こんにちは。お茶ライターのsatominです。皆さん、ペットボトルの緑茶「綾鷹」知ってますよね?
でも、綾鷹のこんな部分に注目している人いますか?
綾鷹といえば「急須」のマークですが、その近くにある赤い四角の「宇治茶舗」と、それに連なる6文字の漢字。

上 林 春 松 本 店
かんばやししゅんしょうほんてん


この名前、お茶好きにとっては、雲の上の人ともいえる存在です。わかりやすく言うと、アニメ好きにとってのスタジオジブリやディズニー社。その茶師は、いわば宮崎駿監督やウォルト・ディズニー氏のような存在と言えるかもしれません。とりあえずスゴい老舗なのである。

どれだけスゴいのかご紹介するために、東京から京都まで取材に行ってきました!
そして、今回、綾鷹を作るにも使われている茶師の技「合組(ごうぐみ)」の体験もすることに!!!


■信長、秀吉、家康にも愛された「上林春松本店」

上林春松本店は京都宇治にある創業450年の老舗茶舗です。室町時代には有力茶師「御茶師」として栄え、戦国時代以降、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康からも重用され、茶人の千利休からも愛されました。江戸時代には御茶師の最高位「御物御茶師(ごもつおちゃし)」の位を与えられ、宇治代官、茶頭取にも任命されました。

▼「宇治・上林記念館」には豊臣秀吉から送られた書状も展示
※画像は元記事でご覧いただけます。

歴史の教科書にでてくる武将や茶人とも関わりが深かった上林春松本店。その歴史の深さに驚かされます。すご過ぎです!


■「上林春松本店」潜入レポート

宇治の上林記念館で代表の上林秀敏氏にお会いしました。記念館の入り口には、現存する唯一の歴史的記念物である「茶師の長屋門」があり、歴史を感じさせる佇まいです。

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館内には、秀吉や利休の書状や御茶壺道中に使われた駕籠(かご)と壺、製茶道具など、祖先伝来の貴重な品々が展示されています。お茶好きならぜひ訪れたいスポットです。

さらに、今回、普段なかなか見ることのできない上林春松本店の拝見場にも入れていただきました!社長室のすぐ近くにある上林春松本店の心臓部ともいえる部屋です。拝見場に入ると、黒い拝見台が明かり取りの窓からの光で輝いていました。

拝見場では合組(ごうぐみ)という作業が行われます。合組とは原料になるお茶(荒茶)をブレンドすることです。
拝見台の正面の壁が傾斜していて壁や台が黒いのは、お茶の葉をよく見られるようにするため。拝見場はどこでも共通したつくりで、直射日光が入らない建物の北側に設けられ、天井の明り取りの窓から自然光をいれるようになっています。


■美味しいお茶には訳がある。お茶のブレンド「合組」をやってみた

そして、いよいよ合組体験です。拝見盆にいれられた花鳥風月客、5種類のお茶の葉が卓上に並びます。これらの茶葉のそれぞれの特徴を拝見して、好みの割合でブレンドします。

はじめに上林氏からお茶の拝見手順を教えてもらいます。

(茶葉5g、湯250cc。鑑定茶碗を使用。)
1)乾燥した状態の茶葉の外観や手触りを確認。
2)乾物の香りを確認
3)拝見茶碗に熱湯を注ぐ
4)お茶の香りを確認
5)お茶の葉を取り除き、水色(すいしょく)を見る
6)味を確認
本来煎茶は少し冷ました湯温で淹れますが、そのお茶の特徴を際立たせるために熱湯を使用します。


それぞれのお茶から感じたことを話すと、「このお茶の香りが好きということであれば、これを7割入れるといいと思います。水色をつけないのであれば「客」は1割でいいと思います。あとはバランスの問題です。少し甘みをつけるのであれば「風」を混ぜられたらいいと思います…」と上林氏からアドバイスをもらいます。それらを参考になんとか茶葉の割合を決定しました。
上林氏が目の前で合組(ブレンド)してくれるという贅沢!
そして、出来上がった自分だけのオリジナルのお茶はこちら!
※画像は元記事でご覧いただけます。

茶葉を今度は急須で淹れて確認します。飲むと苦みと渋みのバランスよく、鼻から抜ける香りも高い!アドバイスのおかげか素人でも美味しいお茶に仕上がりました。


■「伝統と革新」の精神で幕末~明治維新の危機を乗り越えた

今回、取材を通して、上林氏や上林春松本店からは老舗でありながら、保守的ではない柔軟性や革新性といったものが伝わってきました。それもそのはず、幕末から明治という激動の時代、最大の危機を「伝統と革新」の精神によって生き残ってきたのです。
明治維新で幕藩体制が崩壊すると、顧客を失った多くの茶師たちが廃業していく中、上林春松家はこれまでの抹茶だけにとらわれず、当時新製品であった煎茶(いまの玉露)を開発し、茶師から茶商に転身するのです。時代を先取っています。

その後も、明治10年の米国博覧会への出品や、はじめての百貨店出店、2010年には初の直営店舗など、常に新しいことにチャレンジしていきます。


■「綾鷹」開発を振り返る。意外な苦労話も

現代まで「時代の流れを掴む気質」は脈々と受け継がれ、ペットボトル入りの緑茶(後の「綾鷹」)の開発に協力することになります。

代表の上林秀敏氏は、はじめコカ・コーラ社から新しい緑茶開発の話があったときに「正直、抵抗がなかった、と言えば嘘になります」と言います。しかし、次第にコカ・コーラ社の「本物のお茶を多くの人に飲んで欲しい」と言う熱意を感じて綾鷹の開発を受けるようになったとか。

さらに、「当時の開発担当者が同世代の方だったのもよかった」といった裏話も。「同世代だからこそ通じるものや、話さなくても伝わることがあった」と当時を振り返ります。「そうでなかったら、開発の話しが進んでいたかわからない」と言うほど。やはり最後は人と人との関係性なのだなと感じます。


いかがでしたか?450年の歴史を持つ上林春松本店のスゴさを垣間見ることができたでしょうか?
室町時代から続く宇治御茶師唯一の末裔でありながら、伝統を重んじながらも常に新しいことに挑戦してきた上林春松本店。平成の時代もそれは変わりません。
綾鷹が10周年を迎える今年、新しく加わった「綾鷹にごりほのか」も綾鷹同様、老舗茶舗上林春松本店の協力のもと開発されました。

こんなスゴい老舗の上林春松本店と日本コカ・コーラが開発した「綾鷹にごりほのか」が美味しくないわけがない!
と、全力でもちあげてみました(笑)

上林春松本店さん、コカ・コーラさん、また呼んでください!


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※詳細は元記事をご覧ください。(元記事は下部の関連記事からご覧いただけます。)


(取材・文・撮影/satomin@日本茶インストラクター)