外見からはわからない障害を抱えている人がつけるマークを知っていますか?杖をついていたり、車椅子に乗っているなど、障害が見た目に明らかであれば、電車などで席を譲ってもらうなどの配慮を受けやすいのですが、障害が目に見えにくいために人知れず困っている人もいるのです。

そのような人々のために、さまざまなマークが作られ、啓蒙する活動が行われています。

広く知られるようになったマタニティマーク

2006年に誕生したマタニティマークは、今では広く認知され、電車などの公共交通機関でこのマークをバッグにつけた女性を見かけることも増えました。このマークが知られるようになったことで、おなかが大きくなる前の妊娠初期(つわりなどで、かなり体調を崩しがち)でも気づいてもらえるようになり、妊婦さんに席を譲る行為を見かけることも珍しくなくなりました。

最近では、目には見えない障害や病気などで配慮や手助けを必要としている人のためのさまざまなマークが作られているのですが、まだ十分に知られていないのが実情です。

知っておきたいマーク

・ヘルプマーク
赤地に白の十字とハートが縦に描かれたヘルプマークは、援助や配慮を必要としていることが外見からは分からない人に向けて、東京都が配布しています。具体的には、義足や人工関節を使用している、内部障害や難病を抱えているといった障害を持つ人、あるいは、妊娠初期の人があたります。

・見えない障害バッジ
ツイッター上での議論をきっかけに生まれた、見えない障害バッジ。難病、内部疾患、発達障害など、社会で認知されにくく、福祉政策からも支援を受けにくい人たちが議論を重ね、このバッジを応援するための「わたしのフクシ。」というプロジェクトが結成されました。透明な素材に「大切なものは目に見えない」と書かれているのが特徴です。小さな赤いハートマークが付いたものが当事者用で、啓発用もつくられています。

・ハートプラスマーク
青地に白で人の形のなかの、赤いハートと十字が特徴。心臓や呼吸機能、消化器、免疫機能などの目に見えない内部障害や内臓疾患を持つ人への理解を広めるために作られました。特定非営利活動法人ハート・プラスの会が運営。

ほかにも、聴覚障害者のための「耳マーク」、人工肛門・人工膀胱を造設している人のための施設を示す「オストメイト」など、さまざまな障害を持つ人のためのマークがあります。

マークをつけている人を見かけたら?

このような「見えない障害」を抱えた人たちは、一見すると健常者と同じように見えるために、心ない言葉をかけられたり、必要なサポートが受けられなかったりします。電車の中で席を譲ることだけが思いやりではありません。ときには、そっと見守る、助けを必要としているときは手助けするなど、柔軟な対応が求められます。

妊婦さん、精神疾患、内臓疾患、発達障害など、ゆるやかな支援を必要とする人たちに暮らしやすい社会は、今健康な人たちにとっても、暮らしやすい世の中であるといえるはずです。そのための第一歩が、こういったマークの存在を知ることにあるのではないでしょうか。