どうも服部です。昭和時代をさまざまな形で振り返っていくシリーズ記事、今回は放送中のNHK朝ドラ「とと姉ちゃん」について取り上げていきます。ネタバレになる内容も含みますので、撮りためていてまだ見てないという方はご注意ください。

※今回の記事は2016年2月5日に公開した「【昭和23年版】NHK朝ドラの題材「暮しの手帖」第1号の中身を見てみた」を元に、大幅に変更・加筆した内容となっています。

さて、4月4日より始まった「とと姉ちゃん」ですが、開始から3ヵ月以上が経って、ようやく雑誌づくり編に入り、7月22日放送回でついに「あなたの暮らし」第1号が発売となりました。そのモデル雑誌である「暮らしの手帖」の第1号はどんな内容だったのか、ドラマと比較しつつ紐解いていきたいと思います。

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まずは表紙から。表紙は唐沢寿明さん演じる花山伊佐次のモデルである「花森安治氏」が、第1号から花森氏が亡くなる1978年(昭和53年)まで、担当し続けました。7月21日放送回で、花山伊佐次がデザインを描いていましたが(キャプチャ画像)、かなり忠実に再現されていたようです。

先に96ページ目の「あとがき」にある奥付(ページ左下の枠内)を見てみると、「昭和二十三年九月二十日初刷」だったそうです(「とと姉ちゃん」での設定は冬から春にかけてのようでしたが)。編集及発行者は大橋鎭子(しずこ)氏。「とと姉ちゃん」の主人公である小橋常子のモデルとなる人物です。発行所は東京都銀座で、ドラマと同じです。

目次に続いてクレジットタイトル(制作関係者の表示)が入っています。「表紙」は花森安治氏。「寫眞(写真)」は「とと姉ちゃん」では花山伊佐次が撮っていましたが、別にいたようです。

「編集」を見てみると、大橋鎭子氏(常子)と三女の大橋芳子氏(美子)の名前があり、次女の晴子氏(鞠子)は横山晴子と表記されています。ドラマでは独身でしたが、実際には「進行」で名前が載っている横山啓一氏と昭和23年に結婚をし、横山姓に変わっていました。

7月22日放送回の終盤で苦情を言われた「直線裁ち」の特集。「暮しの手帖」でも実際に取り上げられていたものです。文字の部分を拡大してみると……、デザインは花森安治氏、着る人、つまりモデルさんは大橋鎭子氏です。美形だし、スタイルも良いし、普通にモデルさん代わりになれています。

「自分で結える髪」というページでは、三女の大橋芳子氏がモデルを務めています。ドラマ内で姉妹らがモデルを務めるのも、実話から来たものでした。

そして、22日放送分で山口智充さん演じる甲東出版社長・谷誠治が、「あなたの暮らし」のカラーページの多さに驚いていましたが、これも実際のこと。花森氏が描くイラストに古臭さがまったく感じられないのが凄い。

第1号の最後は、花森安治氏のファンション哲学が綴られた「服飾の讀(読)本」が飾ります。



その他にも、ブラジア(ブラジャー)パッドの作り方といった特集の数々や、川端康成など人気作家による小説、終戦直後の生活を捉えたエッセイ等々も掲載されていて、「とと姉ちゃん」では描かれていませんでしたが、第1号でよくぞここまでという充実した誌面となっていました。詳しくは、「【昭和23年版】NHK朝ドラの題材「暮しの手帖」第1号の中身を見てみた」をご覧ください。引き続き、歴史の1ページを紐解いていければと思います。

(服部淳@編集ライター、脚本家)