8月になり、2016年も、もうとっくに半分以上過ぎてしまいました……。昭和を知る世代としては、今年生まれた赤ちゃんが、現在の女性の平均寿命である80歳代半ばまで長生きすれば、『ドラえもん』のやってきた22世紀を見ることになるのか? と思うと時の流れの速さに愕然とします。

20世紀は遠くなりました。ましてや、19世紀となると気の遠くなるような昔の話ですね。しかし、19世紀にはすでに写真が普及しており、私たちはギリギリ、その時代の人々が残した在りし日の姿を見ることができます。そんな写真を見てしまうと、同じ“大昔”であっても、写真の技術が無い時代の人物と比べ格段に親近感を抱いてしまいます。今回は、そんな近くて遠い19世紀美女たちの若く魅了的な姿をまとめてみました。


■むしろこんな子に黒船で来て欲しかった

下記の女性は、冒頭の写真でもご紹介した1854年生まれのエミリー・リーガル。19世紀に活躍した舞台女優です。バレリーナとしての訓練も受けていた彼女は、ブロードウェイで多彩な役を演じ、人気を博していました。ちなみに、彼女の生まれ年である1854年を日本に置き換えると、 ペリーが江戸湾に来航した年でもあります。■ この記事の完全版(全画像付き)を見る


(https://twitter.com/T__twitt/status/760277132568358912)

■禁煙なんて遠い未来のお話。南北戦争時代の喫煙美女

続いては葉巻を吸う美女。1847年生まれのロッタ・クラブツリー。まさに南北戦争の頃に活躍した歌手のものです。これが、リンカーンが生きていて、『風とともに去りぬ』のように、奴隷がいた時代の女性の姿だと思うと感慨深いものがありますね。

(https://twitter.com/menendezrenato4/status/732367134916018176)


■モノクロなのに目の色が美しい事が容易に想像できる?

1869年生まれ、19世紀後半から20世紀初頭にかけて、シェイクスピア上演で活躍した英国の女優エブリン・ミラード。モノクロの写真でも、神秘的な目の色が想像できてしまいます。

(https://twitter.com/SusgoriGori/status/640099554285744128)


■昔から天は美女に二物も三物も与えていた

1883年生まれ、ギリシャ出身のイタリアのバレエ・ダンサー、オデット.・ヴァレリーは、理知的な瞳が印象的な美女ですね。

(https://twitter.com/T__twitt/status/760244383555919872)

上記のツィートによると、オデットは、ロシア語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、フランス語、英語を話すマルチリンガルでピアノも嗜む才色兼備な女性だったとのことです。当時のバレエダンサーとして、旬を迎えた少女時代は19世紀であったと思われますが、下記の写真はもう20世紀初頭でしょうか? 後から彩色されたのか、ピンク色の花の色が、肌を陶器のように艶やかに見せています。

(https://twitter.com/AinleyJerome/status/758196990836633600)


■欧米人には珍しい奥二重がミステリアスな聖なる怪物

19世紀末から第一次世界大戦勃発までの期間、パリが束の間の繁栄を誇り、美しい装飾美術に溢れていた「ベル・エポック」と呼ばれる時代を象徴する舞台女優、サラ・ベルナールは1844 年生まれ。画家ミュシャの出世作となった絵画のモデルとしても有名です。

(https://twitter.com/CourageousLeadr/status/749739652098166785)

ジャン・コクトーに“聖なる怪物”と呼ばれた女性は、コーカソイドには珍しい奥二重にも見える瞳が印象的。悪戯な妖精のようで惹きつけられます。

奥二重の瞳から連想される近代の女優は、1974年の映画『愛の嵐』の裸サスペンダー姿が衝撃的な、退廃的で怪しい魅力の シャーロット・ランプリング や、2006年の映画『007 カジノ・ロワイヤル』のボンド・ガールでも有名なエヴァ・グリーン。(画像は元記事参照)

サラ・ベルナールには彼女たちに通ずるユニセックスな色気を感じ、”個性派美女”はいつの世も人気が高かったことが伺えます。


■1896年の美女コンテストナンバーワンのバレリーナ

そして、そんなサラ・ベルナールのライバルと呼ばれたクレオ・ド・メロードは、個性派のサラに対し、ザ・正統派美女。1875年生まれのフランスのバレリーナです。ベルギーの貴族「ド・メロード」家のオーストリア分家の血筋だという説もあります。8歳からダンスを始め、21歳でオペラ座のバレリーナに。1896年に行われた美女人気投票で、ナンバーワンに輝きました。

(https://twitter.com/porruasandro/status/736105394238427138)


■生まれた時にはナポレオンがいた? 女性カメラマンの先駆者

最後は、さらに世代を遡り、19世紀の始めに生まれた神秘的な女性の写真をご紹介します。スコットランド出身の、女性カメラマンのパイオニアと言われるジェシー・マンではないかと思われる写真です。1805年に生まれ、1867年に死去した彼女の姿、撮影時期はおそらく19世紀前半だと思われます。

彼女が生まれた1805年と言えばナポレオン戦争の時代。仮に彼女が30歳の頃この写真が取られたと仮定すると1835年。日本では、天保5年にあたり、がっつり江戸時代です。天保と言えば、天保の大飢饉や、 鼠小僧次郎吉、大塩平八郎の乱などを連想しますが、条件さえ整えば写真が残っていてもおかしくないと思うと、グッと江戸の人々が近く感じられます。

(https://twitter.com/NatPhotogMuseum/status/721309151515832321)


世紀をまたいで110歳以上生きる人物をスーパーセンテリアン、というそうですが、残念ながら彼女たちの中にはスーパーセンテナリアンはいなかったようで、全員、故人になります。インターネットの画面越しに可憐に微笑む、19世紀に活躍した若く美しい女性たちの姿を見ていると、「100年なんてすぐよ」と言われているようで、奇妙な心持ちになります。


(星野小春)