心臓発作で救急搬送され一命をとりとめた人が、退院時に病院の明細をみて心臓発作を再発する……。そんなストリーの保険会社のCMが流れるほど、アメリカの医療費は高額です。本当にそんなに高いの!? と他人事のように思っていたら、ついに私も体験してしまいました。

突然、唇がふくれあがり 数時間で2倍の大きさに!

ロサンゼルスに留学して、はや半年。保険には入っているものの医療費が高いと聞いていたので、体調管理には万全を期していました。

それがある日、突然唇がふくれあがり、数時間で2倍ほどの大きさに! 例えるなら「美容外科でヒアルロン酸をたっぷり注射したようなブリンブリンの分厚い唇」。……と言うと聞こえがいいですが、実際は口が閉じないし、ヒリヒリした腫れにプラスして膿まで出始め、見た目はかなりひどい状態。

それでも、もともと私はヘルペス菌を持っているので「いつもの口唇ヘルペスのひどい状態」と、当初はあまり心配していませんでした。それが、翌朝になってもまったく落ち着く気配がなく、むしろさらに悪化していたのです! 

さすがに焦り、保険会社に連絡。クリニックを探してもらうことにしました。私が入っているのは留学生用の保険です。値段は1年で20万円前後。24時間、日本語で対応してくれ、医療費、薬代、交通費もすべてカバーしてくれます。

すぐに診てもらいたいけど 予約が取れない!

こちらの病院は、大きく分けて3つのタイプがあります。命に関わるような病気やケガで緊急を要する場合は、大きな病院の救急治療センターへ。もし緊急でない場合は、予約をとってから病院へいくのが通常です。ただし、この場合その日の予約が取れない場合もあります。この中間にあたるのが、「アージェントケア(Urgent care)」。簡単な外傷や軽い病気など、入院を必要としない病気やケガを見てくれる病院です。救急治療センターに比べて待ち時間が少なく、予約も必要ないのが特徴(症状によっては診てくれない場合もあります)。

保険会社の人に探してもらったところ、おすすめの日本語の話せるドクターのいる病院は今日予約がとれるかわからないという曖昧な返事。悪化する唇に耐えきれず、近くの「アージェントケア」に行く事にしました。

病院の受診に15000円、薬代で約45000円

アージェントケアに到着すると、受付でまず言われたのが「受診するだけで、125ドル(15000円)かかります」とのこと。た、高い……涙。「保険がカバーしてくれるからダイジョウブ」と心の中で何度かつぶやき、腹をくくって受診すると、ラッキーなことに待ち時間なしで診てもらえました。

ドクターによると私の症状は、もともとあった口唇ヘルペスの傷に違う菌が付着し感染しているとのこと。「何の菌がついたか調べますか? その場合、追加で50ドル(6000円)です」と、ドクター。また、お金の話かと思いつつも、明朗会計なのはありがたいところ。今回は菌の特定はせず、薬だけ処方してもらうことにしました。

日本と同じ院内処方の病院もありますが、処方箋をもらって近くの調剤薬局で薬を買うシステムは日本と同じです。さっそく薬を購入すべく、近所の薬局のスタッフに処方箋を渡すと、「この薬、すごく高いけど大丈夫?」と、またお金の話……涙。私が処方されたのは、こちら。

・口唇ヘルぺス用の抗生物質7日分 84.99ドル(約10000円)
・その他の菌の抗生物質10日分 232.04ドル(約28000円)
・抗菌の塗り薬 ジェルタイプ 61.19ドル(約7400円)

合計 378.22ドル(約45000円)

た、高い……。唇用の塗り薬ですら7000円越え! ここでも「保険がカバー……」と呪文を唱えながら、クレジットカードで支払い。しかし、ドラッグストアで400ドル近く使うのは珍しく、カード会社から不正使用の疑いがかかりカードが通らない! 唇の痛みに耐えながら何度か試したあげく、どうにか別のカードで支払い、やっと薬を手に入れることができました。

おかげさまで、唇は数日でどんどんしぼみ「あれ、私ってこんなに口小さかったっけ?」と思うほど、みるみる回復しました。

今回の医療費(交通費は除く)は、合計503.22ドル(約60000円)。アメリカで盲腸手術をしたら500万円といった話も聞くので、一度の受診だけで済んだ私はかなり安い方なのかもしれません。とはいえ、私は保険会社が指定した病院以外のクリニックにかかったので、医療費はすべて自分で立て替え。後日お金は戻ってくるものの、まず各種書類と領収書を保険会社に送付して、その審査が通れば返金というかたちになるので、支払いは数ヶ月先になりそう。贅沢禁止の留学生生活にとって、これはイタい出費となります。

この体験で、現地の人の保険料まで気になったので、30代のアメリカ人に医療保険の額を聞いてみました。「月々約28000円」で、受診に関しての自己負担金はナシとのこと。この額は、ほかの人と比べて安い方なのだそう。勤務している会社によっては半額負担してくれるところもあるとか。もちろん、サービスは保険会社によりきりで、安い保険の場合はその分、受診時の自己負担学の割合が増えることに。
聞いていた通り、「健康を維持するためにはお金がかかる」と身をもって実感した出来事でした。

左がヘルペスの抗生物質、右がほかの菌の抗生物質。両方、100円玉の直径を超えるほどの大きさで飲みにくい。高額な値段を知っているだけに、大切に飲みました。

※1ドル120円で計算しています

(小山陽子 LA在住 健康&美容エディター)

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