ノロウイルスによる食中毒が流行する時期になりました。ノロウイルスは低温や乾燥に強く、牡蠣が感染経路に関わっているため、ノロウイルスによる食中毒は秋から春先にかけて、12~1月をピークに流行します。今年は新型のGⅡ/17が流行のきざしを見せているので注意が必要です。

培養も動物実験もできず、食品から検出できない

ノロウイルスは人の腸管でしか繁殖しないため、培養実験や動物実験ができません。特に食品中に含まれるウイルスを検出することが難しく、そのことが食中毒の原因究明や、感染経路の特定を難しいものにしています。

ノロウイルスの主症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛ですが、病院に行ってもノロウイルスが原因かどうかはこうした症状だけでは特定できず、臨床症状や周囲の感染状況などから総合的にノロウイルスと推定することになります。
医師が医学的に必要と認めた場合は検査キットも使われますが、ノロウイルスに感染していても陽性とならない場合もあり、診断の決め手にはなりません。
また、このウイルスに効果のある抗ウイルス剤はなく、ワクチンで防ぐこともできません。

新型ノロウイルスは大流行する可能性が

ノロウイルスには多くの遺伝子の型があり、国内でも各地で検出されるウイルスが異なります。これまでは特定のタイプのノロウイルスが主流になることはありませんでしたが、それが覆されたのが2006~2007年の大流行です。
この時は初めてGⅡ/4という遺伝子型のノロウイルスが主流になり、しかもGⅡ/4の中でも過去の流行時には検出されなかった2006bと呼ばれる「新型ノロウイルス」でした。

新型ノロウイルスは過去に感染した人がいないため、免疫が働かず、多くの人が感染する可能性があります。遺伝子型GⅡ/4のノロウイルスは変異を起こしやすく、2006年以降も次々と新しい新型ウイルスを生み出しているので、引き続き注意が必要です。

さらに今年は新たにGⅡ/17が流行の兆しを見せています。GⅡ/17はGⅡ/4と異なり、まだ人間が免疫を持っていないのが特徴。そのため、2006年以上の大流行が発生する可能性もあるのです。

85℃以上の加熱調理と石けんによる手洗いを

新型ノロウイルスも従来のノロウイルスも、感染予防の基本は同じです。ノロウイルスはアルコールに強いので、病院で感染予防に使われるアルコール消毒でも不活化しません。

感染を防ぐには、食品を85℃以上で1分間以上加熱すること。特にカキなどの二枚貝は、海水を取りこんだ際に汚染されている可能性があるので、85~90℃で90秒以上加熱しましょう。
また、アルコール消毒は効かないので、石けんによる手洗いがおすすめです。指輪などは外し、石けんを十分泡立てて、指の間や付け根、指先や手首まで丁寧に洗いましょう。石けんでノロウイルスが不活化するわけではありませんが、手指に付着したノロウイルスをはがれやすくする効果は期待できます。

新型ノロウイルス流行のニュースに一喜一憂することなく、「手洗い」と「加熱」で感染を確実に防ぎましょう。

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