の証言コメントをいただくことができました。

「猫が通るような細い道だからキャットストリート」
~中西俊夫氏談~


おお、これは、中西俊夫さん!プラスチックスやメロンと言ったグループで活躍されたミュージシャンで、まさに80年前後の原宿文化のど真ん中にいた方です。私にとってはまさにカリスマです。証言ありがとうございます!

そうですかぁ、このネーミングはやはりまずは猫たちが集まっていたっていうことありきだったんですね。音楽カルチャーから名前が付いていたらカッコいいなぁなんて思っていたので、ちょっと残念な気もします。

ともあれ、猫が多い土地だったというのは確かなようですね。皆さんももし機会があれば、今も道路に残る欄干と猫たちを眺めながら昔の街並みに想いを馳せつつ散策してみてくださいね。

(文:Dr.Usui /xxx of WONDER)