ナプキンとタンポンはどう使い分けるの? 自分に合ったナプキンはどう選ぶの? 布ナプキンは何がいいの? そんな生理用品にまつわる疑問にお答えします。

ナプキン選びは体感や快適性にこだわって

半数以上がタンポン派といわれる欧米と異なり、日本ではナプキン派が大半といわれています。ナプキンの悩みといえば「ズレ」「モレ」「ムレ」「アウターに響く」などですが、そのうち「ズレ」「モレ」「アウターに響く」については技術の進歩によって、大幅に改善。羽根つき、薄型は当たり前、さらに体感性にすぐれたものや、肌触りの良さなど快適性を追求したものが増えています。

「ムレ」によるかぶれが起きるのは、外陰部の角質層の厚みが体のほかの部分に比べてとても薄いため。かかとが100層あるのに対し、顔は約10層、外陰部は4~5層しかありません。ムレ、かぶれの対策としては、こまめに取り替えることが重要ですが、ナプキンの素材によっても感じ方が変わってきます。

高分子吸収ポリマーが使われているものはかぶれやすいようなので、かぶれる人は避けたほうがよい場合もあります。肌の強さや経血の量、経血の出方などには個人差があるので、人から聞いた評価だけに頼らず、いろいろな製品を自分で試して選びましょう。

かぶれが気になる人に支持されているのが、布ナプキン。原料に化学製品が使われていないことや、布のやわらかい付け心地により、かぶれやかゆみの解消に効果が期待できます。ただし「ズレ」「モレ」「アウターに響く」といった問題はあること、また、きちんと交換したり洗濯しないと不衛生になることは知っておきましょう。

タンポンは長時間使用しないように注意

普段はナプキンでも入浴時や旅行中などはタンポンといった併用派の人もいることでしょう。タンポンはフィンガータイプとアプリケーター式があり、初めての人にはアプリケーター式が使いやすいのでおすすめです。

アウターにも響かず、慣れると生理中であることを忘れるほど快適といわれるタンポンですが、それだけに気を付けたいのが入れっぱなしにして忘れてしまうこと。タンポンを取り出し忘れたり、手指を清潔にしないで使用した場合には「TSS(トキシックショック症候群)」といわれる急性疾患になることもあります。TSSは黄色ブドウ球菌の毒素が原因で発症し、突然の高熱、発疹・発赤、倦怠感、嘔吐などの症状が出ます。8時間以上連続して使用しないように気を付け、タンポン使用中に上記のような症状があったらすぐに婦人科を受診しましょう。


■さらにくわしく!以下も参考に■


蒸れる季節のデリケートゾーンの悩み解決法
生理用ナプキンによる蒸れ、かぶれ、かゆみを防ぐには?


密着させず、風通しよく、清潔に。ひどいかゆみや痛み、分泌物の増加があったら早めに受診を

かぶれやかゆみの正体は接触性皮膚炎と雑菌の繁殖

暑い日が続きますね。ただでさえ蒸し暑いのに、月経期のデリケートゾーンは生理用ナプキン(以下ナプキン)によって密閉され、非常に蒸れやすい状態になります。
そのため、もともと角質層が薄く刺激に弱い、文字通りデリケートな外陰部の皮膚はふやけて傷つきやすくなり、かぶれやかゆみなどのトラブルが発生しやすくなります。ナプキンが触れる刺激で接触性皮膚炎をおこしたり、常に湿った状態で不潔になりやすいため雑菌が繁殖したりするのです。
多くの女性がナプキンやおりものシートによるデリケートゾーンの蒸れやかぶれ、かゆみに悩んでいるようですが、他の人に相談しにくい場所だけに、がまんして症状が進んでしまったり、市販のぬり薬でかえって悪化させてしまうケースもみられます。
蒸れやこすれが原因のかぶれやかゆみなら、ひどくならないうちに原因を取り除けば解消します。そこで、今回は月経期の蒸れない工夫、かぶれない工夫を紹介しましょう。

ナプキンを密着させず、風通しをよく

むれを防ぐには、まず、できるだけナプキンを密着させず、当てている時間も減らすこと。ぴったりしたジーンズやサニタリーショーツでナプキンを密着させ摩擦し続けると、蒸れてトラブルが増加します。ガードルなどの締め付けのきつい下着やズボン、ストッキングなどは、暑い場所で長く身に着けるのは避けたほうがいいでしょう。

せめて家にいるときくらいは、風通しをよくすることを考えて、下半身を締め付けない衣類に着替えましょう。経血量が少ないときは、サニタリーショーツは外し、おりものならシートを外して何度も下着を交換します。

素材を圧縮した薄手のナプキンで陰部を密閉すると問題がおこりやすいので、少し厚手のふっくらしたものに当て換えて、皮膚とナプキンの間にすきまをつくりましょう。中心部が盛り上がっている形状のものより平らなもののほうが、すきまができやすいようです。

