こんにちは。xxx of WONDERの作曲等担当のDr.Usuiです。

さて、暗渠(あんきょ)オブワンダーということで、暗渠が一体どうオブワンダーなのか、という疑問、それどころかそもそもそんなテーマでいったいどれだけの人が関心を持ってくれるのかということにもかなり疑問がありますが、せっかくなので多くの人に暗渠の魅力を感じていただくべく始めて行きたいと思います。

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暗渠とは、地下に埋設された河川や水路のことです。私が、暗渠になぜか興味を持つようになったのは小学生になる頃だったでしょうか。生まれ育った東京西部は物心つくころから今日まで、記憶が追い付かないくらいに変化しているということが関係しているように思います。

幼少時、近所の地図を親に見せてもらった時に、一度も見たことのない川筋がいくつか記されていて、不思議に感じていました。すでに付近は住宅に埋め尽くされていましたが、自分が生まれる前にまた違った風景があったことをその時初めて想像したのでした。

東京は本当に移り変わりが早く、常に新しいもので刷新されていきます。大人になって、かつて見たことのあるはずの景色でもどんどん忘れていってしまって、今ある店や建物がいつからあってその前はどうだったかのか思い出せないということばかり。

不思議なことに、そんな東京でもほとんど変わらない部分があるとすれば、それは地形ではないかと思えるのです。合理的に都市は作られているのだと思いますが、にも関わらず東京は本当に道路もわかりにくくできています。それもまた、きっと元々の地形のせいです。

沼、谷、川、台、山。都市の中に、そんな漢字の地名があるのも不思議でした。目の前にあるのは単なる街でしかなかったのですから。こんな名がついている街に行くと、かつての名残がどこかにあるのではないか、とついつい探索してみたくなるのです。

渋谷区に宇田川町というところがあります。すっかり数が減ってしまいましたが90年代ころは数多くの小さなレコード店がそこかしこに存在していました。この場所も、宇田川という川が流れていた上に作られた街のようです。

いまでは跡形もなく、一見全く見る影もありませんが、渋谷駅の近くから辿ると西武の間から宇田川交番を経て代々木八幡方面に延びているNHKなどがある井の頭通りの一本西側の通り。これが実は宇田川という川だったようです。宇田川交番のあたりまではさすがに川だったころの名残は全く感じられませんが、富士そばを過ぎたあたりから、そう思ってみればちょっと不思議な作りの道路になっています。

今回は辿れませんでしたが、この先さらに上流部分になるとこの支流の一つは小田急線と並走します。ここは、かつて河骨川という小川だったらしく、一説によると唱歌「春の小川」のモデルとなったそうです。

今もたくさんのライブハウスやクラブ、カフェがある渋谷・宇田川町周辺は、今でも音楽シーンの発信地となっています。不思議なことに宇田川という川は今も昔も日本の音楽の発祥となっているわけですね。

この宇田川は、渋谷駅近くで渋谷川という川に合流します。次回は、この渋谷川を見てみたいと思います。

【募集】
 最後に、この連載をご覧になった方で、都内の昔の写真や地図をお持ちの方がいましたらぜひご連絡いただけないでしょうか?暗渠に限らず、都内風景の今昔比較をやってみたいと思っています。

(文・写真:Dr.Usui /xxx of WONDER)

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