夏といえば「フェス」。「フジロック」など各地で音楽フェスが開催されるが、「寺社フェス」というものがあるのをご存知だろうか。
今年で5回目となる寺社フェス「向源(KOHGEN)」は、日本の神道・仏教など宗教や宗派を超えて日本の伝統文化を体験できるイベントだ。東京・芝大門にある浄土宗大本山「増上寺」にて、ゴールデンウィーク中の5月2日、3日の2日間開催される。年ごとにテーマがあり、2015年は「未来はあなたの手の中に」をテーマにおよそ100のワークショップが展開。「能」「書道」「香道」といった伝統文化から、「坐禅」「念仏」「写経」といった寺社文化まで、様々な体験講座がある。「フェス」には欠かせない音楽LIVEやフェス飯といったものから、トークショー、仏前結婚式・神前結婚式といったものまである。

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■いま注目の日本の伝統文化、寺社文化が体験できる!
2013年には和食や富士山が世界遺産に登録され、2014年は訪日外国人数"が過去最高になり、国内外で注目の日本文化。2020年に東京オリンピック開催を控え、外国人はもちろん、日本の若者も日本文化に強い興味を持ち始めている。東京の由緒ある寺社で、様々な日本の伝統文化を体験できる「向源」は、そんなムーブメントに呼応したイベントといえるかもしれない。

圧巻なのが、宗派を超えたお経のライブ「声明(しょうみょう)公演」だ。宗派を超えて台宗の声明、日蓮宗の木剣加持、そして真言宗の太鼓が共演。日本の仏教音楽を堪能できる滅多にない機会だ。日本のゴスペル、仏教の「声明」。ぜひ現場でそのグルーヴを感じよう。

イラストを描いていたり、pixivに投稿しているような絵心のある方は「写佛」に挑戦してみては。増上寺の本尊でもある「阿弥陀仏」の姿を毛筆を使って下絵をなぞりながら描いていく。毛筆で描くのは、PCを使って描くのとはまた違った新鮮な感覚があるだろう。
新鮮な感覚といえば、ウルトラ木魚を使って行われる人形供養もインパクト大だ。『ウルトラマン』の35話「怪獣墓場」で実際に行われた怪獣供養をモチーフに作られたウルトラ木魚で人形供養を行う。
会場にもなっている増上寺の大殿、安国殿、三解脱門、経蔵、徳川家霊廟などをお坊さんが解説付きで案内してくれる「Deep 増上寺~お坊さんと巡る増上寺~」も、きっと新しい発見があるだろう。
面白いところでは、手塚治虫の名作「火の鳥 ヤマト編」を神主さんが読み解く「神主さんと読む火の鳥」といったものもある。


他にも、修行体験や写経、坐禅といったものから、能楽体験、和の香り作り、いけ花など、日本の仏教や和のカルチャーに触れられるワークショップが目白押し。本格的なものから、楽しく体験できる講座まで好みのものが選べる。

体験講座・講演は無料のものと、有料(1,000~3,000円)のものがある。一部は事前予約が必要な講座もあるので注意が必要だ。公式ホームページにある講座一覧を事前にチェックして、必要な講座はチケットを購入してから出かけよう。


■お化け屋敷の仕掛け人として有名な五味弘文プロデュースの「お化け屋敷」が登場
様々な体験講座があるが、今年の目玉の1つが「お化け屋敷」だ。クラウドファンディングによって資金を集めることに成功。それまでの展示型からストーリー性を取り入れお化け屋敷を変革したといわれる、お化け屋敷プロデューサーの五味弘文が手がけることでも話題だ。

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一歩足を踏み入れると、そこは漆黒の闇。たった一本の綱だけを頼りに進まなくてはなりません。けれどその綱は、ある深い思いを抱いて亡くなった女性の髪の毛が埋め込まれた毛綱だったのです。顔に当たる髪の毛、耳元で囁く声、足元の布団…。やがて、綱が何者かによって引かれます。それに誘われて進んだ先には…。(向源公式サイトより)
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お化け屋敷は他の体験講座とは違い、予約なしで当日券500円で気軽に体験できる企画だ。2日間限定!怖いだけじゃないミッション型ホラーエンターテイメントを体験しよう。


■向源ならでは、お坊さん講師のワークショップやトークショーも
坐禅、写経、写佛、念仏、仏教プラクティス(修行体験)などお坊さんが講師を務める体験講座や、「神道×仏教」「お笑い×防災×仏教」「囲碁×仏教」「禅と脳科学」といったお坊さんのトークショー(講演)があるのも「向源」の特徴といえる。

