TVドラマ「孤独のグルメ」はサラリーマンが一人でお店に出向き、感想を語るのが面白くて楽しみに観ていました。その中で主人公の五郎さんが頬張る、天ぷら中山の黒い天丼に驚き、頭から離れなくなりました。

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人気店で行列はあたりまえ、材料が無くなったら12時前でも閉める、さらに土日はお休み…と、子連れには色々とハードルが高いのですが、思い切って友人を誘って行くことに。 お店はカウンターと四人掛けの座敷が2テーブル。座席を狙い開店前から並んだので、無事に座れて一安心。

こちらのお店は家族経営です。お父さんが揚げ場担当、息子さんが接客担当、お母さんがその他の料理や忙しい所をサポート。無駄のない阿吽の呼吸で、開店直後に一斉に入ったお客さんをさばいていきます。

ほとんどのお客さんは黒天丼を注文していましたが、天ぷら定食も美味しそうでした。
(イラスト)

注文した黒天丼が程なくやって来ました。蓋を開けると…本当だ黒い!かろうじて海老の尻尾が分かるぐらい。しかし黒くても決して味が濃い訳でなく、甘酢も入っているようで、非常に食欲をそそります。

噛むとタレを吸った衣の甘辛い旨味が口中に広がります。ネタの海老はプリッと、キスや穴子はフワッと、そして茄子はホックリとしていて、揚げたての天ぷらならではの、素材の食感や甘みが引き出されています。

ご飯にもツヤツヤとタレが染み渡り、箸が止まりません! 付け合わせの大根の漬物は、パリパリと爽やか。シジミの味噌汁もダシが効いていて、天ぷらの油分を流してくれます。 最後にテーブルにあった七味唐辛子を少し丼に振ると、また味が引き締まって美味しさが増しました!大満足です。

会計を済ませようと立ち上がると、壁に年代の経過した、小学生が描いた消防車の絵画と、隣には表彰状が飾ってあります。接客されている息子さんの作品のようです。そんな息子さんが、今では一緒に働いているなんて素敵だなぁと、幸せな気持ちでお店を出ました。


【今週の口福】

天ぷら中山から歩いて5分ほどの場所に店を構える、清寿軒のどら焼きをご紹介します。文久元年(1861年)創業の老舗です。

もし中山で天丼頂いた後で、どら焼きを買いに行こうと思ったら買えません。とても人気があるので、朝から行かないと見る事さえ叶わないのです。

どら焼きには、大判と小判があります。大判は2枚の皮で餡を挟んだ一般的な物。小判は1枚の皮を折り曲げ、餡をたっぷり挟んだ物です。蜂蜜の入ったほんのり甘い皮は、しっとりとして焼き目はしっかりキツネ色。

餡は、北海道十勝産の小豆を、とろ火で4~5時間煮込み粒を残しているので、小豆が潰れず程よい食感と優しい甘み。そして「大福帳」と書かれた縁起の良い箱はお持たせに大変人気があるそうです。

江戸時代は大名や料亭の手土産として重宝され、一般庶民には手の届かないお菓子だったはず。もし江戸時代の人だったら、どう感じただろう?なんて想像しながら頂きたい、大変美味しいどら焼きです。

(Tamy)