心電図は不整脈や心筋梗塞などの診断に役立ち、異常の場所の特定にも役立ちます。心筋細胞の収縮による電気を皮膚の上から記録。ただし全ての心臓の異常がわかるわけではないことにも注意。

心臓細胞が発する電気によって心拍のリズムや心筋の異常がわかる


健康診断の時に行う心電図検査。手首、足首、胸に電極をつけてしばらくじっとしている状態は、少し心細いものです。この心電図検査では何がわかるのでしょうか。

心臓の壁は心筋といわれる筋肉からできています。心電図とは、心臓の細胞(心筋細胞)が収縮する時に生じる微弱な電気を、皮膚の上から記録したものです。ひとつひとつの細胞が発生する電気はわずかですが、心臓は心筋細胞の塊なので、電気を記録することができるのです。これにより、心拍のリズムの異常(不整脈)や,心筋の異常(心筋梗塞など)の診断に役立ちます。

波形の出るタイミングで様々な不整脈を診断できる


心電図の波形が何を表しているのか、具体的に見ていきましょう。
1回の心拍では、まず小さな「P波」が現れ、次に鋭くとがった大きな「QRS波」が出て、最後になだらかな「T波」が現れます。
P波は心房の収縮、QRS波は心室の収縮、T波は心室の収縮からの回復を表しています。様々な不整脈はこうした波形の出るタイミングで診断することができるのです。

また、心室の心筋細胞が狭心症によって酸素不足になったり、心筋梗塞によって壊死したりすると、心室の波であるQRS波、T波、およびQRS波からT波までのST部分に変化が見られます。

安静時の心電図では異常が現れない病気もある


通常、心電図といえば、健康診断などで行われる「12誘導心電図」を指します。これは手足や胸に電極をつけ、12種類の場所(誘導)で安静時の心臓の電気の流れを測定するものです。いろいろな場所に電極をつけることによって、心筋の異常の場所を特定することもできます。心筋梗塞などの変化は心室の一部の壁に起こるので、一番近い電極に心電図変化が出るからです。

一方、不整脈や狭心症では、安静時の心電図では全く異常がないということもあります。そこで、運動で心臓に負荷がかかった時の変化を見るために「運動負荷心電図検査」を行います。この検査では、階段昇降やベルトコンベア上を歩くトレッドミル負荷試験、自転車をこぐエルゴメーター負荷試験などがあります。また、たまにしか起こらない不整脈や狭心症の発作時の心電図変化をとらえるためには、小型の心電計をつけて通常の生活を送りながら24時間のデータをとる「ホルター心電図検査」があります。

心臓の病気がすべて健診の心電図検査だけでわかるわけではないので、健診の結果が「異常なし」でも、自覚症状がある場合は医師に相談してみましょう。

【参考】
『医師に聞けないあんな疑問 医師が解きたいこんな誤解』

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