ナプキンには表面がやわらかいもの、表面にプラスチックメッシュがのっているものなどいくつかのタイプがありますが、こすれてかゆくなる場合はやわらかいものにするほうがトラブルが少なくてすみます。その問題がない場合は、メッシュのさっぱりした感触を求めるのもよいでしょう。

出血がほとんど治まったら、夜寝ている間はナプキンを外して風通しをはかるのがよいでしょう。本格的にかゆみの出ている人は、ショーツをはかずに直接パジャマを着て寝ることをおすすめします。パジャマはぴったりしたものではなく、ゆったりしたものにします。

清潔にして、洗濯にも一工夫を

デリケートゾーンの清潔を保つことも大切です。可能であれば、月経期やおりものが多いときは、局部の汗や分泌物をふきとるかトイレのシャワーで軽く流すなどしてさっぱりしましょう。ただし、腟の内側には強力な自浄作用があり、中を洗浄する必要はありません(かえって、洗わないほうがよいことがわかっています)。
また、外陰部の皮膚が傷んでいるときに繰り返し洗うとかえって炎症をおこすので、そのおそれのあるときには、ガーゼやおしぼりなどでそっと拭うだけにしましょう。
ナプキンやおりものシートはこまめに換えます。出血や分泌物の量が少なくても、長くても4~5時間たったら新しいものに交換しましょう。

下着も汚れたらすぐに清潔なものに換えましょう。また、洗濯後の下着に残った洗剤の刺激でかぶれることもあるので、すすぎは十分に行うようにしましょう。
高温多湿の日本の夏はカビにとって天国。陰干ししたり室内に干した下着をそのまま引き出しにしまうのは、かゆくなるもとです。日光(紫外線)に当てればカビ退治になりますが、それができない場合は、干した後に、短時間でも乾燥機を使う、低温のアイロンを当てるなどカビ対策を。

かゆいからといってかくと、さらにかゆくなって悪循環。風通しよく清潔にして、蒸れやすい局所の環境を改善するのが一番です。市販の外用薬を使うときには注意を。添付文書に「粘膜にはつけないように」と書いてあるものは、本来外陰部にはつけてはいけないのですが、そういった薬を外陰部につけてかぶれる人が多いようです。

ひどいかゆみがある場合、カンジダというカビの一種が腟内で繁殖する「カンジダ腟炎」や、別の感染症の可能性もあります。ひどいかゆみや痛みがあったり、おりものの量が増えたりしたら、早めに産婦人科か婦人科へ受診しましょう。

一方、咳やくしゃみ、スポーツなどで尿がもれてしまう人がいます。その量には個人差がありますが、決して少ない量ではありません。そういった場合は、暑い季節もパッドが手離せません。尿もれがあるのに生理用のナプキンを使っていると、皮膚障害をおこす原因になるため、尿を吸収させる場合には、尿もれ専用パッドを使うのがよいでしょう。
尿もれ専用品は、内部に生理用パッドよりたくさんの吸収材が詰まっていて、尿がしみてもパッドの表面がじめじめしないすぐれものです(ただし、血液を吸わせるのには向きません)。最近は、売り場でも生理用品の近くに尿もれ専用品を配置し、手に取りやすくしてありますから、尿もれには尿もれ専用パッドを使ってください。
ヘルスケア-蒸れる季節のデリケートゾーンの悩み解決法

誰にでも起こりうるカンジダ腟炎
カンジダ菌による炎症でかゆみやおりものの異常が起こる


普段から体に持っている常在菌が起こす病気。疲労、抗生物質、病気による免疫力低下などがきっかけに

カビの一種であるカンジダ菌によって腟や陰部に炎症が起こる

「陰部がむずがゆい」「かゆみで寝つけない」「おりものが多くて気持ち悪い」といった症状は多くの女性が経験しています。なかには、同じような症状をくり返して日常生活に差しさわったり、何度も病院やクリニックに通ったことがある方もいらっしゃるかもしれません。
このような症状は腟や陰部の炎症によって起こるのですが、今回はその中でも真菌(かび)の一種であるカンジダ菌によって起こる腟炎について、その原因、症状、治療法、区別しなくてはならない病気、くり返さないための対策などについてお話したいと思います。

カンジダ腟炎という名前は聞いたことがあっても、実際にどういう病気なのかを知る機会は少ないように思います。
原因菌であるカンジダ菌は日常生活のいたるところに存在し、腟やその周辺で増えると、陰部にかゆみを起こしたりおりものが増えたりします。カンジダ菌は真菌(かび)の一種で、細かく分類すると150種類くらいに分かれます。この中でもカンジダ・アルビカンスという菌が、カンジダ腟炎の原因の8割を占めるといわれています。
もともと2割くらいの女性はカンジダ菌を腟の中に持っているといわれており、おりものからカンジダ菌が見つかること自体は特別なことではありません。

