30歳以上の5人に1人が悩んでいるという子宮筋腫。筋腫ができる位置や大きさによって症状はさまざま。ときには、子宮全摘という深刻な選択を迫られることも。子宮筋腫の正体を、正しく知りましょう。

30〜40代は筋腫の危険年代 大きくなると手術も

子宮筋腫は、子宮の筋肉(平滑筋)の一部にコブ(腫瘍)ができ、それが成長したもの。腫瘍といっても良性。がんのように転移したり、がん化する心配はないといわれています。広尾メディカルクリニック院長で、子宮筋腫手術の専門医、斎藤敏祐先生に、子宮筋腫について伺いました。

大きさは豆粒大から、大人の頭以上とさまざま。1つの場合もあるし、複数できることもあります。1つの腫瘍は、小さなコブがくっつきあってかたまりになっているのですが、10年、20年と長い年月をかけて大きく育ちます。

筋腫が大きくなっても、悪性腫瘍のように死に至る心配はありません。ただ、大きくなると、貧血や腹痛などの症状が出やすくなります。また、最新のMRI画像を使った研究で、子宮も心臓と同じようにぜん動運動を行っていることがわかりました。子宮は蠕動運動で精子や受精卵を吸い込もうとするわけです。筋腫は、その子宮の自然な蠕動運動を妨げてしまいます。そのため、こぶし大(10cm)くらいのサイズになると、医師は取ることをすすめます。

子宮筋腫を発見する、一番多い年齢層は30〜40代で、約8割がこの年代です。閉経を過ぎる50歳以降は、急に減っていくともいわれています。


グラフは、子宮筋腫体験者55人にアンケートした結果です。見つかった時の最高年齢は48歳でした。

筋腫ができる場所によって 症状も変わる

子宮筋腫といっても、筋腫ができる場所によって、体に現れる症状も違います。初期症状が出ないことも多く、自分では気づきにくい場合も。「子宮筋腫がある=すぐに摘出手術」ではありませんが、一度「子宮筋腫がある」と診断されたら、自然消滅しないので定期的に婦人科で検診を受けることが大切です。

○筋層内筋腫
子宮の筋肉の中にできる筋腫で、患者の約70%がこのタイプ。少しずつ周りの筋肉を押しのけて成長しますが、小さいうちは、ほとんど無症状。大きくなると生理の出血が増えたり、期間もダラダラと続くため、貧血にもなりやすくなります。

○漿膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)
子宮の一番外側を覆っている漿膜(しょうまく)の下にできる筋腫で、約20〜30%の発症率。子宮の外側に突き出すように大きくなります。初期症状がでにくいため、気づきにくく、妊娠で見つかることもあります。大きくなる膀胱や直腸などを圧迫するため、頻尿や便秘にも。

○粘膜下筋腫(ねんまくかきんしゅ)
子宮内膜のすぐ下にできる筋腫で、発症率は約15%。子宮口に向かっておおきくなるため、生理の出血が増える、期間が長くなる、激しい痛みなどがあり、貧血も起こしやすく。そして、不妊の原因にもなります。

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