私、大住、常々思っていることがある。


だし茶漬けって「お茶漬け」じゃないよね?って


お茶使ってないよね?って


居酒の〆のメニューに「お茶漬け」ってあっても9割くらいの確率ででてくるのはだし茶漬け(もしくは永谷園)。白米にお茶をかけた「お茶漬け」がでてくることはまずありません。いつから「お茶漬け」は「お茶漬け(お茶とは言ってない)」が当たり前になったのでしょう。
確かにだし茶漬けは美味しい!お茶だけのお茶漬けを駆逐するのもわかる!

でも、お茶だけぶっかけた白米をサラサラと流し込むシンプルなお茶漬けだって美味しいんだよ!!

と、いうわけで、今回は「お茶漬け」の復権をかけて本気で「お茶漬け」を作ってみたいと思います。

(急須持ってないからティーポットでな)


今回本気でお茶漬けを作るということで、まず用意したのは、

お茶ソムリエ

やっぱり本気というからには専門家に頼らないとね!
いまトピで月1お茶コラムを書いて頂いているsatominさんです。
(日本茶インストラクター、中国茶評茶員・茶芸師の資格持ち)

今回は彼女に「お茶漬け」に合いそうな「茶葉」を色々用意して頂きました(特に高級茶葉をおねだりしておきました!)。


■全ての画像は記事下部、関連記事1本目(元記事)からご覧いただけます
http://ima.goo.ne.jp/column/article/3624.html


ただ、彼女、お茶だけで作ったお茶漬けを食べたことがないそうで、あくまで「合いそう」という予想の元の選定です。
だし茶漬け(&永谷園)、どこまで「お茶漬け」を駆逐してるんだ……。

気を取り直して、美味しいお茶漬け作るぞ!!


■伝統本玉露 (福岡県八女市)

(1,500円(税抜き)/50g)

玉露の3大産地の1つ八女の星野村産の最高級伝統本玉露。
日本茶コンテスト受賞茶。

選定理由:
煎茶に比べてアミノ酸の多い、出汁の味がするとしばしば表現される玉露。
お茶漬けは番茶や中級煎茶で行うことが多いですが、
高級茶である本玉露でお茶漬けをしたらどうなるのか興味があり、3大産地の1つ「八女」の玉露にしようと思いました。
その中でも星野村の自然仕立て、稲藁による棚被覆、手摘みの伝統本玉露を選びました。
(satomin)

しょっぱなから玉露きました

解説にもありますが、旨味が強く甘いお茶です。
つかグラム3,000円ってマジで高いな!


玉露は60℃くらいの低温のお湯で苦味成分がでないように抽出するのだそうで、何度もお湯をカップに移し替えて温度下げてました。

で、完成した玉露茶漬けがコチラ。



色は薄いですが、お茶の甘くて良い香りがぷんぷん漂ってます。

(ずっと嗅いでいたいくらい良い香り)

食べる前からヨダレがでる!!
これは絶対美味しいやつだ!
高級茶葉おねだりしておいてよかった!

いただきまーす!!






!?
マズっ!!


い、いや、正確にはマズイってほどじゃないけど、香りと味のギャップでちょっと混乱してびっくりしてしまいました。
米の甘さにお茶の繊細な甘さが負けて消え苦味が強くでて、玉露の良いところがことごとく消えてしまってる感じです。
ただ苦味でお米の甘さは引き立つので(&玉露の甘みがプラス)、お米を甘く食べたい人にはオススメできる味ではある。
しかし、これ茶葉がもったいなさ過ぎると思います。そのまま飲んだほうが絶対に美味しい(ぶっちゃけスーパーで買ってきた茶葉のお茶漬けの方が美味い)。

な、なんか初回からこれだと残りが不安になるな……。


■有機釜炒り茶 (宮崎県五ヶ瀬町)

(1,000円(税抜き)/100g)

