先日書いた「人工知能が描いた絵がすごい」というツイートが一晩で7000回以上RTされて、現在もトレンドに入り続けているので、どのくらいすごいのかさっそく自分でもやってみることにしました。


■この記事の完全版(全ツイート、引用元リンク付き)を見る


この研究の元になった論文を読むよりも実際に試した方が早いと思いますので、本記事では驚きのある結果画像のみをまとめています。

まずは元になる写真を用意しなくてはいけないので、前にインタビュー記事で撮ってもらったこの写真を使うことにしました。



それなりに空白があり、人の顔という難しいモチーフも入っているので、テストには良さそうです。

そして、最初に人工知能にタッチを真似してもらうイラストはムンクの「叫び」にしました。



有名な絵なので知っている人も多いですよね。



人工知能による出力結果がこちら。



すごいです。

これまでもPhotoshopのフィルターで「油絵で描いた風に加工!」のような機能は星の数ほどありましたが、これまでのどれとも違う感じ、言うならば「タッチをモノにしている感じ」がします。

特に顔の部分や手前のごちゃごちゃした小物を全部グシャグシャと塗りつぶしてしまう感じは本当にすごい。

続けてやってみたのがこちらも有名なゴッホさんです。




これもすごい。

正直に言うと慣れてしまって、先ほどより驚きがない気がしますが、すごいことは確か。壁に空白ができてしまう描写に違和感がある気もしますが、テーブル左の手元部分などは完璧にゴッホです。



そして、本記事は
ここからが本番。

有名な画家のタッチで写真を加工したものは、正直今までも広告やCDジャケットなどで見たことがあるものでした。

そこで今回は、「自分で描いた適当な絵」を用意して、人工知能に覚えてもらうことにしたのです。

最初に選んだのはこれ。



僕がツイッターで使っているアイコンですが、ベタ塗りで単純な絵柄なので、元の写真とは全く違います。人工知能はこれをどう処理するのでしょうか…。





すごすぎて鼻水出ました。

想像を超えたタッチの模倣。

顔の描写も、壁に突然現れているピンクの丸も、どれをとってもすごい。キュビズムっぽさすら感じます。


ただ、この絵は「それなりにちゃんと描いたイラストだったから、すごかったのでは?」そう考えて、僕の代表作になってしまっている適当な絵(ゆかいなエヅプトくん)もやってみました。





いや、これもすごいぞ…。

領収書の黄ばみ、裏写り。そしてボールペンで描いた適当な線。顔の描写も頑張っています。



ほかにも様々なタッチをどんどん試していきましょう。




■鉛筆イラスト








■高校生クイズポスター








■ラテアート(@原宿リシュー)








■水彩で描いた絵







そして数々の画像を試す中、特にびっくりしたのがこれです。




■いまトピ背景イラスト




なんだこれ?!

元イラストが細かいイラストの集合体だったのですが、なんと完成イラストも細かいイラストの集合体になっていたのです。





後ろのイスがこんな風になっているとか、もはやタッチの模倣を超えている気がします。(マヤ文字に似てる…。)

というか、ここまですごいのなら「何かのタッチに似せる」という概念にこだわる必要すらないのかも。

そこで、次は「絵」ではなくLINEのトーク画面を覚えさせて描いてもらうことにしました。結果がこちらです。



■LINEのトーク画面




これは、確かにLINEです…。

何を言っているのかわからないですが、確かに僕の写真がLINEのトーク画面になっています。画像を見せずに話したら「コイツ大丈夫か…?」と訝しがられるレベル。


最後に、タッチの存在しない、ノイズのような「縞模様画像」だとどうなるのか試してみました。




■縞模様画像



さすがに、タッチの存在しない元画像は無理でした。

しかし、これはこれで芸術っぽくなっている気もします。



ということで、全体的に超絶高性能だったニューラルネットワークを利用した人工知能お絵かきの世界。

ちなみに、元の写真は写真である必要はなく、イラストでも成立します。
本記事で出てきたエヅプトのラクガキをTwitterアイコンに似せてみたのがこちら。






あまりに凄すぎて、こういうジャンルで活動していた既存のイラストレーターさんや芸術家の方の今後が心配になるレベルです。

アルファ碁に限らず、今後多種多様な方向で人類に迫ってくるであろう人工知能の世界。

そのすごさの一端を垣間見せてくれるお絵かきアルゴリズムの紹介でした。


(吉永龍樹)