子宮頸がん検診には、細胞診とHPV検査があり、約50の市区町村では細胞診とHPV検査の併用検診が実施されています。細胞診とHPV検査について、自治医科大学附属さいたま医療センター産婦人科教授の今野良先生に伺いました。

細胞診とHPV検査を両方受けたほうがいい理由

子宮頸がん検診の目的は、「前がん状態(異形成)」を見つけることです。「前がん状態」とは、細胞が変化を起こした状態で、そのごく一部が子宮頸がんに進行します。
細胞診はがんの発見にはとても有効な検査方法ですが、技術的な限界があり、前がん状態では2~3割の見落としがあります。そのため確実に前がん状態を発見するには、細胞診とHPV検査を同時に受診することが有効です。

細胞診とHPV検査を同時に行えば、子宮頸がんだけでなく、がんになる前の状態(前がん状態、異形成)をほぼ100%発見することが可能になります。
また、細胞診とHPV検査を併用することで発見率が高くなることにより、異常がなければ検診の間隔をあけられるのもメリットといえます。現在、厚生労働省では20歳以上の女性に、細胞診で2年に1回の定期検診を推奨していますが、日本産婦人科学会では細胞診とHPV検査を併用すれば検診の間隔を3年に1回に延ばせるとしています。

ただし30歳未満の女性はHPVへの一過性の感染が多いため、併用検診ではなく、細胞診を毎年受けるべきであるとされています。また、HPV検査の結果が陽性であってもイコール子宮頸がんということではなく、細胞診の結果と併せて判断する必要があります。

細胞診のクラス「Ⅱ」や「Ⅲa」はがんではないので注意

細胞診の検診結果の見方で注意したいのは、クラス分類という古い分類法で報告される場合と、ベセスダシステムという新分類で報告される場合があることです。

クラス分類では細胞診の結果をクラスⅠからクラスⅤまでに分類しますが、これをがんの進行期を表すⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ期と混同してパニックになる人が時々います。細胞診のクラスⅡは「正常」(がんの心配はないけれど何らかの良性変化がある状態)、クラスⅢaは「軽度異形成」(がんに進行するリスクはほとんどなく約1%)なので、進行がんと間違えないようにしましょう。

また、新分類・ベセスダシステムによって細胞診の結果が「ASC-US(意義不明な異型扁平上皮)」と診断された場合に限り、通常は自費でしか検査できないHPV検査を保険で受けることができます。

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