“秋元康プロデュースのユニット”といえばAKB48? チェキッ娘? ねずみっ子クラブ?幕末塾? いや、みんな伝説のユニット『ICE BOX』を忘れていないか!

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ということで、今回は厳密にはバブル崩壊後の1994年にデビューした4人組をフィーチャー。

ICE BOXは、森永製菓の『アイスボックス』のCMのために企画され、シングル2枚、アルバム1枚をリリースした期間限定ユニット。当初は「謎の覆面ユニット」として楽曲の一部だけがオンエアされる、いわゆるティザー広告の手法がとられたため、CDジャケットにも彼らの顔写真がありません。アイスボックスのTVCMで映像が解禁されると、そのメンバーが吉岡忍、伊秩弘将、池田聡、中西圭三であることが知れ渡るようになります。

デビューシングル「冷たいキス」はオリコン最高7位、累計販売数55万枚を記録。発売元は、ファミリーコンピュータ末期の怪作ソフト『暴れん坊天狗』でもおなじみのメルダックでした。


振り返ればICE BOXは、メンバーそれぞれが実力を持った一線級のアーティストたちでした。当時きちんとそのスゴさを把握できてなかったみなさんのために、あらためて1人ずつご紹介。

●吉岡忍
1993年に別のバンドのボーカルとしてデビューののち、ICE BOXに参加。のちに小西康陽のプロデュースでアルバムをリリースするなど、ソロシンガーとしても活躍。2009年にはレオパレス21のCMソング「それぞれの夢」(夢中~で~が~んばる君へ~エールを~のあの歌)も歌っています。

●池田聡
1986年、「モノクローム・ヴィーナス」でデビュー。ICE BOXに参加した1994年には、自身のシングル「思い出さない夜はないだろう」もヒット。ちなみにこの曲は秋元康プロデュースのドラマ「そのうち結婚する君へ(作詞も秋元)」の主題歌でしたが、同じドラマの挿入歌であった「愛が生まれた日」(藤谷美和子・大内義昭)が大大ヒットしたため、ちょっと印象が薄くなりがち。

●伊秩弘将
初期の森高千里や、のちにSPEEDなどを手掛ける音楽プロデューサーとして著名ですが、80年代後半~90年代前半はソロアーティストとしても積極的に活動。前年には久宝留理子に提供した「男」がカメリアダイヤモンドのCMソングとしてヒットしていました。

●中西圭三
1991年、ZOOに提供した「Choo Choo TRAIN」の大ヒットに続き、1992年には自身が歌った「Woman」が(またしても)カメリアダイヤモンドのCMソングに起用され、シンガーとしても一気にブレイク。ICE BOXの中では唯一紅白出場経験もあり、最もお茶の間の認知度が高いメンバーでした。のちにソロアルバム「SONGS」で「冷たいキス」をカバーしています。


実のところICE BOXは『本人の知らないうちに結成される』という、この種のタイアップにはありがちなユニットだったようで、そのあたりの事情は、池田聡が自身のサイトでぶっちゃけています。

(以下引用) “正直に言って、勝手に作られたグループ。実は僕たちメンバーの意思とは関係なく結成されたという裏話を持っている。そういう経緯に激怒したメンバー(誰でしょう?僕ではないよ!)も中にはいるが、契約が(知らないうちに・・・)済んでしまっているのだからやるしかない。やるならば最高のものを、掌の上に乗せられてしまったのならばそれを逆に「ありがたい」と思おうと、ポジティブに思考を変えて、勢いだけで突き進んだ結果生まれたのがこの傑作なのだ。”(引用ここまで)

ただ池田自身もICE BOXとしてリリースしたアルバム「The Very Best Of ICE BOX」には満足しているようで、「大人の事情を乗り越えて、遊び心満載の傑作アルバムを作れた、最初で最後のアルバムなのにベスト盤」と評しています。『企画モノ』の域をはるかに超えた珠玉の17曲入りのアルバム「The Very Best Of ICE BOX」です。

実は翌1995年には、またしても覆面ユニットとして女性4人組の「ICE BOX BABY」がデビューしたのですが、メンバーは、1989年「東ハトオールレーズンプリンセスコンテスト」グランプリの平松まゆき、のちにLe Coupleとしてデビューする藤田恵美、シンガーソングライターの大本友子、小柳ゆきの実姉でもある歌手の美裕リュウ、という、ちょっとくくりづらい面々。CMも佐藤藍子ほかみなさんになってしまったため、その存在はあまり知られていません。

もちろんICE BOX以前にもCMタイアップは多数存在しました。アイスボックスが発売されたバブル絶頂の1989年には牛若丸三郎太(時任三郎)『勇気のしるし』(三共製薬「リゲイン」)、鷲尾いさ子と鉄骨娘『鉄骨娘』(サントリー「鉄骨飲料」)といったCMソングも大ヒットしていたのですが、これらはあくまでもCMとその“キャラ”が受けてのもの。
その点ICE BOXは、商品名をそのままユニット名にするという堂々たるタイアップぶりながら、「アレでしょ、CMの人たちでしょ」という偏見に負けないスタイリッシュさ、ミュージックステーションにも出演するなどユニットとしてのきちんとした活動実績(さすがにCMソングは歌えなかったみたいですが)が異質でした。なにより、そのサウンドと「夜のその途中でI say good night!, 停めたカブリオレがClose your eyes! 」といった秋元康のリリックが少しだけ大人っぽさ=今となっては“バブルの残り香”を感じさせ、私も含めたティーンたちのココロをキーンとクールにさせてくれたのです。

2012年には、ICE BOXへのあこがれを公言するゴールデンボンバー鬼龍院翔が、エイプリルフールネタとして勝手にCMソング「ICE BOX」を作るなど、ICE BOXの残した「アイスボックスらしさ」は今もアーティストらをインスパイアし続けています。

森永製菓さん、そろそろICE BOX再結成の機運、高まっていませんか!
来年の夏に向けて、いまから秋元Pにお声がけを!


(バブル時代研究家 DJGB)


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