マンガ『孤独のグルメ』『花のズボラ飯』の原作でも有名な久住昌之と料理僧・青江覚峰のトークショー「久住昌之×青江覚峰「仏縁とごはんの素敵な関係」」も開催される。 原作を久住昌之が、監修を青江覚峰が行っている現在雑誌「エレガンスイブ」(秋田書店)で連載中の『サチのお寺ごはん』の制作裏側や食について語る。

「仏教プラクティス ~修行の効き目はどの宗派も同じ?~」では、坐禅止観(天台宗)、阿字観(真言宗)など、仏教を代表する修行を体験し、その効き目はどの宗派も同じなのかをみるという試み。

昨年も人気のワークショップ「死の体験旅行~死を通して、生を見つめる~」。今年は2日間で5回開催され、チケット発売数日後にチケットが売り切れになる回も。講師は浄土真宗僧侶・浦上哲也と、浄土宗僧侶・吉田龍雄ら。自分にとっての「生と死」を考え、自分にとって何が本当に大切なのかを再確認できる特別な体験旅行になる。

悩みがある方や、仏教についてきいてみたい方には「お坊さんと話そう」はよい機会だ。普段なかなか会うことのないお坊さんと予約不要・無料で15分間話すことができる。お坊さんのありがたい言葉を聞きに行ってみては。


■京都発のフェス飯と、仏像ガチャなど人気グッズ販売もチェック
そして、忘れてならないのがお祭り感いっぱいのフェス飯と物販ブースだ。もちろんチケットがなくても気軽に楽しめる。
フェス飯には、京都最大級のグルメイベント「京都まるごとマルシェ」が今年も登場。京都と東京で注目の料理人10名が集結し、伝統野菜や地元食材を使った向源限定の特別料理を提供する。売り切れ次第終了とのことなので早めにいって東西の味を堪能しよう。

物販ブースでは渋い仏教グッズや、和の香りや水引などのワークショップにまつわる商品が販売。さらに「腕輪念珠作り」や「だるま作り」といった体験スペースや仏像ガチャ、勧進ブースも登場する。勧進とは「寄付」のことで、寄付をするとクリアファイルなどを渡される。

仏像ガチャは昨年も好評で、ガチャを回すと大日如来、釈迦如来、弥勒菩薩、不動明王、金剛力士像といった仏像が出てくる。中には、「阿修羅ゲットです!」「いいな阿修羅ヤバイ!」と盛り上がるアシュラーもいたとか。


■見逃せない!増上寺が光と音でショーアップ「プロジェクションライティング」
増上寺の境内が暗闇に包まれていくと、もう1つのお楽しみがはじまる。東京タワーをバックに増上寺が特別にライトアップされるのだ。さらに、夜の19:30から20:00の間に数回、プロジェクションライティングのショーが行われ、光と音の演出でお寺がもはやお寺とは思えない空間に。観覧無料、予約不要のため、このプロジェクションライティングを見にふらっと訪れてみてもいいだろう。

1日間だけの開催だった昨年は、19:00から20:00の間で15分に1回、5分間の光の演出が行われ、およそ300名の観客で賑わった。
昨年のプロジェクションライティングの模様は下記をチェック。


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「向源」は東日本大震災をきっかけとして、2011年9月に誕生した。日本の伝統文化、寺社文化を体験して、未来へ向かう力の源を発見してほしい、という体験型寺社フェスだが、その目標は大きい。

代表の天台宗僧侶・友光雅臣は、2020年のオリンピックの約30日間、東京の寺社10カ所で「向源」を開催するのが夢だという。「来場者数60万人、ボランティア7万5千人で構成される、日本を代表する文化の祭典を東京中の寺社で巻き起こそうと思っています。」と語る。その為に、日本を代表するイベントとして着実に成長を遂げていきたいとのこと。

品川・常行寺で来場者数70名ではじまった「向源」は、年々拡大し昨年はおよそ2,000人が集うイベントとなった。日本文化が国内外で注目され、関心を持つ人が増えているいま、今後はその存在がより大きくクローズアップされていくだろう。「過去に学び、未来を信じ、今を生きる」、その想いが少しずつ人々の間に広まっていくのを願ってやまない。

ゴールデンウィークは日本の伝統文化を体験しに寺社フェス「向源」にいってみては。


◆イベント情報
寺社フェス「向源(KOHGEN)2015」

・日時:2015年5月2日(土)~3日(日) 11:00~20:00
・場所:浄土宗大本山 増上寺 / 神道 芝大神宮(東京 芝大門)
・公式ホームページ: http://kohgen.org/
・主催:向源実行委員会
入場無料・体験講座チケット販売中

※プロジェクションライティングや声明公演、ウルトラ木魚、仏像ガチャなどの画像は元記事でご覧いただけます。


(いまトピ編集部 鹿乃ハル)