5月9・10日に東京ドームで行われた「KAT-TUN LIVE 2015“quarter”inTOKYO DOME」に行ってきた。
3年ぶりとなる東京ドーム公演は、4人体制(亀梨和也、田口淳之介、上田竜也、中丸雄一)になって初のこと。相次ぐメンバーの脱退を困難を乗り越え、力強く突き進む4人の姿があった。

今回のライブのコンセプトは「quarter」。一部のファンからは略して「q魂」(きゅーこん)と呼ばれ、コンサートグッズとして販売されていた指にはめるダイヤモンド型のリングライトとも見事にリンク。亀梨も「リングライトは俺らからの婚約指輪」と話すなど、まさに「求婚」ライブとなった。
この二日間でなんと約11万人を動員。東京ドームでの公演は通算30回目となり、総動員数は165万人を数える。デビュー9周年、KAT-TUNの勢いはとまらない。

■全く先が読めないセトリ

ライブは最新アルバムをひっさげて…というのが一般的だが、今回はアルバムのリリースはなく、オープニングから何が飛び出すのかわからないライブだった。

会場の中央には、4つに分割するムービングステージを設置。中央に集まれば大きな円形のステージが完成する。 4方向から登場したメンバー。大歓声の中、一瞬の静寂で引きつけてから『KISS KISS KISS』でスタート。さっそく先が読めない。

ステージは「Japanesque」「Rock」「Digital」「Shuffle」の4つのテーマを軸に構成されていて、めまぐるしく変わる舞台にハラハラ・ドキドキの連続。約3時間弱の中で様々な色のKAT-TUNを見ることができた。

「Japanesque」では艶やかな着物にファーを組み合わせるなど、KAT-TUNらしく大胆にアレンジした和装で登場。『楔 -kusabi-』も和テイストにして歌うなど、曲が持つ世界観をがらりと変えてみせた。その他、殺陣や太鼓を使ったパフォーマンスを披露。大量の桜吹雪が舞うなか、4人の妖艶な姿でファンを魅了した。

■世界一早い忘年会! 5万5千人が大合唱

籠に身を隠した亀梨に変わり、登場した上田竜也。籠を燃やして「Rock」ステージにチェンジ。ギターを持つ亀梨と上田の姿も。「Digital」では重低音が鳴り響くドームにレーザーや照明を巧みに駆使した異空間を思わせる。それは呼吸を忘れるほどの“魅せる”演出で、双眼鏡を持つ手にも力が入ってなぜか息も止めてしまう。うちわを振る余裕もないくらい、一瞬たりとも見逃したくない圧巻のステージだった。

普通ならば大好きなアイドルをできるだけ至近距離で観たいと思うものだが、KAT-TUNのステージはスタンドの上から全体を見渡したいと思えるほど、舞台演出にもこだわりが感じられる。

「Shuffle」では、まず2014年大晦日に行われたカウントダウンコンサートで大好評だった忘年会企画が再び。これは各メンバーのソロ曲を別のメンバーが歌うというもので、めったに聞くことが出来ないファン垂涎のコーナー。5月に忘年会ネタをやっちゃうこの遊び心。たまらん!

ここで最高に萌えたのが、二日目のシャッフル。亀梨のソロ曲を歌うことになった上田は、歌うどころか椅子を女性に見立て、椅子にかけたネクタイにキス。「もう我慢できねぇんだよ!」と椅子を押し倒した。その姿にハイフン絶叫。スリリングな演出は上田の得意とするところだが、今回はちょっぴりアダルトな演出で会場をわかせた。

またシャッフル企画では、デビュー曲の『Real Face』を大合唱。KAT-TUN、女性のお客さん、男性のお客さん、全員と歌割りが設けられ、本人出演の映像と共にカラオケ大会がスタート。一生懸命に歌う男性ファンの姿も多くて感動的。いつもは亀梨が担当する舌打ちのパートは女性に割り振られ「チッ」と盛大な舌打ち。キメのパートを与えてくれるなんて嬉しいじゃないか。そしてデビュー曲が色褪せることなく、長く愛される名曲であることも改めて誇りに思えた。

■これだからハイフンはやめられない!たのしすぎるMC

二日目のMCは母の日の話題からスタート。ロックなイメージなのに母の日をテーマにしたことを自虐的に語った亀梨。 前日よりも緊張が和らいだのか、下ネタも飛び出して終始笑いに包まれた会場。ところどころで5万5千人のファンが一斉に「フゥー」と悪ふざけする場面もあり、茶化すことすら一体になれるファンもすごい!
このあと「ハイフンの悪いところ出てますよ」と中丸に注意されるのだが、こうした何気ないやりとりを通してファンとの距離を縮めてくれるKAT-TUNのMC。何度もコンサートに入りたくなる理由の一つだ。

最後の挨拶で田口は「KAT-TUNは自分の中ですごく大事なもの」と涙を流し、上田も「みんながいるから過酷なことにも挑戦できる」と感極まった様子で熱い思いを伝えた。
KAT-TUNはデビュー当時からロックが多かったこともあり、ワイルドなイメージが根強く、アイドルの王道とはちょっと違う独自の路線を歩んできた。フタをあけてみれば笑いあり下ネタもあり、それでいてスタイリッシュ。自分たちが本当にやりたいこと、本当にカッコイイと思うことを詰め込んだステージは、滲み出る男の色気も手伝って何度もファンの胸を打つ。

終演後もなりやまないファンの声に答えたKAT-TUN。豪華なステージをたった二日間で終わらせてしまうのはなんとも名残惜しいが、10周年にはどんな景色をみせてくれるのか今から楽しみでならない。

(柚月裕実)