天皇杯受賞、農林水産大臣賞受賞の生産家の最上級の特選釜炒り茶。
農薬を一切使わない有機JAS認定のお茶。
若芽が伸びきらないうちに摘んだ「やぶきた」品種の一番茶を、低温でじっくり火入れした、
爽やかな甘みの有機釜炒り茶です。
五ヶ瀬は、蒸し製が主流の日本茶で、全国でおよそ2%程度の生産量のレアな釜炒り茶の産地。

選定理由:
釜で火入れをした香ばしい釜炒りのお茶がお茶漬けにはあうかと予想し、
釜炒り茶の中でも有機の釜炒り茶にこだわった五ヶ瀬の特選釜炒り茶を選びました。
このお茶は冬はHOTで、夏場も水出しで1年中愛飲しているお茶なので、
お茶漬けにしたらどうなるのかなという思いもあり試してもらいました。
(satomin)


色が黄色い!!

緑茶っていうか完全に黄色です。なんでも釜炒りの緑茶はこんな色になるとか。
香りは一般的なスーパーで売ってる緑茶よりもっと「お茶」の香りが強くて、少しだけ香ばしい香りです。2倍くらいお茶感アップって感じ。

で、「有機釜炒り茶漬け」の味なんですが、


人生で食べたお茶漬けの中で一番うまい


お茶漬け用に少し濃い目に出してもらったんですが、苦味が強めでお茶の風味もかなり強い茶葉のせいで、お米の「コメ臭さ」が全て打ち消され、旨味だけが残る感じに。
お茶部分の苦さ、爽やかさ、ほんの少しの香ばしさが、コメの甘みとコントラストをなしてこのお椀だけで「料理」として完成された一杯になっています。

お茶を使った新たな一品料理って感じです。


■煎茶(普通蒸し) (静岡県天竜区)

(1,000円(税抜き)/30g)

静岡県西部の天竜川上流地域で栽培したお茶。品種はやぶきた。
天皇杯を受賞、1本30万の高級茶としてテレビでも話題になった、ワインボトル入りのお茶の原料も製造している生産家。

選定理由:
高級なお茶で作ったお茶漬けの検証と聞き、高級なお茶として手元にあった、天皇杯など品評会受賞も多く、
ボトル1本30万円にもなるワインボトルのお茶の原料を製造している生産家さんのお茶を選んでみました。

今回最も高値のお茶。茶葉が針金のようで見た目からして高級感漂ってます。

で、この最高級お茶漬けなんですが、

ビックリするくらいマズイです

お茶の旨味が強すぎて、お米の旨味と合わさってクドくて不味い。あ、旨味=アミノ酸系の味です。


旨味が強すぎてお茶漬けなのに生臭さを感じるミラクル


ビックリとしか言いようがないです。普通の安い茶っぱのお茶漬けに砂糖と味の素ぶち込んだ味というか……。コメが甘すぎて気持ち悪いです。


旨みたっぷりの高級茶葉であればあるほど「お茶漬け」には向かないのかもしれません。


この他「ゆず緑茶」「加賀棒茶(ほうじ茶)」などでも作ったのですが、

「ゆず緑茶」 → お茶だけで十分香りが良くて美味しいのでワザワザ柚子の風味はいらない(邪魔)
「加賀棒茶(ほうじ茶)」 → 普通のほうじ茶よりも浅煎りで、飲むと美味しいけどお茶漬けにするともっと香ばしさが欲しくなる。


といった感じでした。


とりあえず今回わかったことは、


高級茶葉使っても美味い「お茶漬け」はできない


ってことでしょうか。

ただ、有機釜炒り茶のお茶漬けは本気で一品料理として成立するくらい美味しかったので、「お茶漬け」好きの皆様は一度試してみてもよいと思います。


濃い目にお茶を淹れるのがポイントです。



●おまけ



高い(美味しい)玉露のお茶っ葉は煎じたあと食べれるそうです。

ポン酢がオススメだとか。

実際かなり美味しかったです。繊維感はなく、噛むとわずかにキュッキュッって良い歯ごたえがするさわやかな菜っ葉って感じ。



(いまトピ編集部 大住 有)