女性の誰もがかかる可能性のある「子宮頸がん」。子宮頸がん検診の重要性について、こころとからだの元氣プラザ診療部長・小田瑞恵先生に伺いました。

初期症状がなく何度でも感染するため、予防には検診が必須

初期症状がない「子宮頸がん」は、検診でしか予防ができません。また、がんになる前の段階で発見すれば、簡単な治療で済み、その後の性交渉、妊娠、出産も通常通り行うことができるのです。自治体でも検診を実施しているので、ぜひ活用しましょう。

子宮頸がんの原因は、性行為によるヒトパピロマーウイルス(HPV)というウイルスの感染です。しかし、HPVはごくありふれていて、セックスの経験がある女性なら、誰もが何度でも感染するウイルスなのです。コンドームでも防ぎきれません。そのことを十分に理解した上で予防法を身につけてください。

予防法といっても、今できることはただ一つ。子宮頸がん検診を受けること。HPV感染からがん発症までは平均10年です。その間に検診すれば発病リスクの有無がわかるからです。リスクがあったら、簡単な治療を受けて治癒。その後の性交渉、妊娠、出産も問題なくできます。

30~40代では細胞診とHPV検査の併用を

がん発病のリスクは、HPVが持続的に感染し、細胞が異形成(細胞の変化)を起こした状態です。異形成はがんではありませんが、放置しているとまれにがんになる可能性があります。検診の目的はこの異形成を見つけること。普通、がん検診というとがんの早期発見を意図しますが、子宮頸がん検診だけはがんの予防を意味します。パートナーができたら、それを機に検診を受けましょう。

住民検診も20歳からが対象です。現在、日本の検診は細胞診を主体にしていますが、欧米ではHPV検査との併用が推奨されています。特に子宮頸がんのピークである30~40代は、併用がおすすめです。

さらに医療先進国では、子宮頸がん検診に力を入れています。OECD(世界経済開発機構)加盟国24ヵ国のうち検診受信率1位はアメリカの82.6%。平均値は58.8%。検診すればほぼ100%予防できるにも関わらず、日本は最低の23.7%。子宮頸がん検診においては、後進国といわざるを得ない状況です。

だからこそ、がんにならないためには、一人ひとりがきちんと自覚を持って受診する必要があります。現在、検診には自治体や、企業保険のサポートがあるほか、自費検診も高額ではありません。積極的に利用して命と子宮を守りましょう。

<住民検診>
地方自治体で子宮がん(子宮頸がん)検診を実施しています。自治体により無料~1000円くらいですが、詳しくは市町村の保健課や健康推進課(窓口の名称は様々)、地域の保健所に問い合わせを。

<職場検診>
通常の職場検診とは別に、子宮がん検診を女性従業員、および男性従業員の配偶者に実施している企業があります。企業の健保組合費用の一部を負担しているので、950~1,500円くらい。勤務先の担当部署に問い合わせを。

<自費検診>
大きな病院の婦人科や検診センターなどで全額自己負担(保険がきかないので8,000~13,000円くらい)で受けられます。近所の婦人科クリニック・医療の場合は、子宮がん検診を行う提携病院を紹介するケースもあります。

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