北斗晶さんが乳がんを公表されて以来、乳がん検診への関心が高まっており、中には数ヶ月待ちの検診機関もあると聞きます。一方で、「検診は意味がない」「自己検診だけで十分」といった情報もネットなどで飛び交っていて、何が正しいのかわからず不安・・・・・・という人も多いのではないでしょうか。

そこで、医師による乳がん啓発団体である認定NPO法人・乳房健康研究会に今年の10月以降に寄せられた質問から、問い合わせが多かったものについて、乳房健康研究会理事長で聖マリアンナ医科大学ブレスト&イメージング先端医療センター附属クリニック院長の福田護先生のお答えをご紹介します。

疑問1
1年に1回よりも、もっと頻繁に受けた方がいいの?


乳がん検診に限らずがん検診は、死亡率減少という「利益」と、乳がん検診に伴う「不利益」を天秤にかけて、利益の方が大きい場合に行われます。

乳がん検診に伴う「不利益」には、以下のものがあります。
・偽陰性(実際はがんなのに、がんではないと診断される)
・過剰診断(生命に影響しない乳がんを発見し、不必要な治療を行うきっかけになる)
・精神的不安(がんかもしれないという不安に襲われる)
・マンモグラフィの被ばくや痛み
・検査のための時間や費用

2年ごとあるいは3年ごとのマンモグラフィ検診で死亡率減少効果を得られるというデータがあるため、日本の対策型検診(住民検診)では2年ごと(3年ごとの国もあります)のマンモグラフィ検診が推奨されています。

任意型検診(職域検診や人間ドックなど)では、受診者の希望や状況に合わせて1年ごとに行うこともありますが、1年よりさらに短い間隔での検診は、利益より不利益が大きくなってしまいます。そのため、1年に1回より短い間隔の検診はすすめられません。

疑問2
定期的な乳がん検診でも見つからない乳がんがあるの?


乳がんには、2年ごとのマンモグラフィ検診でも見つからずに、検診と検診の間の時期に見つかる「中間期乳がん」といわれる乳がんがあります。

中間期乳がんの原因としては
・発育の早い乳がんである
・乳腺組織が豊富な部位だと、マンモグラフィでは乳腺に隠れて見えないことがある
・がんが乳房の端にあるため、マンモグラフィで写る範囲から離れていることがある
・写っているにも関わらず、読影医が見落とすことがある

などがあります。

乳がん検診で乳がんを100%見つけることは不可能であることを、知っておいてください。

疑問3
乳がん検診は自己検診だけでいいのでは?


自己検診で乳がん死亡率が低下したというデータはありません。また、自己検診すれば中間期乳がんが早期に発見されるとは言い切れません。あくまで画像検診を定期的に受けた上で、中間乳がんがあるので、自己検診によって自分の乳房に関心を持ち続けてください。

※認定NPO法人乳房健康研究会では、乳がんや乳がん検診について、医学的エビデンスに基づいた情報発信ができる人を目指す「ピンクリボンアドバイザー制度」をサポートしています。興味のある方はhttps://breastcare.jp/pinkribbon-a-exam/をご覧ください。

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