女性のものというイメージがある不妊症ですが、男性にも同様に原因があります。原因がわかっているものもありますが、未だ不明のものもあるのが事実。女性、男性、それぞれの不妊の原因を解説します。

妊娠はさまざまな条件をクリアしておこるもの


不妊症について解説する前に、妊娠のプロセスについて簡単にご説明します。性交後に卵子と精子が受精し、子宮内膜に着床。卵子と精子の状態はもちろん、卵管を無事に通過できるか、受精しても着床するかどうかなど、たくさんの条件をクリアして、やっと妊娠にいたるのです。

そのため、不妊といってもたくさんの原因が考えられ、未だに未解明のことも多数あります。あまり妊娠に注力しすぎると、逆にそれがストレスになって不妊になる場合もあるので、パートナーと助け合いながら向き合っていきましょう。

日頃から月経や基礎体温の計測をすると◯


子宮の病気や排卵障害などのほか、ストレスも不妊の大きな原因となります。女性で考えられる不妊の原因を解説します。

◯排卵因子
毎月、決まった周期で月経がくる人は問題ありません。通常、月経は25〜38日周期で起こり、基礎体温も低温期と高温期に判断できます。それが、定期的に月経が起こらず、基礎体温も不安定な場合、月経不順です。排卵障害が起こっているかもしれませんので、婦人科の受診を。

月経不順の原因は、ホルモンの分泌、ストレス、体の負担となるダイエットなど。また、年齢が若いにもかかわらず卵巣機能が低下する早発卵巣不全も考えられます。婦人科を受診する際は、数ヶ月の生理の状況(日程、期間、経血の量や状態)と基礎体温を計測した表があると、具体的に相談しやすくなります。

◯卵管因子
妊娠は、受精卵が卵巣から卵管を通って、子宮内膜に着床することで成立します。この受精卵の通り道である卵管が炎症などで、閉鎖したり、細くなっていると、妊娠しない、または妊娠しにくくなります。

特に、感染症のクラミジアにかかっている女性が感染すると、卵管の閉鎖や、卵管周辺の癒着で受精卵が通りにくくなります。ただ、この病気は無症状の場合が多く、気づいていない人が多いのが現状です。ほかに、虫垂炎などの骨盤内の手術を受けたことがある人も卵管周辺の癒着が起こっている場合があり、子宮内膜症も同様です。



◯子宮因子

子宮筋腫や子宮の形の先天的な異常などにより子宮内膜の血流が悪い、または子宮内に過去の手術や炎症による癒着があるといった場合、受精卵が子宮内膜に着床し育つことができず、妊娠が成立しません。そして、子宮内膜に筋腫がある粘膜下筋腫、子宮内膜ポリープも着床障害となります。

◯頸管因子

子宮頸管は子宮の出口にあり、排卵が近づくとその内部を粘液が満たし精子を通りやすくします。しかし、炎症などで頸管粘液が少なくなった場合、精子が子宮内を通過しにくくなり、不妊になります。

◯免疫因子
体には、自分をウイルスや細菌から守る為の免疫という作用があります。体にとってもは大切な仕組みなのですが、それが精子の働きまで阻害してしまうのです。精子を攻撃する抗精子抗体や、精子の動きを止めてしまう精子不動化抗体が、子宮で産生されると、精子が卵子まで辿りつけず受精できません。

◯原因不明不妊
検査をしても原因が見つからない場合が、原因不明不妊です。不妊症の1/3を占めると言われており、加齢などが原因とも考えられています。人口受精や体外受精治療の適応となります。

精子の数や運動能力が大切に


女性に比べて、ゆるやかではありますが、男性も加齢によって精子の力が弱ったり、消失したりします。そのほかにも考えられる、不妊因子をご紹介します。

◯性機能障害
ストレスにより、勃起が起こらず性行為がうまくできない勃起障害(ED)や、性行為はできても膣内射精が困難な膣内射精障害があります。妊娠に向けての精神的なプレッシャーから起こることも。

また、動脈硬化や糖尿病も原因のひとつ。特に、糖尿病は軽度でも勃起障害になり、重症になると射精障害や精液量の減少、一部の精液が膀胱内に射精されてしまう逆行性射精や精液が出なくなる無精液症を引き起こします。

◯軽度〜中等度の性液性状低下
精子の数が少ない、またはない、精子の運動性などが悪いと妊娠しにくくなります。精索静脈瘤で精巣内の温度が高くなっていると、精子の数や運動性が低下します。特に原因がないのに、精子が作られないという場合も。精索静脈瘤は外科手術で、造精機能障害が回復する可能性も。

◯高度の精液性低下、無精子症
高度の精液性低下とは、精液中の精子の数が極端に少ない、または運動率が極端に低いことを言います。さらに、ホルモン分泌低下による低ゴナドトロピン性性腺機能低下症、停留精巣の手術後やおたふく風邪による耳下腺炎性精巣炎によっても見られます。

無精子症は、射出された精液の中に精子が全く見られないことです。精巣内では精子が作られているのに精液中に精子が出てこない閉塞性無精子症と、閉塞がないのに精子が全く作られていない無精子症もありますが、閉塞した精路を治療したり、精巣内の精子を回収し顕微受精することで、パートナーが妊娠できる可能性があります。

女性と男性、両方の不妊の原因を紹介しましたが、なかでも排卵因子、卵管因子、男性不因子の3つが、不妊症の3大原因とされています。

不妊症は、女性の要因、男性の要因、両方が重なっている場合とさまざま。不妊で悩むカップルは二人で揃って問題解決に取り組むことが重要です。

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