あらゆる細胞に存在しているという「時計遺伝子」のはたらきとは? 体内時計の乱れは生活習慣病の原因になり、老化も促進されてしまいます。時計遺伝子のリズムに合わせて暮らすことが生活習慣病の予防になるといわれています。

自律神経もホルモンも体内時計に支配されている


近年、人間の脳には「体内時計」があり、体内時計の中に時を刻む遺伝子=時計遺伝子があることが発見されました。現在では、脳だけでなく、内臓や皮膚、髪など、あらゆる細胞に時計遺伝子が存在することがわかっています。
人間が朝になると目が覚め、夜になると眠くなるのも決まった時間にお腹がすくのも、時計遺伝子の働き。生命活動を維持する自律神経やホルモンも、約25時間を周期として正しく変動しています。
その結果、例えば血圧なども、24時間通して見ると、起床直後が最も高く、昼間に低くふたたび夜に高くなるというリズミカルな変化を示すのです。

病気の発症にも体内時計が関わっている


「体内時計は1日のリズムだけでなく、1週間、1ヶ月、1年のリズムを刻んでいます。一方、病気の発症にもそうしたリズムがあることが、世界各地の調査で明らかになってきました」と言うのは、時間医学研究の第一人者である東京女子医科大学名誉教授の大塚邦明先生です。
大塚先生によると、例えば心筋梗塞や脳卒中は「朝、月曜日、1ヶ月の第1週、冬」に多いことがわかっているそう。また、心臓性突然死は午前10時から11時に最も頻繁に起きています。
一方、心房細動という不整脈は深夜に多く現れ、これは副交感神経活動が高まることが引き金になると考えられます。

体内時計を整えることが生活習慣病の予防につながる


時計遺伝子の一部を壊して体内時計を乱したマウスは、成長とともにメタボリック症候群になるという研究結果も発表されており、時計遺伝子には健康を保つ役割もあることがわかってきました。
体内時計の乱れが、高血圧や糖尿病、肥満やコレステロールの異常、骨粗しょう症、うつ病、発がん、老化などを促進することが明らかになっています。反対に、乱れた生活リズムを整えると、体内時計が正常化し、生活習慣病も回復するのです。

同じ時間に起きて、朝食をたっぷり食べることで体内時計リセット


生活リズムを整え、体内時計を正常化するカギは、「睡眠」と「食事」です。
睡眠では、眠気を感じてからベッドに入り、就床した時間にかかわらず、毎朝同じ時刻に起床することがポイント。起床時にはカーテンを開け、光を浴びることで体内時計がリセットされます。
また、3食のうちでも体内時計を整える働きが最も強いのが朝食で、毎朝決まった時刻に十分な量の朝食を食べることで体内時計を整えることができます。炭水化物とたんぱく質は体内時計のリセットに関わっているので、炭水化物とたんぱく質が含まれた朝食メニューにしましょう。

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