腟の中には乳酸菌に似た善玉菌がいますが、体が疲れて抵抗力が落ちると減ってしまうことがあり、そうなるとカンジダ菌が増えて症状が出ることがあります。何らかの感染症(気管支炎や膀胱炎など)の治療のために、広い範囲の菌を抑える抗生物質を使用したときも、腟の中の菌のバランスが変わり、カンジダ菌が増えて炎症を起こします。
また、もともとカンジダ菌による炎症を起こしやすい状態の方もいます。たとえば、病気そのものや治療薬の影響で免疫力が低下している方、ステロイド剤を継続して使用している方、糖尿病、妊娠中の方、きつい下着を好む人などがそうです。

腟炎はそれぞれの原因に合った治療をしないと治りにくい

カンジダ腟炎を発症すると、カッテージチーズのようなおりものが出たり、かゆみが出たりします。時に、非常に激しいかゆみになって睡眠を妨げることもありますし、外陰部が赤く腫れることもあります。
カンジダ腟炎の診断は、おりものを顕微鏡検査や培養検査をして行います。顕微鏡では糸状の菌の様子を見ることができます。治療は、腟の中を洗浄し、菌を抑える薬を挿入したり、外陰部にも炎症が起きている場合には、塗り薬を使ったりします。ステロイド剤の入った薬を不用意に使ってしまうと、治らないばかりかかえって悪化することもありますので注意が必要です。まずは婦人科で診察を受けて、治療法についてよく相談するといいでしょう。

再発をくり返す方や腟錠で治りにくい方では、飲み薬が効果的な場合があります。一度カンジダ腟炎と診断されたことのある方が再発した場合の治療薬も市販されています。ただし、過去に病院やクリニックでカンジダ腟炎と診断されたことがある方で「同じような症状が出ている」など、対象の患者さんは限られますので、よく薬局で相談してから使用しましょう。

おりものが増えたり、かゆみが出たりする病気には、カンジダ以外の菌などが原因になる腟炎、雑菌で起こる細菌性腟炎やトリコモナスという原虫が原因の腟炎、ヘルペスウイルスが原因の外陰部の炎症、毛じらみによる皮膚の炎症などがあります。
これらは、疲れやその他の原因で免疫力が低下したときや、性交渉で原因となる菌などが持ち込まれたときに起こります。特に、トリコモナスは1回の性交渉で感染する確率がもっとも高い感染症といわれています。
同じように腟に炎症を起こしていても、それぞれの原因に合った治療をしないとなかなか治りません。

腟炎をくり返さないために

腟炎は、月経血や精液によって腟内の環境が酸性を保ちにくくなったときに、より起こりやすくなります。もともと腟内は酸性の環境で外敵から体を守っていますが、その防御のしくみが弱くなっているときには注意が必要です。また、通気性の悪いきつい下着で蒸れているとき、頻繁に腟を洗浄した場合、タンポンやナプキンをあまり取り替えなかったなど不衛生な状況でも発症しやすくなります。
腟炎をくり返さないためには、普段から下着はコットン製の通気性のよいものにする、厚手のデニムやきつい下着は避ける、おりものシートはなるべく避ける、腟内洗浄を頻繁に行わないようにするなどの注意が必要です。

そのような注意をしていても、くり返しカンジダ腟炎を発症する方の中には、実は知らないうちに糖尿病になっていたという方もいますし、まれですが性交渉のパートナーとカンジダ菌を移し合っている場合もあります。男性にはあまり症状が出ない場合もあるので、性交渉がきっかけで症状が出ているようであれば、一度パートナーに泌尿器科を受診してもらうのがいいでしょう。

カンジダ腟炎は、腟炎の中でも割合よくみられるのですが、かゆみやおりものといった症状が続く、女性にとってつらい病気です。糖尿病や免疫力の低下など、全身の病気の症状の一つとして現れることがありますから、再発をくり返し治りにくい場合には、背景に何らかの病気の可能性を考えてみる必要があります。
また、性交渉との関連や下着やナプキン、腟洗浄のことなど、生活を見直してみることも、再発しにくくするためには大事なことです。婦人科医と相談しながら、カンジダ腟炎への対策を立てていきましょう。
ヘルスケア-誰にでも起こりうるカンジダ腟炎

【関連記事】
  • 生理用品の選び方-生理中のかぶれやムレはナプキンが原因?
  • 生理が長い、8日以上は要注意!量が多すぎるのも病気の疑いが?
  • 生理日が変えられるピル-生理痛の緩和や避妊にも、けど副作用も
  • 生理痛の原因-ひどい痛みは子宮内膜症かも?-痛みに効く14の…
  • 生理周期によって変わる女性の体調-イライラや痛みを乗り切ろう